イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

和の道具~馬の毛の裏漉し器~

2012-12-30 16:34:45 | トピック

もうあと二つ寝ると、お正月!
おせちの準備、すすんでいますか?

料理教室で馬の毛の裏漉し器を使ってみたら、
弾力性があって、とても使い心地が良かったので、
市場に出かける父に「ついでに買って来てね」
と頼みました。

「おい、高いな~!」
と言いながら、父が帰ってきました。

値段を聞いてびっくりしました。

とりあえず、芋きんとんをつくるだけなんですけど・・・^^);

お店の人から、「いまどきこれを買っていく人は珍しい。
もう職人さんがいなくて量産できない」
と言われたそうです。

もしかしたら、あと何十年か後にはなくなっているのかしら??

お金の出入りにうるさい父が、
高いな、といいながらも買ってきたのは、
おそらく自分も職人だった(元大工)し、
木も馬も好きだから(元馬主)、かなと思いました。


ネットで見たら、
馬毛の裏ごしをつくれるのは、
国内ではたった一人の職人さんだけ、とありました。
曲げわっぱの職人さんも、かなり少ないはず。

う~ん、お父さん、ありがとう。
一生大事にします?!

こんないいもの、なくならないで欲しい~!

http://www.take-fujikura.com/SHOP/KD0207.html

着付け~技術は永遠の螺旋階段

2012-12-27 18:07:41 | 着物
さて、クリスマスが終わると一気にお正月ムードですね。

今月はクリスマス直前まで、

成人式に向けて着付けスタッフへ振袖講習をしていました。

先日、オリンピックメダリストの振袖姿について、

「あれはないのでは?」

と、いう声を耳にしました。

着物の着付けはできない人でも、ダメなものは分かります。

コワいですね。

たしかにスポーツ選手の体型は着物向きとはいえないでしょうが、

その選手の、別の場面での着物姿は奇麗でした。

あきらかに着付した人の力不足であり、

またその着姿をOKとした人の見る目のなさが残念でした。



「人の数だけ着付けの数がある」

と言われる着付けの世界。



体型の違いによって補正が異なり、バランスがあり、

同じ着付けはないのです。

もちろん決まった手順はあるけれど、

上手くなるには、

ひたすら、お客様の着付けをたくさんさせていただいて、

失敗し、恥をかき、、、

そうしてやっと学び掴んでいくもの。



今、後輩や新人さんに指導するとき、

「ああ、私もここでつまづいたな」
などと思い返します。


「ああ、そういうことなんですね!」

と、発見や納得の顔をするのを見ると、
まるで昔の自分を見ているような気持ちになります。

スクールは別として、
仲間に教えるのが嫌いな着付師も多いようです。

ライバルでもあるのだから、
手のうちは簡単には教えられないの、よ~く分かります。



私の場合は、結構教えたがりみたいなんです。

これは講師ぐせ、でしょうね ^^);



教えたってすぐできるとは限らない。
私は、教えるそばからまたすぐ上に上がるゾ、
という気持ちになります。


技術は永遠の螺旋階段。
昇らなきゃ、見えないものばかり。


そんな気分のこのごろです。

(写真は公開画像より拝借しました)






















年末のしめくくり。パーソナルカラーコーディネート講座

2012-12-22 19:26:34 | 研修・講座
今日は寒空の中、
パーソナルカラーコーディネート講座でした。

マルエツ いーとぴあカルチャー教室
http://www.maruetsu.co.jp/osusume/eatpia/index.html



8名のグループレッスンは和気あいあい、

参加者同士がお互いの個性の違いをあらためて見直して、

「もっともっとキレイ」に向かっていってくれました。


同じカラーグループでも、個々で色使いは変わります。
お一人おひとり、適切にアドバイスしたつもり。
軽く、チークとリップを塗って、程よい血色を補うと、
皆さん本当にイキイキしてきます!

キラキラしてお帰りになるのを見送って、

年内のカラー講座はこれで終わり。



さあ~、あとは成人式に向けて着付けレッスンと、

大掃除と、年賀状書きしなくちゃ~!

憩い~生徒さんとの恒例のX'mas会 at kiyoto

2012-12-16 22:17:46 | 着物
土曜日の夜、
『カラーコーディネート』教室の受講生OG達と、
『きもの美人講座』の受講生合同で会食しました。
年に1~2度の会食を、心待ちにしてくれる元受講生達は、

乙女のようにおしゃべりに華を咲かせ、
良く笑い、良く食べました!

