婁[娄] ロウ・ル 女部
巻きあげた髪型 三つ編みにして巻く
解字 金文は女の頭髪を(他人の)両手が結っているかたち。篆文第一字は金文から両手を省いた古いかたち。篆文第二字は髪の毛を高く巻きあげたかたちで、髪の横につきでているのはカンザシか。この字をもとに現在の婁が成立した。髪の毛を巻き上げるには、まず長い髪を三つ編みにし、これを巻いて丸くしてから上に重ねたと思われる。したがって、髪の毛が「かさなる」、三つ編みにした長い髪の毛が「つらなる」イメージがある。
しかし「婁」単独では星座のひとつに仮借カシャ(当て字)される。新字体になる時、婁⇒娄に変化する。
意味 (1)星座の名。たたら星。「婁宿ロウシュク」(たたら星。二十八宿のひとつ)(2)ひく。ひきよせる。(3)むなしい。から。中空。
イメージ
巻き上げた髪が「かさなる」(楼・数)
三つ編みにした髪が長く「つらなる」(縷・髏・屢・褸・鏤)
「同音代替」(藪)
音の変化 ロウ:楼・鏤 ロ:髏 ル:縷・屢・褸 スウ:数 ソウ:藪
かさなる
楼 ロウ・たかどの 木部
解字 旧字は樓で、「木(き)+婁(かさなる)」の会意形声。階をかさねた木造の建物。新字体は、樓⇒楼に変化。
意味 (1)たかどの(楼)。高い建物。「楼閣ロウカク」「楼門ロウモン」(二階造りの門) (2)やぐら。物見やぐら。「望楼ボウロウ」 (3)茶屋。料理屋。「酒楼シュロウ」
数 スウ・ス・シュ・かず・かぞえる 攵部
解字 旧字は數で、「攵(手の動作)+婁(かさなる)」の会意。攵ボクは本来うつ意だが、ここでは手の動きを表し、かさなるさまを一つ一つ手で数えること。新字体は、數⇒数に変化。
意味 (1)かず(数)。かぞえる(数える)。「数学スウガク」「点数テンスウ」「数珠ジュズ」(珠たまを数える意。仏を礼拝するとき手にかける珠をつらねた用具) (2)いくらか。いくつか。「数回スウカイ」「数個スウコ」 (3)めぐり合わせ。運命。「数奇スウキ」「命数メイスウ」(生命の長さ) (4)[国]「数寄スキ」とは、好き(スキ)の当て字で風流の道(茶の湯など)を好むこと。
つらなる
縷 ル 糸部
解字 「糸(いと)+婁(つらなる)」の会意形声。糸がながくつづくさま。また、絶えずに続くさま。
意味 (1)いと。いとのように長いもの。いとすじ。「一縷イチル」(わずかにつながるさま)「一縷の望み」 (2)絶えずに続くさま。「縷縷ルル」(①絶えずにつづく。②こまごまとくわしく述べる)「縷言ルゲン」(こまごまと詳しく言う)
褸 ル・ぼろ 衣部
解字 「衣(ころも)+婁(=縷。いと)」の会意形声。糸で衣をつぎはぎすること。つぎはぎした衣服をいう。
意味 ぼろ(褸)。つづれ。破れたのをつぎはぎした衣。ぼろぎれ。「襤褸ランル・ぼろ」(襤も褸も、ぼろの意)
鏤 ロウ・ル・ちりばめる 金部
解字 「金(金属)+婁(つらなる)」の会意形声。金属の上に模様を刻んでつらねること。ちりばめる意となる。
意味 (1)ちりばめる(鏤める)。技巧をこらす。「鏤句ロウク」(技巧をこらして句をつくる) (2)きざむ。きざみつける。「鏤刻ロウコク」「鏤骨ルコツ・ロウコツ」(①骨に刻んで忘れないこと。②骨に刻み込むような苦労)「鏤氷ロウヒョウ」(氷を刻んで模様をつくる。無駄で効果がないこと)「鏤塵ロウジン」(塵ちりにきざむ)「吹影鏤塵スイエイロウジン」(影を吹き塵にきざむ。無意味な努力のこと)
髏 ロ・ロウ 骨部
解字 「骨(ほね)+婁(つらなる)」の会意形声。骨がつらなる形で骨ばかりとなった死骸の意。
