ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

渋峠より天の川

2022-05-09 16:07:36 | 風景写真/星

 渋峠より天の川を撮影したが、結果から言うと単にそれなりの天の川を撮っただけの失敗であった。

 渋峠より天の川の撮影もこのゴールデンウイーク中の目標であった。渋峠は、長野県の志賀高原と群馬県の草津を結ぶ国道292号線にある峠で、群馬県側には標高2,172mの草津白根山展望台がある。その場所は「日本国道最高地点」でもあり、東の方向に大きく開けており、天の川を撮影するにはもってこいの場所である。渋峠周辺は2012年に紅葉の光景を撮るために訪れており、志賀高原にはトンボやゲンジボタルの観察と撮影で何度も訪れているが、星景写真の撮影では今回が初めての訪問である。

 撮影場所に選んだ草津白根山展望台に駐車できる台数は10台ほど。天の川が昇ってくるのは23時過ぎからであるが、遅く到着して駐車場所がなくなっては元も子もない。ギフチョウ撮影の後は特に予定も入れていなかったため、夕方には現地入りの予定での行動である。
 上信越道の信州中野ICから国道292号線で、まずは志賀高原を目指す。途中の掲示板に「凍結 冬タイヤ必要」の文字。とっくに夏用タイヤに履き替えているが、念のためチェーンを積んであるので安心。蓮池を過ぎると、森の中には雪がかなり残っていた。道路にはまったく雪はないが、横手山のスキー場はまだ滑走可能で、溶けた雪が道路に流れ出ている。これが夜間に凍ったら危険だろう。横手山ドライブインで小休止。ここには「のぞき」という絶景ポイントがあり、特に紅葉に時期はカメラマンに人気がある。私も2012年10月に写真を撮っている。ここから草津白根山展望台までは、県境を越えてすぐである。
 16時に到着。流石にゴールデンウイークの5月5日。次から次へと観光客がやってくる。国道を通る車は、ほとんどが立ち寄って記念写真を撮っていく。ただし1グループの滞在時間は5分ほど。日が暮れると、残ったのは私の車1台だけになった。
 家内からのメールで、義理の母が亡くなったとの知らせが入る。もともと翌6日の早朝に自宅に戻る予定であり、内容から急遽帰る必要はないため、そのまま計画を続行。精神的動揺があったが、その日は3時間も寝ていなかったため、いつの間にか車内で寝落ち。ふと目覚めると午前0時。あわてて車外に出ると横に車が7台ほど。皆、天の川の撮影中であった。

 急いで車の真後ろに三脚を立てカメラをセット。気温は3℃で、手がかじかむ。天の川は、丁度良い感じに斜めに昇っており、乗鞍高原ほどではないが肉眼でしっかりと確認できる。この時期らしさを演出してくれるであろう、まだ雪が多く残る山の斜面を入れながら構図を決める。標高2,000mを越える見晴らしの良い峠ではありがちな光害。眼下の草津温泉の街明かりが少々気になるが、下層雲の上に広がる星空と天の川は、渋峠ならではの光景だろう。しかしながら、今回フィッシュアイ・レンズでも撮影したが、失敗作である。
 星景写真は地上風景と星空を一緒に写したもので、天体だけを写した天体写真とは違う。そこには主役と脇役、或いは点景といったポイントが必要だ。今回は、夜空に浮かぶ天の川の神秘さは表せたように思うが、単に山の上から天の川を写しただけの写真である。この夜は、6日17時頃に活動がピークとなる「みずがめ座η流星群」も収めるチャンスであった。放射点となるみずがめ座が昇ってくるのは午前1時頃。流星が多く見られるのは未明。6日の早朝には自宅に戻るために午前1時に渋峠を後にしなければ、多くの流星を入れることもできたかもしれないが、しずれにせよ、事前の情報収集や撮影場所と位置の考察不足、初訪問でイメージトレーニングもないままの撮影が原因である。予定では、23時半からタイムラプス用の写真も撮ることにしていたが、寝坊してそれもなし。今回は写真2枚のみ「記録」としての掲載としたい。

 来るときは、上信越道の信州中野ICから志賀高原経由で登ってきたが、帰路は草津・嬬恋・軽井沢経由で、碓井軽井沢ICから上信越道、関越道、圏央道、中央道を走って国立で降り、洗車後午前4時半に帰宅した。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。

渋峠より天の川の写真

渋峠より天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Canon EF17-35mm f/2.8L USM / PRO1D プロソフトン[A](W)使用 / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地: 群馬県中之条町 2022.5.06 0:22)

渋峠より天の川の写真

渋峠より天の川
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / SIGMA 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEY / マニュアル露出 F2.8 30秒 ISO 2000(撮影地:群馬県中之条町 2022.5.06 0:34)

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