05年12月3日 埼玉スタジアム
横浜1ー1大宮(第34節) 1万558人
バックスタンド中央で観戦
横浜が最終節で引き分け、今季のリーグ戦を賞金なしの9位で終えた。前半33分にPKで先制を許した横浜だったが、後半27分に上野の左足のミドルシュートが決まり同点に追いついた。両チームとも決定的なチャンスをほとんどつくれず、横浜はコーナーキック0と攻め込むシーンさえ数えるほどの低調な試合。上野のゴールがせめてもの救いだった。なお、優勝は首位C大阪が終了直前に東京に追いつかれて引き分けたため、川崎Fを4ー2と下したG大阪が劇的な逆転初優勝を飾った。
| 試合終了時の埼玉スタジアム・マリノスゴール裏 |
賞金なしの9位に終わる
久保、奥、松田が故障でいない。FWは坂田、大島がいる。DFは中西、そして勇蔵も帰ってきた。MFは山瀬功がいる(大橋は出場停止)・・・と思って練習を見ていると、奥に似た髪型の選手がいる。あれ、奥が戻ってきた? しかし目をこらすとどうも熊林に似ている。まさか? 7位へ浮上するためのリーグ最終戦、そして天皇杯へ向けた大事な調整試合で、熊林はないだろう。
スタメンが発表され、トップ下には熊林が入った。山瀬功はベンチにもいない。代わりに塩川、後藤が入っている。広島戦よ、もう一度なんて思ってるわけじゃないだろうな、岡ちゃん。来季契約の最終テストと見るのが妥当か。
どこで見ても良かったのだが、カテ1以外はすべてブロック指定だったので、カテゴリー2(メーンの両端とバック中央)にした。日産スタジアムでいつも見ている席と同じようなバックスタンドの中央付近の通路上に座った。通路下はほどよく入っているが、通路上はガラガラだ。
大宮サポは少ない。マリノスサポーターとたいして違わない。大宮戦でのアウエーはメーンから向かって左側だし、これじゃどっちがホームか分からない。でもそのおかげで売店は空いている。いつも(レッズ戦)は混んでいて並ぶのもイヤなのだが、スタンドに売りに来ないから仕方なくビールだけは買う。初めて買ってみたモツ煮は結構いける味だった。
最終節なので、午後2時に一斉にキックオフ。さあ、リーグ最終戦。スカッと勝とうぜ。そう思って勢い込んで観戦するが、両チームともほとんどシュートが打てないまま淡々と試合は進む。特にマリノスは悪いときの試合運びそのものだった。出しどころなくバックラインでボールを回す。フィードしても精度が悪く簡単にはね返される。マグロンはボールをキープできない。両サイドも起点になれない。熊林は・・・いきなりイエローもらった後はどこにいたんだ。
逆にバックライン、特に河合はしっかり守っている。大宮にシュートを打たせていない。
前半25分、熊林からのクロスが相手DFにはね返された浮き球を、グラウが右足で合わせるが惜しくもポスト右。前半のマリノスのシュートはこれ1本だけだった。
盛り上がるシーンのないまま迎えた前半33分。右サイドの隼磨が自陣ゴール前を横切る横パスを逆サイドに出す。これをトゥットにカットされた。絶体絶命のピンチだ。そんなところでサイドチェンジのパスを出す奴がいるか! 何やってんだ隼磨!! 叫んでももう遅い。トゥットからボールは右サイドを走り込んだオレンジ色の選手に回る。必死に追いすがる中西。そしてスライディング。「あ、やった」。PKだ。仕方ないとはいえ、ファウルにならない止め方はできないものかね。
PKはトゥットに難なく決められ先制を許す。
大宮で警戒すべきはトゥットだけだ。中沢、河合が必死で抑えていた矢先の失点。取られるはずもないゴールをあっさり許してしまった。
バックスタンドを子供がかけていく。ガラガラなのでやりたい放題だ。レッズ戦では考えられない光景だ。そんな姿をぼ~っと見ていて、ふとピッチに目をやると右サイドを抜かれていた。おい、1対1じゃないか。しかし哲也がナイスセーブではじく。
今季最低とも思える内容で前半は終了した。
後半開始に選手交代はない。10分が経過したところで熊林に代わって大島が投入された。早くも3トップ。今季を象徴するように、最終節も3トップにしなければならない展開になってしまった。
この試合でキャプテンマークを巻いたのは上野。「キャプテンマークはとくに意識していない」とコメントしているが、実は気合い十分でこの試合に臨んでいるように見えた。前半に見せた強烈なスライディングタックルを見てそう感じた。
