イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

人を育てる

2010-11-25 21:41:03 | 色彩
時として、教える事の難しさに突き当たりますが、

講師(教師)として一番やりがいがあるときは、
教えた人が成長することです。


若い学生は繊細です。

私が何気なく言ったひと言が、
思った以上に大きく影響します。

たとえば、あまり授業に出席してこなかった女子学生が、

「先生が声かけてくれて、とっても嬉しかった」

とアンケートに書いてありました。

私がエレベーターでその女子学生と乗り合わせた時、
「元気?」と声をかけただけのことなのですが、

学校になかなか居場所を見つけられない彼女には、
ほっとする場面だったのでしょう。

また、ある男子学生の課題発表に対してコメントするときに、

「あなたは背も高くて個性的で、いるだけで十分目立つのだから、
背筋を伸ばしてしっかり立ちなさい。」

というようなことをアドバイスしました。

いつも自信なさそうな顔をしていた彼の顔が、
その瞬間、はっとしたのを覚えています。

彼は、後に、
「先生に言われて、自分では気がつかなかった自分自身を知りました」
と私に言い、その瞳には力がこもっていました。

前述の女子学生には無意識にとった行動ですが、
男子学生には意識的に伝えたので、
伝わって嬉しかった例です。

若い学生は、理屈より本能的に人を見分けます。

見えないところでこちらも汗をかきつつ、

迷ったら、私は何のためにここにいるのか、
目的を思い出すことにしています。

「好かれるためにいるのではなく、教えるためにいる」

そうやって、私の方が、育ててもらっています。

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