goo blog サービス終了のお知らせ 

「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

ウトナイ湖 晩夏の草原

2009-08-23 19:59:42 | 自然公園/原野/海浜
午後、苫小牧のウトナイ湖畔を歩く。環境庁野生鳥獣保護センターから日本野鳥の会ネイチャーセンターまでの遊歩道は、片道20分ほどか。

湖畔の林を数十羽の野鳥が忙しく移動していく。カラ類やウグイスの仲間の混群だ。

羽の雰囲気、なんなとなく容姿が成熟してない。今年生まれた幼鳥の集団だろう。

草原に目を転じると、紅色のホザキシモツケ、白いナガバノシロワレモコウ、紫のサワギキョウ。夏から秋に移ろう色彩豊かな草原だ。


(写真:ホザキシモツケ)


(写真:ナガバノシロワレモコウ)


(写真:サワギキョウ)

時折、ジャノメチョウとミドリシジミが遊歩道脇の草原を舞う。

ナガバノシロワレモコウを食草とするゴマシジミを期待していたが、出会うことはなかった。

時期、それとも歩いた時間が遅かったのか。少々、残念。


(写真:ジャノメチョウ)


(写真: ミドリシジミ)

野鳥の会ネイチャーセンターで一休み。屋内の展望窓から悠々と飛ぶオジロワシの姿がを見ることができた。

数年前から、番が繁殖しているとのこと。

「ジョッピン カケタカ」・・・ 
「ジョッピン カケタカ」と、エゾセンニュウの澄んだ歌声。

開いている小窓から飛びこんできた生演奏だった。草原の中に潜んでいて、その姿を見せることはなかった。

(ジョッピンとは、北海道弁で「鍵」のこと。)

森と湿地と草原と 平岡公園

2009-08-16 18:26:33 | 自然公園/原野/海浜
清田区の平岡公園を歩く。札幌市内では春の梅林として有名だが、訪れたのは初めて。

丘陵地帯が残されていて、森、湿地、草原が適度に保全、もしくは復元されていた。

森の際に広がる湿地には木道が敷設されていて、湿地周辺の林に棲む蝶が次々と姿を現す。


(写真: オオヒカゲ)

淡い褐色のオオヒカゲは、その名にふさわしく大きく、ゆらゆらと登場する。

アゲハチョウくらいの大きさだ。

藪の低くて、暗いところを好んで舞う。食草は湿原のスゲの仲間。


(写真: コムラサキ?)

おそらくコムラサキ。オオムラサキを小さくした文様で、初めて見たが、これはコムラサキかなあと直感。

あまり紫色をしていないので、メスだろうか。幼虫の食草はヤナギということで、こちらも水辺に縁があるチョウだ。


(写真:わずかに青い翅表を見せるミドリシジミ)

小さなゼフィルスも盛んに飛んでいた。

湿地のハンノキを食草とするミドリシジミだろう。飛んでいるときに、ちらちらっと青い翅表を輝かせていた。


(写真: ミドリシジミの翅裏)


次々と蝶と出会うが、水辺の主役といえば大型のトンボだ。

ぶん、ぶんと音を鳴らしてオニヤンマが行き交う。捕虫網を持った男の子たちも、木道をぐるぐると廻っていた。

ぎらきらと照りつける夏の太陽に、童心が甦る。


(写真: オニヤンマ)

富岡西公園のスズラン

2009-06-06 17:13:57 | 自然公園/原野/海浜

山麓裾野の住宅地にある富岡西公園。札幌市内では珍しい日本在来種のスズラン群生地だという。

新聞記事などで気になっていて、去年初めて訪れたが時期が遅く。今回、初めて出会うことができた。

ギョウジャニンニクに似た大きな葉が2枚。その陰に独立した花の茎があり、小さな花をぶら下げていた。

よく見かける園芸種のドイツスズランと比べると、葉の大きさが印象的だ。



写真を撮ろうと顔を近づけたら、かすかな淡い香りに気づく。

平成16年から区役所と町内会の人たちが、木道の整備や雑草除去で花を増やしているという。




スズランに思いを寄せる人のぬくもりを感じながら、

木道をぐるりと巡った。







真駒内公園カタクリの里

2009-05-06 20:50:27 | 自然公園/原野/海浜
(写真:サクラ引越のご案内)

5日、真駒内桜山からエドウィン・ダン記念館に向かう途中で、面白い看板を見つけた。

「市有地を売却した。長年親しまれてきたサクラはエドウィン・ダン記念公園に引っ越した」という内容。

なんかいい話だなあ。

公園には、確かに引っ越してきたエゾヤマザクラが懸命に花を咲かせていた。

地域に暮らす人たちと、行政の人たちの顔が見えてくる。そういえば、ダン記念館の運営も町内会の人が担っていた。


(写真:公園に移植されたエゾヤマザクラ)