職業、年齢も様々な皆さんですが、
私を要に喜んで繋がってくださっているのを見ると、講師冥利につきます。

年末の慌ただしい中の、憩いの一コマ。

着物こぼれ話しとしては、、、
雨も心配だったので、前夜に小紋を用意していましたが、
当日、やはりこれでは今イチだなと、

緑の色無地に変え、赤の伊達衿をして、
黒と銀ラメの袋帯にしました。

ほんの少しクリスマスムードを出したつもり♪

時間がないのに、久しぶりに袋帯を自分で締めてみて、
やはり二重太鼓は自分で結ぶより、
着付師が着せるものだわ、なんて実感!

自分が二人欲しかった~^^);

季節もの~干し柿

2012-12-11 18:53:30 | トピック

お庭になっている柿。
高齢化で採ってくれる人がいなかったり、食べきれななかったり、と
お困りの地主さんに頼まれて、
父が男衆数人でトラックで駆けつけ、柿採りをします。

採れたシブ柿は干し柿にします。

します、と一言でいっても、
うちの分は200個!

皮をむくだけでも大変な作業・・・
母の指はシブで真っ黒になります。

数日間ベランダで干して、出来上がり。
すぐ食べない分は冷凍保存♪

甘くて美味しいのだ、これが。
すごいな~。自然の恵み!先人の知恵!

感謝して、いただきます☆

大手町座第11回 亀井広忠プロデュース「舞歌(かぶ)の至芸」

2012-12-02 19:27:25 | 観劇・アート
久しぶりの能楽鑑賞。

大手町座第11回 亀井広忠プロデュース「舞歌(かぶ)の至芸」
~東大観世宗家・観世清和、梅若六郎玄祥、観世銕之丞 最高峰のシテ方三師競演による能楽観世流の神髄~
http://www.nikkei-events.jp/concert/con121129.html

観世清和、梅若六郎玄祥、観世銕之丞という、
贅沢なお顔ぶれに惹かれて席をとりました。

私が最初に能の舞台を鑑賞したのは、今から10年以上前、
梅若六郎先生の「土蜘蛛」でした。

きっかけは、日本文化の精神は見えないものを感じる心だということで、
「新月の会」なるものがあり、
そのお手伝いをしたことからでした。

講演と対談に梅若六郎氏をお迎えすることとなり、
何も知らない私は、
慌てて舞台を拝見しに行ったというわけです。

そのときまでは、能がこんなに面白いものだとは思ってもみませんでした。
日本人でありながら、能楽を何も知らないことを恥じたのでした。

当時、六郎先生は能楽師として50代の華とうたわれており、
直接お話をすることができたのは貴重でした。

そんなことがきっかけで、着物を着る機会が増えました。
私は20代に着付け学院で学び、着物は自分で着られましたが、
見渡せば着物を自分で着られない人ばかり。
もっと着物を着てほしい!!それも奇麗に!
と思いました。

そこで他人に着せるための着付けを学び直し、
プロ着付師としてお仕事をするに至っています。

その頃のことがぼ~っと頭に浮かびながら、
能の舞台に魅入っていました。
(能を鑑賞すると、いつも瞑想しているような感じになるのです)

大手町座では、能装束も面もない略式の演目です。
袴姿の能楽師たちが、
きりりとした居住まいで、演じているのはこれまた素敵でした。

今回の発見は、人間国宝の大鼓方 亀井忠雄氏。
なんてすごい方なのか、音が違う!
ひと手打つたび、山の、天に伸びる杉の木を思わせました。
そして場を引っ張って行く存在感に圧倒されました。

忠雄氏と、笛方の藤田六郎兵衛氏との「獅子」は、
まさに気迫のぶつかり合いでした。

舞台を拝見して、こうした重鎮が尊敬されつつ、
若手を盛り上げて行こうとされている心意気を感じました。
それは、関わる者が皆、伝統芸能である能の重みを受け継ぎ、残したい、と心底思われているからでしょう。

立ち、座り、全ての所作が一部の隙もなく美しく、
鍛錬の賜物ですね。

いろんな意味で、能楽から学ぶことは多いです。