保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【福岡】北九州市 九州鉄道記念館の車両たち(その1)

2016-09-11 18:10:00 | 福岡・佐賀


場所:福岡県北九州市門司区清滝2丁目3-29 九州鉄道記念館
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2016年8月30日訪問)

JR門司港駅に隣接する九州鉄道記念館です。九州を代表する多数の車両や資料が保存されています。
正面入り口に置かれ、来場者をまず出迎えるのが59634です。ピカピカの状態で、足回りのロッドは磨き出されているかと思われます。


九州では多数の9600が活躍しましたがこの59634は東北地区への配置が長く、廃車直前に後藤寺へ転属してきました。そのため九州のSLならではの装備がほとんどありません。
形態的にも標準的で、数ある9600の中でもプレーンな姿です。


C59-1です。1941(昭和14)年に製造された特急牽引用の蒸気機関車です。
C51やC62と並ぶ直径1750mmの巨大な動輪を持ちます。


製造後は東海道・山陽本線で特急や急行の牽引に活躍しましたが、1956(昭和31)年に門司港へ転属し鹿児島本線で活躍しました。
その後電化が進みましたがC59は軸重が16t超と過大であったため転用出来る線区が少なく、1965(昭和40)年に廃車されました。華々しく特急列車を牽引する姿は長くは続きませんでした。


EF10-35です。EF10は1934(昭和9)年より製造された貨物用電気機関車です。
関門トンネルにも戦時中の輸送力増強のために多数が投入されました。そのうちの35号機を含む5両は、関門トンネル内での塩害対策のために車体がステンレスに置き換えられています。


ステンレス車体ですが、24号機以外はこのようにブドウ色で塗装されていたそうです。
このEF10-35号機は最後は豊橋で1978(昭和53)年に廃車されています。EF10はこの35号機が唯一現存する個体です。


ED72-1です。門司港~久留米間が交流電化されたために1961(昭和36)年に製造された車両です。
交流電気機関車としては初期の車両です。鳩胸と呼ばれるくの字に突き出した前面が特徴です。客車列車牽引に備え、SG(蒸気発生装置)を備えます。


この1号機は実質的には試作機であり、3号機以降が量産機とされています。
特急列車やブルートレイン、貨物列車の牽引にも活躍しましたが、九州の交流機の決定版であるED76が登場すると、以降の機関車の増備はED76へと移りました。1号機は1976(昭和51)年に廃車されました。15年間の短い活躍でした。


キハ07-41です。
戦前のガソリンカー(ディーゼルカーではないことに注意)の完成形とも言える形式で、1937(昭和12)年に製造されました。
その後はディーゼルエンジンへの換装などが行われ、1969(昭和44)年まで活躍しました。
廃車後は豊後森機関区や大分運転所で長らく保管されていましたが、九州鉄道記念館開設にあわせて整備のうえ展示されています。


卵型の前頭部の半室部分に設けられた運転室。現代の気動車とはブレーキ弁の位置が左右逆であること、マスコンはアクセルペダルであることが分かります。


客室内もよく整備されています。座席の背もたれが低いですが、当時の気動車は非力なエンジンの出力をカバーするために車体そのものが軽量に設計されていました。座席ついても座り心地を犠牲にしてでも軽量化する必要がありました。


クハ481-603です。
1969(昭和44)年にクロ481-5として製造され、仙台に配置されました。急勾配が存在する板谷峠を走行するため「サロ」を連結する余力が無いという都合からクロが製造されました。
1983(昭和58)年にクハ481-603へ格下げ改造され九州へやって来ました。1995(平成7)年に廃車されています。


グリーン車格下げ改造車のため、窓の位置と座席のピッチが合っていません。九州にゆかりのある車両ですが、485系としてはずいぶんマニアックな車両を残したものだと思います。

(その2)へ続きます。


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