イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

上村松園展へ

2010-10-07 22:44:05 | 着物
東京国立近代美術館の上村松園展へ。


上村松園の作品を、
こんなにまとめて観たことがなかったのですが、
すっかりファンになってしまいました。

女性ばかり描いた松園が、
「女性は美しければよい、といふ気持ちで描いたことは一度もない」
と述べたとおり、
女性が女性を描く、ということに、
やはり内面的に特別な情感を覚えます。

代表作「序の舞」は、
仕舞のデッサンとともに公開されており、
いかに精緻に描かれたか、静かな迫力がありました。

その他の作品は、日常のほんのひとこまが描かれているものが多く、
障子を張り替えたり、蚊帳を吊ったり、
また、月を見上げたり、蛍や季節の花を愛でていたり、、、
自然と親しむ女性たちの姿も多くあります。

どの女性も、やわらかな曲線のシルエットで描かれ、
着物もゆったり着付けられていて、
なんとも女性らしい所作が美しい。

私がとくに目を留めたのは、髪。
松園はとくに髪の生え際にこだわったそうで、
淡い墨で何度も重ねて描いたとか。

もともと和髪の型は、
江戸時代には二百種ほどあったといいます。

簪の用い方などみても、
日本独自の美粧は、
洗練されたものだったのだな~と思いました。

そして「母子」をテーマの絵も多く、
女性とは、絆とは、
と考えさせられる展覧会でした。

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