トラン・アン・ユン監督の「ノルウェイの森」を鑑賞
キズキと直子との関係に始まり、キズキの自殺そして直子との再会を境に、ワタナベは現実社会とは反対側の深い森の中にどんどん迷い込んで行く。
全ての男女関係を「セックス」と結びつける映像は、見る者によっては、ひどく陳腐に映るかもしれない。
しかし、春樹文学を少々齧っている人にとっては、セックス=人の心に付いた鍵を開ける為の一つの装置と見抜くであろう。
若者達は必死になり、愛する者の心の奥底に何が存在するのか、知りたいともがき苦しむ。
時には、生死をかけて。
その中で、永沢だけは、薄々分っていたのではないか・・?
他人の心の中の全てを知る事など、おこがましい行為であると言う事が。
彼は沢山の鍵を手にするが、誰の扉を開ける事を拒否し続ける。
恋人だったハツミの扉さえも。
レイコは、ワタナベに長年閉じていた扉を開けさせ、混沌とした社会に戻る決心をする。
だが、当のワタナベは、依然森の中に存在する。
はたして、彼の精神はミドリによって解き放たれるのであろうか・・。
それとも、孤独な森と現実の世界を結ぶ扉は、一生開く事がないのであろうか・・・。
キズキと直子との関係に始まり、キズキの自殺そして直子との再会を境に、ワタナベは現実社会とは反対側の深い森の中にどんどん迷い込んで行く。
全ての男女関係を「セックス」と結びつける映像は、見る者によっては、ひどく陳腐に映るかもしれない。
しかし、春樹文学を少々齧っている人にとっては、セックス=人の心に付いた鍵を開ける為の一つの装置と見抜くであろう。
若者達は必死になり、愛する者の心の奥底に何が存在するのか、知りたいともがき苦しむ。
時には、生死をかけて。
その中で、永沢だけは、薄々分っていたのではないか・・?
他人の心の中の全てを知る事など、おこがましい行為であると言う事が。
彼は沢山の鍵を手にするが、誰の扉を開ける事を拒否し続ける。
恋人だったハツミの扉さえも。
レイコは、ワタナベに長年閉じていた扉を開けさせ、混沌とした社会に戻る決心をする。
だが、当のワタナベは、依然森の中に存在する。
はたして、彼の精神はミドリによって解き放たれるのであろうか・・。
それとも、孤独な森と現実の世界を結ぶ扉は、一生開く事がないのであろうか・・・。
なので的外れなコメントですが、ゴメンチャイよ~
春樹ワールドの内と外の世界。
だれもが何かしら抱えて生きていると思うけど
そんな心の闇を春樹特有な描き方をする作品の数々。
何編か読んだけど、読後は何とも言い難い気持ちになります・・・
かる~い、おいらのオツムには、あまりに重た過ぎて
そんなおいらには、レイコさんの存在が心に残っています。
劇場・・
この時期、行く時間が難しい
「人生は短い。時の洗礼を受けていないものを読んで、貴重な時間を無駄に費やしちゃだめだ」
まだ、読んでません。
ん?懐かしい?さてはプロポーズの時、
「君のいない人生なんて僕には耐えられない」って言われた?
本日発売[KAGEROU]作者の齋藤智裕君の言葉です。
なんだか、とても懐かしい響きです。
人間は なんてややこしいのだろう。
食欲、金銭欲、物欲、色欲、権力欲、名誉欲、睡眠欲・・・
人間の持っている欲の中でも睡眠欲・食欲・・命に関わるものは必要不可欠だが、
人によってはセックスや他の欲も、満たされないと生死に関わるものなのだろうか?
永沢さんは1番、地に足の着いた生き方をして何事にも動じない強い人だと思ったが、
外交官となって名誉欲や権力欲を満たされ、色欲も思い立てば手近な人間で満たしていたのか?心の扉は閉ざしたまま。
ハツミさんとの愛、というものは存在しなかったのだろうか?
セックスは一つの装置として、心の鍵を開けたとしても、
それは自分自身が生きていくための問題の解決となるのか、ならないのか?
人間の欲。 それを越える愛はあるのか。
愛がかなえられない時は死しかないのか?
人間の生と死。
「どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。
どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、
その哀しみを癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを哀しみ抜いて、
そこから何かを学び取ることしかできないし、そしてその学びとった何かも、
次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。」
ああ、森、海、空・・自然界の大きさの中で、
人間はなんてちっちゃくて無力なのだろうね。
私は、自分の人生に正直に生きているのだろうか?
やはり自分もこの年になるといつまでも純愛の夢は見ていられない。
でも現実的過ぎて嫌になる。自分がどこにいるかなんて考える暇もなく目の前のことをこなしてる。
ワタナベもずっと森の中で直子を追い続けるのか、
現実の世界への扉を開けられたかどうか、わからない。
でも、大人になるためには、いつまでも森をさまよってはいられないじゃない、と思ってしまう自分は、
純粋さも若さも失われてしまったのだろうなぁ。
しかし、私は現実的とは言いながら、いつまでも妄想の世界では遊んでいるのだ。
だんだん年齢とともに擦れていってはいるが、頭の中はいつまでたっても18と19の間を行ったり来たりしてるなぁ・・私。
「自分に同情するのは、下劣な人間のやる事だ」
マナミ母さんのピックアップした永沢くんの言葉、銀幕上で見事に当たりましたね。
永沢さんの言葉を、私も肝に銘じて生きていきたいと思う。