イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
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ファウストの悲劇

2010-07-08 23:59:39 | 色彩
シアターコクーンにて「ファウストの悲劇」を観てきました。

主演・野村萬斎氏、演出・蜷川幸雄氏
というだけでも十分ですが、

「ファウスト」といえば、
色彩の世界でも有名な、かのゲーテ。

ゲーテは60歳で「色彩論」を世に出していますが、
「ファウスト」の第一部も、同時期だったのですね。
その後、第2部を執筆。

天才は違うな~~とうなってしまいます。


さて、舞台は、といいますと、
不思議でエネルギッシュな世界が繰り広げられました。

すごいシリアスな内容を、シニカルに、そしてコミカルに。
観ている間にいつの間にか何かに気づかされる、
そんな感じ。



まず、会場に足を踏み入れると、
舞台には歌舞伎でおなじみの、柿色・萌黄・黒の常式幕があり、
バルコニー下には赤い提灯がならんでます。
なんだか歌舞伎でも観に来たような気にさせられます。

幕が開けば、いきなりサーカス???
とびっくりさせられました。

また、舞台上の演技者とは別に、
舞台正面奥にはなにやら人がたくさんいる。
それも、中世なのに、和服を着た日本人たちが。

これは、歌舞伎の一座が「ファウストの悲劇」を演じる、
という設定だからなのですね。

だから、正面奥に見えるのは楽屋ということなんだそう。

舞台設営も大変だろうなあと思いました。
奈落はあるし、
花火もあがるし。

舞台正面が前面鏡に切り替わるのもおもしろい趣向でした。

役者さんたちは客席も含めて動き回り、
それが客席とともに鏡に映り込みます。

舞台を観ていたはずが、自分もそこにいた、みたいな、
変な気分になってきます。

悪魔のメフィストフェレス役の勝村さん、
2階席から舞台下まで、すごい移動でした。

主役の萬斎さんは、もちろんのこと、
脇も実力派ぞろいで、
千秋楽までどんどん進化していくことでしょう。

舞台っていいな!

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