ダン記念館から「真駒内グリーンハイツ歩道橋」を渡って、小高い真駒内柏丘へ。そこから真駒内公園に下る。


(写真:真駒内川にかかる真駒内グリーンハイツ歩道橋)


真駒内公園はダンが尽力した種畜牧場の跡地だという。豊平川と向き合う断崖の斜面にカタクリが咲く。

04年5月以来、5年ぶりに訪れると、花がずいぶんと増えて群落になっていた。

地域の人が笹刈りや間伐をして、カタクリの生育を促したという。

「カタクリの里」という看板に2年ががりの取り組みが記されていた。

また、いい話に出会った。



(写真:真駒内公園カタクリの里)



(写真:きれいな花が多かった)



(写真:奥の小高い森にカタクリの里がある)


(写真:真駒内公園のサクラも見事だった)


マクンベツ湿原のミズバショウ

2009-04-14 23:34:31 | 自然公園/原野/海浜

4月12日(日):
円山でエンゴサクを見て、ふと先日読んだ新聞記事を思い出した。石狩川の河口に近いマクンベツ湿原でミズバショウが咲き始めたとのこと。暖冬で春が早く、例年より早めに見ごろを迎えそうとのこと。札幌に住んで長いが、まだマクンベツ湿原に行ったことがない。携帯電話で検索して場所を確認する。そしてカーナビに導いてもらった。便利な世の中になったものだ。
時すでに夕方だったが、数十人のギャラリーが散策。河畔のハンノキ林に広がる大規模な湿地だった。
白と萌黄色のコントラストが花曇りのやわらかな斜光を浴びていた。


カツラにマヒワの群れ  真駒内公園

2009-01-18 15:12:57 | 自然公園/原野/海浜
17日の土曜日。鴨々川でオシドリを見たあと、興が乗って、真駒内公園に。
若いころのバードウォッチング習性が蘇ってしまった。
カツラの大木の前に数人のウォッチャー。
目を凝らしてみると、枝の先々で小さな野鳥が採餌に夢中になっていた。
順光なので、黄緑色の羽が肉眼でも確認できた。
マヒワだ。
そういえば、円山のカツラにもたくさんの野鳥が群れていたのを思い出した。
(08年12月30日 円山)


その時は冬芽だと思ったが、この算盤状の実のようなものは何なのかしら。
これがもこもこと並んでいるカツラとまったく無いカツラもある。
雄花と雌花の違い?

どなたか、教え得ていただければ嬉しいのですが。







北大のイチョウ並木

2008-11-02 22:39:27 | 自然公園/原野/海浜
1日は小春日和に誘われて、僕も元気だった。
円山から帰宅してテレビを見ていたら、北大キャンパスのイチョウ並木が綺麗だった。
さっそく、出かけると、大勢の人が黄金色のトンネルをくぐっていた。数百人はいただろう。子供は落ち葉で遊び、犬も元気に駆け巡っていた。
近づく冬を前に温かい光を楽しむ。


けさ(2日)の北海道新聞によると、400mの道路の両脇に70本のイチョウが並んでいるという。


ハマナス咲く石狩浜

2008-06-08 18:41:26 | 自然公園/原野/海浜

たまには平地を歩こうと、石狩浜にハマナスを見に行く。石狩灯台から石狩川河口までの広大な砂丘が「はまなすの丘公園」として、海浜植物が保護されている。今年は1~2週間、開花が早いとのこと。背丈が低いことに驚く。砂浜に張り付くかのように高さ10センチほど。強い風に耐えるためか。
写真を撮るため顔を寄せたら、なんとも甘い匂いが届き、心を揺さぶった。

(写真:石狩浜・はまなすの丘公園)

石狩灯台は明治25年(1892年)点灯、かつては海岸にあったがこの100年で砂嘴が形成されて、今は「陸地」にあるという。昭和32年の映画「喜びも悲しみも幾歳月」ロケで白黒の灯台をカラー映画にふさわしく赤白に塗り替えたという。ということが、ビジターセンターで紹介されていた。主演は高峰秀子と佐多啓二。
砂丘にはハマエンドウ、ハマニガナ、ハマハタザオ、エゾスカシユリなどが競うように咲き乱れていた。当時も花が綺麗だったことだろう。


(写真:ハマエンドウ)


(写真:ハマニガナ)


(写真:エゾスカシユリ)

石狩川では数十人の家族連れが歓声をあげていた。地引網で揚がった大小の魚を囲んで、写真を撮ったり、ビニール袋に入れたり。地元の幼児たちの体験学習らしい。巨大な鯉は記念撮影のあと、川に戻された。
こんな道草の旅も楽しい。

(写真:石狩川の鯉)

(写真:この魚の名前は?)

