イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

鞍馬にて

2009-12-23 17:02:21 | 
以前から行ってみたかった鞍馬山へ。

電車を乗り継ぎ、貴船口に着く頃から、
急に粉雪がちらついてきました。
終点、鞍馬で降りたのはほんの3人程。

ケーブルカーに乗らずに、歩きはじめてすぐ、
急斜面で息が上がってしまいます。

その後は階段、また階段・・・と昇り続け、
久しぶりに土を踏みしめ、全身を使った感じです。

人気も無く、ひんやりとした空気の中、
階段を昇り続けるうちに身体はぽかぽか。
木々の匂いを吸い込み、風を受け、気持ちいい!

やっと本殿まで上がると、
狛犬ならぬ狛虎がお出迎え。
これは来年のお正月は、たくさんの方が参拝に訪れそうです。

その先にある、かの義経公が一休みされた跡地では、
残念な事に水が出なくなっていました。
ここでも環境破壊が進んでいるようです。

最初は貴船まで通り抜けようと思いましたが、
まだまだ続く山道に、
革靴だったのと、母も一緒だったので引き返しました。

それにしても、歩きながら瞑想できる素敵な場所です。
次はしっかり仕度を整えて来ましょう!












新作オペラ「万葉集~明日香風編」

2009-12-15 21:18:07 | 観劇・アート
新作オペラ「万葉集~明日香風編」を観ました。

新聞で、音楽・千住明、台本・黛まどか、という紹介記事を読み、
どのような仕上がりなのか観たくなり、チケットの手配をしました。

俳人・黛まどかさんは、10年くらい前に一度お会いしていました。
とある会の講演ゲストでまどかさんをお招きしたことがあり、
私はその時MC担当でした。
とても聡明で、透明感のあるオーラの方だな、
とお見受けしたのを覚えています。

さて、肝心の新作オペラは、演奏形式でした。

万葉の歌姫・額田王女をめぐる兄と弟、
中大兄皇子、大海人皇子の話は有名ですね。

「茜さす 紫野行き~」と「紫野 匂える妹を~」の歌も。

劇中にも出てくる額田王女の歌に、
私が最も好きな歌がありました!

「君待つと わが恋をれば わが屋戸の 
         すだれ動かし 秋の風吹く」

高校生の頃、この歌を詠み、
好きな男性を想ってただひたすら待つ、
当時の女性の切ない気持ちに思いをはせたりしてました。
身分が高かろうと低かろうと、
恋をすれば皆同じなんだなぁとかね

(そんな風だったから、今もって夢見る夢子なのかも???)

その頃は、憧れにも似た気持ちだったのですが、
今になって、もう一度聴いてみると、
また違った感慨がありますね

その頃の時間の感覚は、現代の私たちにはとうてい分からないでしょう。
今だったら、携帯の着信待ち?ってことでしょうか。
風情もなにもありませんねぇ・・・

以前、早稲田大学の国文学教授の講話を拝聴した時に、
「この世に人を想う気持ち程、美しいものはないのではないでしょうか。」
と仰ったのを今もよく覚えています。

そんなことを思い出しながら、
音楽と歌に身をゆだねておりました。

感想は・・・
正直、今後に期待したい、というところでしょうか。
音楽、台本、歌声、それぞれは悪くはないのですが、
もうひとつ、何か、が足りない気がしてしまいました。

それから、「万葉集」なのに、衣装が通常のドレスだったので、
もう少しアレンジされたらいかがかな、
と素人ながらに思いました。

そうそう、本編とは別に、
指揮をされた大友直人さんの立ち居振る舞いが、
あまりに美しくダンディで、
思わずみとれてしまいました!
日本人であれほどエレガントな男性は、めったにお目にかかれません。
それだけでも貴重な夜でした!!






 







クリスマスリース2009

2009-12-10 20:42:53 | 色彩
もうすぐクリスマス

たまたま通りかかったお花やさんで、
素敵なリースを見つけました。

素材は一見何だか分かりませんでしたが、
実はこれ、木の皮だそうです。
塗装されて、ラメが施されています。

キラキラするものって、女性は好きですよね~

ゴージャス感があるけど、お値段もとってもリーズナブル!!

色は、ピンクとイエローもありましたが、
「緑なら季節問わず使えますよ。」
とお店の方の一声で、即決

エバーグリーンは縁起がいいですものね

家に帰って、
オーロラ色のリボンと、庭の千両を一枝、飾ってみました。

仕事部屋のドア脇に、スポットライトを当てると、
緑のリースがキラキラと、白い壁に浮き上がり、
クリスマスムードを醸し出しています。

ハプスブルグ展

2009-12-03 12:07:30 | 観劇・アート
さて、日展を急ぎ足で観たあとは、
お目当てのハプスブルグ展へ。

http://www.habsburgs.jp/highlight.html

何といっても人が多くて・・・大変!

