いいしらせのグッドニュース[パート・Ⅱ]

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太陽圏外・恒星間空間という「虚無」から、『インセプション』へ。     /'12.6.19.掲載

2012-06-19 20:57:24 | Weblog


太陽系境界、その先の太陽圏外・恒星間空間とはどんなところだろうか。
おそらく、ヴィジュアルとしてはなにもない暗黒の世界なんでありましょう。
虚無、ですね。
6月10日、5ch、「日曜洋画劇場」放映の『インセプション』、
ご覧になりましたか。

   この映画の中に、夢をいくつもの階層を潜っていくと辿り着く場所、
   潜在意識の奥深くにある場所となっていて、そこには何もなく、
   何もかも忘れてしまう忘却の空間で、精神が迷子になってしまう場所、
   そこが「虚無」と設定されています。


まあ、ちょっと違うかな。 まったく違うけども、
“「虚無」つなぎ”です。










映画は、コブ(レオナルド・ディカプリオ)の率いるチームが夢を利用して、
企業の御曹司に会社を破滅に導くようなアイディアを植えつけるべく
夢の中で奮闘するというものです。










ここで、映画の中の、夢の構造について。

   第1階層や第2階層といった「通常の夢」と、「虚無」に違いはあるのか、
   それとも虚無も単なる夢の1階層に過ぎないのか?(例えば第4階層=虚無で
   ある、とか)
   コブによるとLimbo(虚無)は「形の無い夢。潜在意識以外何も存在しない」
   ということである。 
   逆に言えば、通常の夢は、「潜在意識中の、形のある夢」と言えるのか。


これは、わたくしのウンチクではない。
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   「インセプション」の意味
   「インセプション」episode0:コボル社の陰謀

少々、違和感も感じるが、ま、番宣ですからね。









   虚無へ行く方法は2つある。

   1つはドリームマシンを使用して、どんどん深い層へ下りていく方法だ。
   いずれ虚無に辿り着く。この場合、虚無に下りた人間は、そこが現実では
   なく、虚無である、という認識を持っている。 その認識を持っていれば、
   虚無から抜け出すことはできる。抜け出すためには「死ぬ」ことだ。
   また虚無に来た当初は、ここが現実ではないという認識を持っていても、
   長時間滞在する内に、現実を忘却してしまうのか、ここが現実だと思い込
   んでしまう可能性もある。 かつてのモルもそうであった。

   もう1つは、今回のミッションのように、強い鎮静剤が効いているなど
   「夢の中で死んでも覚醒できない」状況で死亡してしまうと、虚無へ落ちる。
   この落ち方をした人間は、そこが夢の中であることを忘れ、現実だと思い
   込んだまま生活をするハメになる。
   こうなると、たとえ現実世界の体が目覚めても、精神が戻ってこれず、
   現実では廃人のようになってしまう可能性がある。虚無から戻るためには
   「ここは現実ではない」という認識を取り戻し、そして死ぬことが必要と
   思われる。
   「死ぬ」といっても夢なので、物理的に肉体が破壊される必要は無く、
   本人が「これは絶対死ぬ!」と認識する状況があればよいということらしい。









ここまで、おしゃべりしたとするとやはり、映画に触れないと失礼ですか。
ヴィジュアルの質、傾向が不満です。
マトリックスには、あの時期のヴァーチァルな時代背景の感覚が感じられた。
リドリー・スコットのいくつかのものにも、そうしたものが感じられた。
人間の深層心理に入り込むという設定が、今あるとするなら、相応のヴィジュアル
がなかったと思う。
清潔すぎるのか、厭らしさを求めるものではないが、… 
と、調べていたら、こんなブログがありましたね。


   夢の世界を物語にしたと聞くと、なんでもありの映像表現が次々に流れてくる
   ような、しばしば見かける混沌とした映画を想像してしまいますが、この作品
   は違います。
   本作では、夢の世界に例えば以下のようなルールが設定されており、
   その制約が物語に構造と高揚するサスペンスを与えているのです。

   ・夢の主の無意識が侵入に気づくと、異物を排除するべく攻撃を仕掛けてくる
   ・夢の中で死ぬか、あらかじめ定められた刺激(「キック」)を与えられると目覚める
   ・夢の中では、時間の流れる速度が1/20になる(夢の中で夢を見た場合には、さらに1/20倍になる)
   ・夢の階層が一つ下の世界で内耳に加えられた刺激(例えば、加速度運動など)は、
    その夢にも影響を与える


この方は、猛烈な理屈っぽいファンなのでありましょう。
しかし、これにはもっとまいりました。


   英国の『エンパイア』誌では5つ星映画に認定され、
   「ウィリアム・ギブソン作品を脚色したスタンリー・キューブリック映画の
   ようだ」と評された。


この例えは納得できません。
ウィリアム・ギブソンとスタンリー・キューブリック氏に失礼ではありませんか。
クリストファー・ノーラン(1970年 -、イギリス出身)は、よごれを知らないと
いうカンジでしょうか。


   映像面での見せ場は、さすがに馬鹿みたいな金をかけているので豊富にある。
   世界が折れ曲がるようなシーンもいいが、個人的に面白かったのは無重力状態
   における格闘シーン。相当な想像力がないと、こういう場面を撮る事はできまい。
   大いに感心させられた。


と、前出のブログ氏はおっしゃるのだが。

ウィリアム・ギブソンという人に興味が湧いてしまいました。

わたくしも少々理屈っぽいか。









映画は成功している。
ディカプリオは大物なんですね。