イリスの色いろのお話

イリスのエレガンス★コミュニケーション blog
色彩・着物・ファッション・アート

平和讃歌と歌姫・新南田ゆりさん

2012-04-09 19:48:59 | ファッション
4月8日、お釈迦様の誕生日。
王子のさくらホールにて行われた【オーケストラで歌う 二つの平和讃歌】に、

中学の同級生・新南田(旧姓・笠原)ゆりさんが、
ソリストとして出演されました。

第1部のカンタータ「この灯を永遠に」は、作曲家・安藤由布樹先生によるもの。

故・山本達雄さんが、広島から星野村に原爆の火を持ち帰り、
原爆で亡くなられた多くの人々の供養と恨みの火として、
密かに灯し続けられていた物語。

昭和43年からは星野村役場が永遠の平和への道標として守る事になり、
その火は全国各地に分火されています。

おじいちゃん(山本達雄)が、
孫に原爆のむごさを語る形式で物語は進行します。
話を聴いて、「アメリカをやっつけよう!」
と泣きじゃくる孫達に、
「恨んじゃいけない。その報いはまた、子どもや孫が受けることになる」

主人公・達雄の祖母役が、同級生のゆりさん。
重いテーマですが、
彼女が歌うとぱっと和み、優しい空気に変わります。

役どころから、着物で舞台に立つ事になり、
彼女はご自分のお母様の着物で登場しました。

その着物は、やはり同級生の営む呉服屋・「つむぎや」さんで求めたものでした。
「つむぎや」さんの先代の女将さんは、すでにお亡くなりになっていますが、
ご自分のコーディネートした着物がオペラの衣装になるとは、
思いもよらなかったでしょう。

ゆりさんからご招待を受けた、
現社長の同級生N君は、この日のために羽織を新調。

「着物を来てオペラに行こう」と、N君に誘われた私も、
「つむぎや」さんで求めた有職文様の訪問着、最も好きな一枚です。

ゆりさんと私は、中学一年の時同じクラス、仲良しグループの一員でした。
私の彼女の印象は、「利発で、ぴかぴか☆」な感じ。
他のお友達にはない魅力をもっていました。

ゆりさんが、お姫様のようなドレス姿で、
芸大のオーケストラをバックにピアノを弾いたのを、
上野の文化会館へ聴きに行ったことを、今でも鮮明に覚えています。

ですから、音楽で身を立てられたことには何の不思議もありません。

でも、HPで彼女のプロフィールを読み、びっくりしました。
ご家庭の事情で、ご本人は音大の進学は考えていなかったけれど、
周りのススメで受験を決め、独学で桐朋音大へ入学、とありました。

ゆりさんのご自宅にも遊びに行き、上品で優しいお母様に接し、
「ああ、ゆりちゃんて、なんて愛されているんだろう」
と、私は子どもながらに感じたものです。

その後、お父様がお倒れになり、
彼女が家事全般を引き受けながら高校生活を送っていたなどとは、
思いもよりませんでした。

そうはいっても、やはり本当に才能ある人を、
周りはほっとくわけないですね。
いつも誰かの後押しや応援があり、
ご本人も、ひた向きに努力してこられたのですね。


時を経て、歌姫として舞台に立つゆりさんは、
あいも変わらずきらきらと輝いていました。


このオーケストラのコンサートマスターのヴァイオリンは、
かの陸前高田の流木から創られたものだそう。
順次、被災者支援のために演奏される、第一番目でもありました。

いろんな意味で、意義深いプログラムを聴きにこられたのも、
着物がとりもつご縁でした。感謝。


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