イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

日本のおしゃれ展

2005-03-20 11:09:23 | 着物
銀座の松屋で開催されている「日本のおしゃれ展」を見に行きました。
アンティークきものブームの火付け役と言われる池田重子さんは私の憧れの女性のひとり。池田さんの着物やコーディネートは、ストーリーがあり、とっても素敵で大好きです。通常、着物は衣桁にかけて展示されることが多いのだけど、池田さんんは帯揚げ、帯締めまで全部コーディネートした姿で見せてくれるのが魅力。期待して出かけました。テーマは昭和元禄。西洋文化も融合した洗練されたきもの環境にあった時代。
梅雨の晴れ間に着るしやれ着のお召しは、白と黒に見えたけど、藤鼠も入った縞柄。横縞と縦縞のなんともモダンなこと。後ろ姿は帯にちょこんとカタツムリがいたりして、粋で遊び心がある。流水に赤玉模様の付け下げも、大胆な構図ながら完成度高し。歌舞伎モチーフも何点か出ていて、常式幕の3色の帯締め、私もほしい!そうそう、今時ならではの、創作着物「冬のソナタ」もありました。うっすら鼠地に雪をおもわせる白い景色。帯には、あの、観光地となった並木道が白で描かれているではないですか。ヨン様に熱狂するオバ様たちも、こんな、しっとり和美人で迫ってみたらいかが?
3枚重ねの花嫁衣装が着付けた状態で展示されていましたが、全然重さや厚みを感じさせないのは絹糸が上品だから、と解説にあった。う~ん、これ、着付けは難しいのだろうけれど、着てもみたい。私も成人の振り袖や卒業袴を着付けさせていただくことがあるが、レンタル会社のペラペラな着物や帯を手に取ると、残念に思う。着物の着心地のよさは、あれでは分かるまい・・・。
そして、帯留。とくに玉に惹かれる。少しエスニックな感じのコーディネートにあわせて身につけてみたい。彫金も細やかな細工で、鈍い光がいいし、象牙、漆、木目、宝石・・・どれも、自然の植物、花、虫、そして風物を彫り込んであり、帯留から、どんな人が、どんな時にどんな風に着るのだろうと想像が膨らむ。池田さんが帯留に惹かれ、そこからきもののコーディネートを組み立てて行かれるという想いに触れた気がしました。忙しい最中、時間をさいて見に行った価値は充分ありました!

マシューボーンのSWAN LAKE

2005-03-15 21:17:52 | 観劇・アート
マシュー・ボーンのSWAN LAKE(白鳥の湖)を観ました。

もう、マシュー・ボーンに、脱帽です!

アダムクーパー主演で大好評だったAMPの舞台を見逃していたので、
今回は何としても観たかったのです。

プレリザーブした席は前から4列目の真ん中!
舞台は驚きの連続で興奮しました。

「白鳥の湖」といえば、誰でも知っている3大バレエのひとつ。

私は子供の頃6年間バレエを習っていて、
「白鳥~」のオデット姫も何度か踊ったことがあります。

クラシックバレエは振り付けがほぼ決まっているのですが、
今回マシュー・ボーンが創り上げた白鳥の湖は振り付けはおろか、曲順も違います。

なんといっても、白鳥は全員男なんですから!!

普通のバレエファンにはそれだけで圧倒されますよ。
でも、トロカデロ・モンテカルロバレエ団とは全く違います。

白鳥の獰猛なところなど、表現がとてもリアル。
コールドバレエの統一美とは違うけれど、
それぞれの個性が集まってひとつの方向性に向かっているのです。

また、おもしろいことに、
王子はチャールズ皇太子がモデルで、
母親である女王から愛を受けられないことを悩んでいるという設定。

それに、女王が1950年代のモードファッション。
これは、王室が今だ旧態以前としていることへの皮肉?
そして、昔懐かしいスターを模した脇役たち。

そんなノスタルジックさと、
たとえばバレエ鑑賞中に、王子のガールフレンドの携帯電話が鳴って、
女王が顔をしかめたり、
怪しげなバーから酔って出て来た王子がパパラッチに写真を撮られたり、
と現代的なこともちゃんと入っているのです。

マシュー・ボーンという人は、
メンタルなメッセージを舞台を通して間接的送ってくる。

最後に、王子は死んでしまうのだけれど、
奥のスクリーン越しに白鳥にしっかり抱きとめられているのが見える。
それは、幻想の中での理想だから、
別の次元で昇華されていることを暗示しているかのよう。

昨年冬に、やはり、マシュ・ーボーンのくるみ割り人形を観たけれど、
これも子供から大人への自立のステップが描かれていました。
舞台中に、そして、役者ごとに暗喩が秘められていて、
謎解きしながら観るのはとても楽しい。
もし、私がもっと上手に踊れてバレエを続けていたら、
この仲間に入れる事を夢みたでしょうね。

とっても創造的な知的な遊び心のあるバレエを超えたバレエ。
次はレ・シルフィード。どんな舞台になるんでしょうか。今から楽しみです。

幸せな3月の新月の夜でした。