イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

白洲正子展

2011-05-04 23:28:03 | 観劇・アート

世田谷美術館の「白洲正子展」へ。

白洲正子さんの目を通して、
巡礼、仏教及び仏教美術にふれる展覧会。

GWさなかということもあり、
さすがに混んでましたが、
新緑眩しい砧公園も清々しく、
足をのばして良かったです。

さて展示品には、
白洲さんの数々の遺作から抜粋した文章が添えられてました。

かいつまんで読みつつも、
率直なものの見方、感じ方についはっとさせられます。

展示のひとつの女神座像は、
すっかり彩色は落ちて木肌でしたが、
解説によると、
「厄を払う赤」に塗られていたとのこと。


私はそのような、今は見えない色を観じたい、
と強烈に思います。
時空を超えて、そのときその色に込めた思いを感じたい。


日本には宗教はないともいうが、
自然と切り離した宗教観は絶対ありえない。

木や石から仏像や神像を彫り、
手を胸の前で合わせて拝む。
何事かおわすかは知らねども、
何事かを感ずる心。


白洲さんは人が見落としてしまいそうな、
例えば小さな仏像などを好まれたそうですが、
手のひらサイズの仏像をみると、
そっと手にとりたくなりますよね。

名もなき人々の
「祈り」
の本質を、そこに観る思いがしました。