意味 髑髏ドクロに使われる字。髑ドクは、「骨+蜀(=獨。はなれる)」で、はなれた骨。髑髏とは野ざらしとなって、つらなる死骸のなかで、はなれた頭蓋骨をいう。されこうべ。しゃれこうべ。※「され」は、さらす(晒す)意で、「されこうべ」は日光や風雨に晒された頭骨の意。しゃれこうべは、その転音。
屢[屡] ル・しばしば 尸部
解字 「尸(亡き死者に代わって座る人)+婁(つらなる)」の会意形声。尸シは、人が椅子に腰かけた姿勢の象形。祖先の祭祀の時に亡き死者に代わって近親者が椅子に座った姿をいう。それに婁(つらなる⇒連続する)がついた屢は、祭祀で死者の位置につくことが続く、そうした祭祀がしばしばある意。新字体に準じた屡も使われる。
意味 しばしば(屢)。たびたび。「屢次ルジ」(たび重なること。しばしばである)「屢述ルジュツ」(何度も述べること。繰り返し述べる)「屢雨しばあめ」(時おりさっと降る雨。にわか雨)
同音代替
藪[薮] ソウ・やぶ 艸部
解字 「艸(草木)+數(ソウ)」の形声。ソウは叢ソウ(あつまる)に通じ、草木がむらがり生えている所をいう。
意味 (1)やぶ(藪)。草・低木・竹などが生い茂っているところ。「藪入り」(奉公人が盆と正月に実家に帰ること。草木の茂った田舎に入るから)「藪蛇やぶへび」(藪をつついて蛇を出すこと)「藪医者ヤブイシャ」(野巫医ヤブイ」の略。野(田舎)で巫フ・ブ(呪術)で治療を行っている医者の意。転じて、医術の下手な医者) (2)さわ。沼地。鳥獣が集まるところ。「藪沢ソウタク」(草木が生い茂る沼沢)
<紫色は常用漢字>
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巻きあげた髪型 三つ編みにして巻く
解字 金文は女の頭髪を(他人の)両手が結っているかたち。篆文第一字は金文から両手を省いた古いかたち。篆文第二字は髪の毛を高く巻きあげたかたちで、髪の横につきでているのはカンザシか。この字をもとに現在の婁が成立した。髪の毛を巻き上げるには、まず長い髪を三つ編みにし、これを巻いて丸くしてから上に重ねたと思われる。したがって、髪の毛が「かさなる」、三つ編みにした長い髪の毛が「つらなる」イメージがある。
しかし「婁」単独では星座のひとつに仮借カシャ(当て字)される。新字体になる時、婁⇒娄に変化する。
意味 (1)星座の名。たたら星。「婁宿ロウシュク」(たたら星。二十八宿のひとつ)(2)ひく。ひきよせる。(3)むなしい。から。中空。
イメージ
巻き上げた髪が「かさなる」(楼・数)
三つ編みにした髪が長く「つらなる」(縷・髏・屢・褸・鏤)
「同音代替」(藪)
音の変化 ロウ:楼・鏤 ロ:髏 ル:縷・屢・褸 スウ:数 ソウ:藪
かさなる
楼 ロウ・たかどの 木部
解字 旧字は樓で、「木(き)+婁(かさなる)」の会意形声。階をかさねた木造の建物。新字体は、樓⇒楼に変化。
意味 (1)たかどの(楼)。高い建物。「楼閣ロウカク」「楼門ロウモン」(二階造りの門) (2)やぐら。物見やぐら。「望楼ボウロウ」 (3)茶屋。料理屋。「酒楼シュロウ」
数 スウ・ス・シュ・かず・かぞえる 攵部
解字 旧字は數で、「攵(手の動作)+婁(かさなる)」の会意。攵ボクは本来うつ意だが、ここでは手の動きを表し、かさなるさまを一つ一つ手で数えること。新字体は、數⇒数に変化。