これだけバックラインでボールを回していると、必ず上野も絡んでボールは後ろへ後ろへと行ってしまうのだが、この日の上野は違っていた。後ろへ回したのは1度だけ。それも前が詰まり仕方なく、だ。それ以外は常に前へアグレッシブに攻めていた。ドゥトラとのFKの呼吸がまったく合わないシーンもあったが、何かやりそうな予感はあった。
レッドカードが本当の試合開始のホイッスルだった。
後半15分。トゥットからのスルーパスが通りフリーでシュートを放たれるがクロスバーに救われる。その直後。メーン側の副審が何やらアピールしている。奥谷主審と話し合い、河合が呼ばれる。そして高々とレッドカードが差し出される。一体、どうしたというんだ。何が起こったんだ。リスタートがサイドライン付近だったので、そこで何かやったんだろうが、ピンチでもないのにファウルを犯すわけがない。その前のプレーがオフサイドではないかと抗議したのか。公式記録を見ると侮辱とあったが、これは後になって分かったこと。そのときは何がなんだか分からなかった。
マリノスは4バックにし中盤を減らす。ますます勝ち目はなくなってきた。
ところが、トゥットがドゥトラを倒し、その直後にはエリア内でダイビングと、1分間の間に立て続けにイエローが出され、あっという間に数的不利は解消された。大宮にとっては頼みのトゥットがいなくなり、ゴールの可能性はほとんどゼロに近くなった。
この時間帯からようやくマリノスが攻め始めた。スタンドも退場者2人で興奮してきた。
後半27分に待望の同点ゴールが決まった。右サイドで隼磨がキープ。そこへ上野が走り込む。隼磨は上野にボールを預けDFを連れて前へ走る。上野は反転して内へ切れ込み、ドリブルしながらゴール前をルックアップ。誰もチェックに来ない。クロスかと思ったが思い切り左足を振り抜いた。バックスタンドから見ていても、ボールのコースは枠内へ向かっていた。入ったと確信した。見事なミドルシュートだった。
その後も上野が起点となり決定機を迎えた。右サイドの上野からマグロンに綺麗にパスが通る。しかしマグロンのシュートははね返され、こぼれ球を隼磨がシュートしたがこれは大島にはね返された。
ラスト5分は坂田を下げて那須をボランチとして投入し、マグロンをトップに上げた。しかしマグロンにはボールが繋がらず、盛り上がりもないまま試合は終了した。
「今年を象徴するような最終戦だった。いい試合が続くと、サッカーをなめているようなプレーが出てしまう」。岡田監督のコメント通りの試合だった。鹿島には2勝、千葉には1勝1分、C大阪には1勝1分、浦和には1分1敗、G大阪にも1分1敗で上位5強とは4勝4分2敗と決して悪い成績ではないし、試合内容も良かった。しかし昇格チームの川崎Fに2敗、大宮に1敗1分といい状態が続かない今季のリーグ戦だった。「点は取れるときに取らなければ、勝ち点は奪えない」。これがすべての1年だったように思う。
この欲求不満は天皇杯で晴らしてくれ。来季のシーズンはこれまでのようにゼロックス・スーパー杯から始めようじゃないか!
GK哲也 5.5・・・ファインセーブ1回、ファンブル1回。まずまずの出来
DF中沢 5.5・・・珍しく綺麗に崩されたシーンが前半あった
DF中西 5.0・・・エリア内で倒してPK与える。状況的には仕方なかったが・・・
DF河合 5.5・・・トゥットの突進を綺麗に止めた。レッドカードは不可解だが
MF隼磨 4.5・・・自陣ゴール前で不用意な横パス。それを奪われ失点の原因に
MF上野 6.5・・・久々のキャプテンマークで気合いが感じられた。同点のミドルシュートに救われた
MFドゥトラ 5.0・・・クロスに精度がなかった
MF大橋 4.5・・・ほとんど機能しなかった
MFマグロン 5.0・・・ボール奪われるシーンが目についた
FWグラウ 5.0・・・序盤に惜しいシュートあったが、結局その1本だけだった
FW坂田 4.5・・・「サカティー走れ~!」と叫ぶ場面が1度もなかった
FW大島 4.5・・・熊林に代わり出場。ポストになれず、シュートチャンスもなし
MF那須 - ・・・坂田に代わり出場
GK下川 出場機会なし
MF塩川 出場機会なし
MF後藤 出場機会なし
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