時間封鎖 Ｒ・チャールズ・ウイルソン

太陽に異変が起きている。

太陽は地球と同じく北極と南極があり、Ｎ極（プラス磁場）とＳ極（マイナス磁場）分かれている。

この二つは約１１年周期で同時にひっくり返り磁場の反転を繰り返してきた。

が、今月４月の観測でこれまでにない、不思議な現象が起きている事が判明した。

現在、北極も南極もプラスで赤道付近に二つのマイナスが出現した異例の４重極構造になっている。

何故このようになっているのか全く不明、またこれによる地球に対しての影響も不明である。


と本日付けの新聞記事を読み、小説［時間封鎖］の紹介。

地上で流れる時間と宇宙全体で流れる時間に大きなズレが生じ、地上での時間の進みは１億分の1、地球の1秒は宇宙時間で1157日過ぎる世界。

太陽が膨張し地球が飲み込まれる50億年未来が、地球では５０～４０年後に迫っているとしたら。

ある夜、空から星々が消え、月も消えた。翌朝、太陽は昇ったが、それは贋物だった。

燃え尽きる太陽から地球をガードする為に北極と南極に置かれた［仮定体］。

いったい誰が何の目的の為に［仮定体］を設置したのか？

人類はこの時間差を利用して火星への植民地化に打って出る。

地球での数年は火星にとっては何万年もの時が過ぎ、そこには地球人を超越した文明が根付き、現在の世紀末を救う手段が生まれる事に望みを託して。

そして一人の火星人が地球に到着した日、新たな葛藤の日々が始まる。