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赤坂のホテルニューオータニ美術館にて、
江戸時代の女性の化粧道具や、浮世絵が展示中。
鏡を覗き込み、化粧する女の姿。
鏡の中の自分と対峙する姿は、いつの時代も変わらないのですね。
<白>
「色の白きは七難隠す」といいますように、
いかにお肌を白く見せるか、が化粧の決めて。
白粉にも決めの細かい上等なものから数種類あり、
顔より首の方をさらに濃く塗りました。
これは顔に塗った白粉化粧を柔らかくみせるためだそう。
<黒>
日本特有のお歯黒。
中世以降、成人式や婚礼と関わる儀礼でした。
江戸中期以降、黒は他の色に染まらないからことから、
「貞女のしるし」、として定着。
一般的に既婚者の象徴ではありますが、
地方によっては子どもができてから、などまちまちだったようですね。
私は、実際に見たことがないので、
やはり見た目は「ちょっとどうかな~」と思ってしまいます。
『陰影礼賛』の世界は遠い・・・
なんといっても虫歯予防効果があったのが、普及の原因でしょうね。
そんなお歯黒、外国人には、眉そりとともに奇異に見られ、
明治3年に華族に対して<お歯黒禁止令>が出ても、
なかなかやめなかった。
明治6年に皇后が率先してやめたのを機に、一般人もやめていったといいます。
<赤>
口紅、ほほ紅、爪紅。
いずれも濃い色は下品とされました。
江戸より上方の方が濃い傾向があったのは、今にも通じるところありますね。
紅のもとの紅花は大変高価だったため、お猪口や小皿に塗られて販売されました。
文化(1804~17)頃に、
「笹紅色」という濃い玉虫色の紅化粧が流行しましたが、
そうはいっても、濃く塗れるのは、富裕層の妻女か、遊女などだけ。
庶民は、墨をまず塗り、その上に紅を重ねて笹紅に近づけて塗ったそうです。
浮世絵にも下唇が黒い女性が描かれているものがありました。
涙ぐましい・・・
私も、<よーじや>さんでお猪口に入った笹紅を見つけて購入しました。(写真)
でも、思ったより暗い色で似合わなかった~ ^^);
展示品の中で、<紅板>がとっても気に入りました!
携帯用の、今で言うリップパレットなんですが、
蒔絵が施されていたり、とっても奇麗なんですもの。
赤白黒の三色って、ダイナミックな配色ですよね。
化粧だけでなく、着物も同じ。
黒地の長着に白い衿。
袖口や裾から襦袢の赤がのぞくのが、はっとさせられる。
思うに、私たちは黒髪であったから、この配色を生んだのではないかしら?
今のような照明環境がなく、
月明かりや、ろうそくの灯りのもとで映える色。
めりはりのある三色配色が生きる。
今、学生から主婦までのほとんどの女性が、髪を茶色に染めている。
黒より茶は、明るい=軽い
中身のない者はさらに、、、?
黒髪の美をもう一度再認識してみようではないか、
などと思いながら帰路につきました。