イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

日本の美~池田重子さん

2007-01-13 17:06:33 | 着物
日本一の着物コレクター、池田重子さんの「日本のおしゃれ展」へ参りました。
今のアンティーク着物ブームの先駆けといわれる池田さんのコレクションは、
いつも見る人の心を躍らせるものです。

今回はショールの展示もあり、
和装のコーディネートのさらなる楽しみを見いださせてくれました。
ここ数年、洋装でもパシュミナやカシミアのストールを羽織るのが定番化されていますが、
アールデコ調、更紗、薄物、、、さまざまなストールを見ていると、
きもの時代からずっと、おしゃれのポイントになっていたのだな~と思いました。
ストールを羽織る女性のしぐさは自然と手を前で組むようになり、
やはり奥ゆかしいと思いませんか?

今回の展示の中で、私の目を惹いたのは、
薔薇模様の着物と羽織のコーディネート。
温かみのある橙色と緑色のぼかし染めがはんなりと、いい色で、
とげのある薔薇がとても柔らかく感じます。
ボディの後ろに廻って羽織の後ろ姿に見とれていると、
正面からも着物姿のマダムが見入っていまして、
お互い目が合うと思わず微笑んでしまいました。

池田重子さんの世界は、古きよきものを使いつつ、
あくまで現代のコーディネート。
とくに帯留めは今この細工をできる職人さんはいないだろうな、
と思わせる精緻なものも多い。
「品格」ある品物に、日本の美の原点を誰もが感じない訳にはいかないでしょう。





着付師の成人の日

2007-01-08 22:06:02 | Weblog
成人の日は、着付師にとっても年に1度の晴れ舞台。(黒子ではありますが)
きもの離れと云われる昨今ですが、
この日ばかりはどの着付師も早朝から大忙しです。
私は名ばかりとはいえ、現場責任者を任命され、
少々プレッシャーを感じて年末から落ち着かず、
前日に知恵熱と思われる熱が出たくらいです。

本日私が担当したお嬢様の中に、妊婦さんがいらっしゃいました。

その方は、撮影時も私が担当した方で、
「撮影のときはまだ何にもなかったんですけど・・・。」と、少し恥ずかしそう。
「また(着付け担当が)お姉さんで嬉しい」とにっこり。

しばらく主婦業をしていて、久しぶりにおしゃれをして外に出られる、
と、とても嬉しそうで、
着付けをしながら世間話がはずみました。
彼女は、若くして未婚で身ごもり、お父様がいまだお怒りなこと、
また、主婦業の大変さを身をもって知り、今になってお母さんに悪いことした、
親にももっといろいろしてあげれば良かった、
などといろいろ話してくれました。

「お父様も孫の顔を見たらきっと違いますよ。」と私が言うと、
「いや~。赤ちゃんをあやしているお父さんなんて想像できない~」
と苦笑いされてました。

「やっぱり結婚式したいな~。
でも子供産まれたらその分お金をもってた方がいいと思うだろうし・・・。」
と、乙女心をのぞかせます。


お父様の仰るとおり、物事の順序は逆かもしれません。
でも、彼女は他の同年の人とは違う経験から、もっと大人の視点をもち、
深い感謝と思いやりの心を育て、素敵な女性になった、と私は思いました。

彼女はたった2回しか振袖を着ていないのに、
たまたま2回とも私がお世話をすることになりました。
これも何かのご縁かな、と、他人事とは思えず、
新成人ママに心からエールを送りたいと思います。
どうぞ、お幸せに




新年を迎えて

2007-01-01 15:07:07 | Weblog
明けましておめでとうございます。
元旦に、近所の神社へ初詣に行って参りました。
年々、参拝される人が増えており、随分並んで待ちました。

年が明けて、さっそく足袋、帯締め、半襟をおろしました。
本日は、普段着のきもののコーディネートです。
水色の紬の着物に、反対色の橙系統の半襟と帯を合わせてみました。
赤い帯締めは、ゆるぎ組という組み方で、しめやすいものです。
地味な紬やウールに、赤が引き締め色です。

足袋は黒地に水玉模様で、裏地が明るい蜜柑色。
傍目にはわからないけれど、足袋を履く時、
足首まわりにすっと蜜柑色が見え、自分が楽しいものです。

やっぱり着物はいいな~、と思わせるお正月。
今年は、プロ着付師養成や、
初めての方のための気軽な着付け教室を始める予定です。
応援、よろしくお願い申し上げます。
皆さんも、夢や目標に向かって日々を送られますよう、
心よりお祈り致しております。