イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

紅天女~ガラスの仮面より

2006-05-19 19:26:47 | Weblog
新作能・「紅天女」をテアトル銀座へ観に行きました。
国立能楽堂で初演された時のチケットが手に入らず、悔しい思いをしたので今回リベンジ。
「紅天女」といえば、あの「ガラスの仮面」の劇中劇ということくらいしか私にはよく分かっていないのでしたが、それを能にしたとなると興味津々。天女を演じるのは梅若六郎氏。実は私が能デビューしたのは、氏の「土蜘蛛」でしたから。
さて、仕事のあとに会場へ駆けつけてみると、能楽堂などでおみかけするお客様の世代よりだいぶ若返っています。原作の美内先生ファンも多いのでしょう。私の席は前から6列目でしたから、なかなかよいです。
舞台が始まり、冒頭に出ていらした語りの女性が「月影千草と申します・・・」なんて始めるものだから、なんだかおかしくて、ちょっと不安になったけど、本編が始まってみれば、間狂言もあったおかげで、平和へのメッセージがコミカルに伝わりました。
能って難しい、わからない、つまらない、とよく言われます。私も否定はしませんが、どこか惹かれるのですね。
面の表情の変化がコワいくらい美しいし、能楽師の身体の使い方、とくに足さばきを見ていると、瞑想しているような感覚に引き込まれてしまいそうになります。能舞台自体のもつ清潔な神々しい気も好きで、ミニマムな設定は想像力をかき立てます。
「紅天女」、本来なら能楽堂で観たいと思っていたのですが、見終えてみると、劇場でよかったのではないかと思います。能楽堂ではできない照明効果が得られますし、若い世代にやはり能のリズムというのは眠気を誘うものですから・・・

漫画から能へ、思いもよらない企画でしたが、日本人にしかできない素敵なコラボレーションだったと思います。