何人かに「こんど親知らずを抜くことになっちゃいました」と話した。
それは気分を楽にするためだったが、あるおじさんはこう言う。
「できれば、やらない方がいいんですよ。やるんだったら、入院する
くらいの感じですよ」とかおっしゃる。
このおじさんはヨガの先生とか、発声の基本、日本語の正しい使い方
とか、いろいろと博識で文化センターなどの講師もなさっている元官営
の放送局のアナウンサーだった方なのだ。これはなかなかに効く。
前日、たまたま会った姪が「そこに両方ともわたしあるの」と言う。
まあ、これはそうかというしかない。
かくして、当日。
システムの出来上がった大病院の口腔外科の待合場所に50分前に行く。
ムラカミハルキの文庫本などを手にして待った。やはり、神経のこと
でビビッていたのだ。
14時きっかり、予約の時間に予約番号が点灯して診察室に入る。
あのぶっきら棒な看護師がそこへどうぞと、よくある歯科の椅子に座る。
と、いいですかと言って麻酔の注射を3回うってどんどん進んでいく。
あれ、あの中年の男先生じゃないのと思うのだが…、この看護師は看護師
ではなく、先生であったのか。(お見逸れしました)
ガリガリ、トントン、「こぶしをアゴの下に当てて」、トントン、トントン、
このあたりは描写しない。
ぶっきら棒な先生は高校の体育会系、球技関係の男っぽい子といった感じ
である。実際は30代っていうところだろうか。
「先生、切開しました」「先生、きれいに抜けました」とか脇に言う。
唇のあたりに糸を感じて、終わった。
14時に入って、出て、待合のソファーで時計を見ると35分しか経っていない。
そうそう、男先生はわたしが抜かれた歯を見ている時に顔を出し、
「親知らずはこれで終わりですよ」と言っただけ。意味わからず。
翌日の消毒の時、この時は男先生と看護師風の若い子しかいないので、
男先生に神経のことを聞くと唇の左右に触れて「痺れたりしてますか」
「いいえ」で終わった。
ひと言。
1回目、ぶっきら棒な要素のみの打ち合わせ。2回目、抜歯実施。やりとり
は最低限。3回目、翌日の消毒は「うん、大丈夫だ」など20秒もかからず。
4回目、1週間後の抜糸。これで完了なり。
システムもよいし、スタッフの技術もよい。
専門性は言うことなしだが、なんか足りないな。
という気持ちが起きた。ぜいたくか。
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フォトは大病院の正面玄関。
おかげさんでこの1週間は休暇みたいな気分でも
ありました。
ブログも結構書きました。