意味 (1)かず(数)。かぞえる(数える)。「数学スウガク」「点数テンスウ」「数珠ジュズ」(珠たまを数える意。仏を礼拝するとき手にかける珠をつらねた用具) (2)いくらか。いくつか。「数回スウカイ」「数個スウコ」 (3)めぐり合わせ。運命。「数奇スウキ」「命数メイスウ」(生命の長さ) (4)[国]「数寄スキ」とは、好き(スキ)の当て字で風流の道(茶の湯など)を好むこと。
つらなる
縷 ル 糸部
解字 「糸(いと)+婁(つらなる)」の会意形声。糸がながくつづくさま。また、絶えずに続くさま。
意味 (1)いと。いとのように長いもの。いとすじ。「一縷イチル」(わずかにつながるさま)「一縷の望み」 (2)絶えずに続くさま。「縷縷ルル」(①絶えずにつづく。②こまごまとくわしく述べる)「縷言ルゲン」(こまごまと詳しく言う)
褸 ル・ぼろ 衣部
解字 「衣(ころも)+婁(=縷。いと)」の会意形声。糸で衣をつぎはぎすること。つぎはぎした衣服をいう。
意味 ぼろ(褸)。つづれ。破れたのをつぎはぎした衣。ぼろぎれ。「襤褸ランル・ぼろ」(襤も褸も、ぼろの意)
鏤 ロウ・ル・ちりばめる 金部
解字 「金(金属)+婁(つらなる)」の会意形声。金属の上に模様を刻んでつらねること。ちりばめる意となる。
意味 (1)ちりばめる(鏤める)。技巧をこらす。「鏤句ロウク」(技巧をこらして句をつくる) (2)きざむ。きざみつける。「鏤刻ロウコク」「鏤骨ルコツ・ロウコツ」(①骨に刻んで忘れないこと。②骨に刻み込むような苦労)「鏤氷ロウヒョウ」(氷を刻んで模様をつくる。無駄で効果がないこと)「鏤塵ロウジン」(塵ちりにきざむ)「吹影鏤塵スイエイロウジン」(影を吹き塵にきざむ。無意味な努力のこと)
髏 ロ・ロウ 骨部
解字 「骨(ほね)+婁(つらなる)」の会意形声。骨がつらなる形で骨ばかりとなった死骸の意。
意味 髑髏ドクロに使われる字。髑ドクは、「骨+蜀(=獨。はなれる)」で、はなれた骨。髑髏とは野ざらしとなって、つらなる死骸のなかで、はなれた頭蓋骨をいう。されこうべ。しゃれこうべ。※「され」は、さらす(晒す)意で、「されこうべ」は日光や風雨に晒された頭骨の意。しゃれこうべは、その転音。
屢[屡] ル・しばしば 尸部
解字 「尸(亡き死者に代わって座る人)+婁(つらなる)」の会意形声。尸シは、人が椅子に腰かけた姿勢の象形。祖先の祭祀の時に亡き死者に代わって近親者が椅子に座った姿をいう。それに婁(つらなる⇒連続する)がついた屢は、祭祀で死者の位置につくことが続く、そうした祭祀がしばしばある意。新字体に準じた屡も使われる。
意味 しばしば(屢)。たびたび。「屢次ルジ」(たび重なること。しばしばである)「屢述ルジュツ」(何度も述べること。繰り返し述べる)「屢雨しばあめ」(時おりさっと降る雨。にわか雨)
同音代替
藪[薮] ソウ・やぶ 艸部
解字 「艸(草木)+數(ソウ)」の形声。ソウは叢ソウ(あつまる)に通じ、草木がむらがり生えている所をいう。
意味 (1)やぶ(藪)。草・低木・竹などが生い茂っているところ。「藪入り」(奉公人が盆と正月に実家に帰ること。草木の茂った田舎に入るから)「藪蛇やぶへび」(藪をつついて蛇を出すこと)「藪医者ヤブイシャ」(野巫医ヤブイ」の略。野(田舎)で巫フ・ブ(呪術)で治療を行っている医者の意。転じて、医術の下手な医者) (2)さわ。沼地。鳥獣が集まるところ。「藪沢ソウタク」(草木が生い茂る沼沢)
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