この夏に、乙武洋匡さんの
『だいじょうぶ3組』
を読みました。
途中、何度かうるうるしちゃいました。
当初は主人公の新任先生の活躍ぶりが描かれているのかと思っていたのですが、
先生が試行錯誤して悩む姿、
そして子供を思う様々な大人達も描かれていて、とても共感しました。
子供の反応や表情が、手に取るように書かれていて、
現場を踏んでいるからこその描写だな、と思いました。
主人公・赤尾先生と彼を補助する幼なじみの白石さんをはじめ、
茶野先生、紺野先生、青柳先生など、
キャラクターが色からもイメージしやすくなっている点も楽しめました。
そして、クラス文集のタイトルは「色えんぴつ」。
色それぞれの美しさ、特質がある。
そしていろんな色が集まってハーモニーが生まれる。
それはまさに人も同じ。
「みんなちがって、みんないい」
で有名な、金子みすずさんの詩をつかった道徳の授業の場面は、
大人になっても必要な内容だと思いました。
できないことを見て嘆くのではなく、
別の視点でみればできることがたくさんある。
私はちょうど、そのころ担当していた言語能力を高める講義の中で、
「ポジティティブ・リフレーミング」をしたばかりで、
オーバラップして読みました。
これは、ネガティブな言葉をポジティブに言い換えたら
どのような表現になるのか考えさせるのですが、
受講生の方々は、マイナスと思っていた物事が、
言葉ひとつでポジティブな表現になることに、
気づきを得た人がたくさんいました。
大人になっても、いろんな悩みはつきものです。
まずは、セルフイメージを高める必要性を感じていたので、
『だいじょうぶ3組』は、
子供だけのお話ではなく、普遍性のある物語だと思いました。