一番人気は、皇妃エリザベート。
美しいですね~~~


しかし、宮廷の堅苦しさにほとんど旅に出てばかり、
年を経てからは、老いた姿を人目にふれることを恐れていたとか。

かの、女帝マリア・テレジアも、
11歳の肖像画を見れば、可憐な乙女。
http://www.habsburgs.jp/img/highlight_l_pic06.jpg

王女マルガリータの肖像画もかなり有名ですが、
リアルに観ると、髪の柔らかさ、ドレスのはりと艶など、
丹精こめて描かれているのが感動的です。

私が気に入ったのは、シャーベット用の陶器のセンターピース!

支柱から放射状にラックがあり、
それぞれに、家族の肖像が彫られたカメオの装飾が。
6つのカップが掛けられる仕組みです。

豊かな生活が伺えますね!


そして、140年前に、明治天皇が皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に
贈られた画帖や蒔絵棚は必見。

画帖には100枚の絵があり、
生け花から吉原まで、あらゆる風俗が描かれています。

蒔絵棚の一つには山水画が描かれ、雲は銀で描かれています。
今ではくすんでしまったけれど、
当時は素敵な白い光だったことでしょう。


そんな華麗な品々とは裏腹に、、、
「戦争より結婚を」といわしめた時代。

血筋を守る為に重ねられた近親者との結婚。
そのため、幼くして亡くなる子や、
出産で命を落とす女性たちが多かったといいます。

また、二つの絵画に、生首をもつ美女が描かれており、
それぞれの美女の表情の冷ややかなこと。

己の家の血筋を守ることには命がけな分、
その他の者の命は軽かったのかもしれません。

華麗な宮廷文化の光が強いほど、
その影の濃さも同時に感じたのでした。







国立新美術館にて~日展

2009-12-02 21:09:41 | 観劇・アート
満月のおだやかな夜です。

本日は、「ハプスブルグ展」を観るため、国立新美術館へ。
日展も開催されている為、すごい人、人、人。
平日というだけでもなく、とくに高齢者が目立ちます。

先にお昼を、とVOGUEカフェヘ入ったら、
オーダー後、かれこれ30分以上待たされ、
おまけに私の後ろに並んで待っていたおじさまに、
(この方、待っている時からちょっと気短かな感じでした)
先に料理が運ばれていたのを見て、
オーダーをキャンセルして出ました。

仕方なく行った1Fのオープンカフェで、
60歳代くらいの品のよい紳士と相席になりました。

「少しお話してもよろしいですか?」
と、話しかけられて応じていると、
その方は、日展の招待券を、私に下さると言うのです!

聞けば、ご友人が彫刻家で、
日展の評議員をされており、毎回招待券を下さるとのこと。

有り難~く頂きました

カフェで待たされたのも、意味があったのね!と現金な私。


ひと足お先に、日展会場へ。

正直言うと、ひとつの空間に、ありとあらゆるものをつめこまれた展示は、
私は好きではないのです。

それぞれが主張しあっていますから。
日本画は、それでも画材の特質からか静的でいいのですが、
洋画は結構迫ってくるので、あまり長くはいられませんでした。

私は小学校6年間、書道を習っており、
高校の選択科目も書道だったので、
書道の展示は興味深かったです。

ちょうど、ミニ解説時間と重なって、
本来は申込が必要なのですが、
途中から勝手に一緒に聴いちゃいました。

内閣総理大臣賞や、特賞を受賞された作品の解説を聴きました。

漢字、ひらがな、そして一番読みやすい、漢字かな混じり、に分けて伺うと、
なるほど、そういう風に鑑賞するのか、と分かりやすかったです。

公募から受賞するには、
なんと1000分の1の確率だそうですが、
二年連続受賞されている方がいらして、
解説の先生も
「この方は、このような扱いのレベルの方ではないのですが・・・」
と仰っていました。

会員にならないのは、きっと、この方のポリシーなのでしょう。
一匹狼さん?

また、京都の女性の手による雅な作品も評価が高く、
解説の先生は関東の方のようで、
練習しても、なかなかこのようには書けないものだとの講評でした。
京都の奥深さを感じました。

そうそう、肝心の、招待券をくださった方のご友人である、
彫刻家の先生のお作品も、しっかり観てきました。
白山の踊りの少女像。
一途な眼差しが印象的でした。


おもいがけず、日展も観ることができて、
芸術三昧の一日でした。

ハプスブルグ展は、またあとで。