AKB48の旅

AKB48の旅

NHKBSプレミアム10月21日の"AKB48 A to Z 2016"

2016年10月23日 | AKB
恒例と言えば恒例の、さながら表面をなぞるような内容だなあと思いながら流し見してたら、後半が見事なことに。とりわけラス前の"Young Generation"から、"Zzz"で伝説の始まりを象徴する初期の前田さんと高橋さんの姿、そして「おつかれさまでした。dedicated to M.T.」で終わる構成に唸らされた。

見終わってから振り返ってみれば、伝わる人には伝わる、分かる人には分かる、そういう物言いはいささか傲慢ではあるけど、正にそんな意図を感じさせるとともに、単なる世代交代を越えた、現状のAKBに対する暗黙の問題提起になってる、そこまで深読みを許容してくれる番組になってたと思う。

メンバー個々人は確かにがんばってる。けれども回顧というのとは違うと思うけど、終わってしまった過去のAKBにあった「構造」が、現状では希薄化してしまってる。それはやむを得ないことなんだけど、構造化、そしてフラクタルな階層化が幻想を現前させるという視点からは、そんな幻想が取り払われてしまった現状の姿、敢えて言おうその「貧相」が、過去の比較から際立ってしまっているという。

もちろん「比較してはいけない」なんだろうけど、それでも上り坂の欅坂46に「構造」が現れつつあり、逆にAKBからは遙かな落差をも持って失われつつある、あるいは失われてしまってるとするなら、それがフラットな現状認識になるんだろうし、正に対照的に見えてしまうことにもならざるを得ない。

秋元氏もまた、クリエーターとして真摯にそんな現状に反応してると理解してるし、それが如実に表れてるのが、シンプルに楽曲のでき具合ということになってる。そうとしか思えない。

なんか口籠もるしかないかな。