石狩浜からは札幌の山々や増毛山系が望めるという。楽しみにしていたが雲が多く、残念。


「えりの湯」600円。日本海を望む露天風呂、夕景がきれいだろうな。
「えり」とは、魚を獲る竹の仕掛けとのこと。


芸術の森

2007-11-12 22:40:47 | 自然公園/原野/海浜
土曜(10日)の朝、胃痛で目覚める。快晴なのに山に行けず。日曜日、胃薬で回復も外は時雨。思い立って、芸術の森美術館へ。札幌在住の版画家の回顧展が見たかった。新聞広告で見たサブタイトルの「山の鼓動、樹々のうた」にひかれた。大雪山や羊蹄山をスケッチし、大胆にデフォルメした作品の数々が印象的だった。作家は五感で山と呼吸し、その強い心象を描く。山登りも楽しいが、作家が抱いた山々の心象を美術館で巡るのも心落ちつく、静かな楽しみだ。
「芸術の森」は丘陵を活用した空間で、晩秋から初冬に移ろう時雨の空気に、体調も確実に回復した。

サクラスミレ咲く 恵庭公園

2007-05-19 17:12:22 | 自然公園/原野/海浜
初めて恵庭公園を歩いた。
幹線道路に囲まれているのに、こんもりとした森が残っている。
しかも川の源流を持つ本格的な森だ。
  

煙る雨のなか、サクラスミレが咲き始めていた。
見つけたのは、広い森の中で2箇所、5輪だけ。
桜のような花弁と、大きな葉が特徴。
初めて見たが、すぐわかった。
花散らしの雨、新緑の森にサクラスミレ咲く。
  
【サクラスミレ・大きな葉も特徴】


アズマイチゲ咲く 北大キャンパス

2007-04-23 22:00:51 | 自然公園/原野/海浜
22日は早起きした。支笏湖周辺の山から、
白い山並みと青い空、そして青い湖を見たかった。
が、どんよりとした曇り空。すっかり気持ちが萎えてしまった。
そこで花散策に気持ちを切りかえ、
北大キャンパスでアズマイチゲを探すことにする。
前日の北海道新聞夕刊に写真が載っていた。
まずは、守衛さんに聞くが「わからない」という。
そこで沼地へ。ミズバショウが咲き始め、マガモが10羽ほど。
ポプラ並木へ。なぜかクロッカスが群生。
仕方なく適当に歩く。すると工学部の背後に森が見えた。
進むと野球やサッカーの練習場のまわりに、小さな森が残っている。
「貴重な原生林です。大切に」という看板も。
そして、点々と白い花が!
アズマイチゲだった。
   

北海道新聞の写真にはベンチに座る学生の手前に花が咲く。
春の陽気を人間の活動と野の花で表現していた。
そんなベンチはどこにもなく、撮影場所はここではないのだろう。

原生林に咲く白い清楚な花々。
都会の真ん中に北海道の原風景が残っていた。

どんよりとした雲もしだいに散り、青空に。
山に登りたくなり、昼過ぎから三角山へ。



西岡公園

2006-12-09 16:54:19 | 自然公園/原野/海浜
【写真:ゴジュウカラ】

西岡公園を歩いた。7年ぶり。
意外と道は覚えているもので、水源地の周辺をぐるりと廻った。
野鳥の会が設置しているバードテーブルが、にぎやかだった。
「ぶるぶる」という羽音が耳に近い。
眼で楽しみ、音に驚く。
冬の森も面白い。




キレンジャク

2006-12-05 21:12:39 | 自然公園/原野/海浜
3日の出来事の続き。
ギンザンマシコは夢中で採食を続けている。
そこで、ぶらぶら数百メートル歩くと、別の長ダマ集団。
ナナカマドに今度はキレンジャクが鈴なり。
近づくと、一斉に飛び立つ。
おそらく7~80羽の大群だ。
カメラマンの方々に会わせる顔も無い・・・と、申し訳なく思ったら、
ハイタカが青空を切っていた。
獲物はすばやく逃げたので、ハンティングは失敗。
思いもかけぬ自然の営みにびっくり。

その後、キレンジャクは3つくらいの群れに分かれて
園内を移動していた。
高い梢にいったん止まっては、低木のナナカマドの実を食し、
再び見晴らしの良い梢に。

タッチアンドゴーの繰り返しは、ハイタカから身を守る術なのか。
整備された都市公園ながら、野生の鼓動が響く。
その理由を考えてみた。

・広くて見晴らしの良い空間
・居場所となる林の残存
・豊富なナナカマドの実

真駒内公園の意外な魅力に驚く。


真駒内公園に大雪山の鳥 ギンザンマシコ

2006-12-04 23:39:58 | 自然公園/原野/海浜
3日、野幌のエゾフクロウを見て感動。
帰路、たまたま通りかかった真駒内公園で10人ほどの長ダマ集団を目撃。
場所はナナカマドの疎林。
「モデルはレンジャクかな?」
人が3人集まったら立ち寄る習性があるので、路駐して、立ち寄ってみる。
「あっ!ギンザンマシコじゃないですか」
大雪山の鳥が里に下りてきていた。たった2羽。でも雌雄のペア。
真駒内公園って、すごいな。
僕の運もすごい。


このあと、さらなるドラマが・・・