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ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ホタル生息地にて

2009-10-03 22:07:49 | ホタルに関する話題
ゲンジボタル生息地の様子を見に行ってきた。
午前中はかなり雨が降っていたので、水が濁っているかと思ったが、
とても澄んでいた。6月の発生時期よりも周囲の草が茂り、流れを覆い尽くすばかりだ。驚いたのは、カワニナの数である。様々なサイズのカワニナが石にへばり付いている。これまで、この場所でこれほどの数のカワニナを確認したことはなかったので来年は、多くのゲンジボタルの乱舞が期待できる。

写真は、EOS 5D Mark Ⅱで撮影。今日が初撮りだ。
35mmフルサイズ・約2110万画素は、銀塩一筋だった自分にとっても満足できるカメラである。(写真は、クリックで大きなサイズを表示)

ゲンジボタル生息地の流れを17mmという超広角レンズで撮ってみた。手持ちだったため絞り込むことが出来ず、遠景までピントを合わせることができなかったが、50mmでは表現できない風景の広がりは超広角レンズならではのものである。


Canon EOS 5D Mark II/EF17-35mm f/2.8L USM (17.0mm)
絞り優先AE F5.0 1/160/ISO感度400

同じレンズを縦位置に構えて撮ってみた。手前の石にカワニナがへばり付いている。本当は、背後の風景も入れながらもっとカワニナをアップにしたいのだが、このレンズでは、これが精一杯。


Canon EOS 5D Mark II/EF17-35mm f/2.8L USM (17.0mm)
絞り優先AE F4.5 1/160/ISO感度400

これは、タムロン90mmマクロで撮ったオオアオイトトンボ。湿地にかなりの数が飛んでいた。


Canon EOS 5D Mark II/TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1
絞り優先AE F4.0 1/200/ISO感度400

久しぶりに訪れたゲンジボタル生息地。撮影することはできなかったが、名前の分からないヤンマやモンキアゲハ(青梅市でも飛んでいる)にも出会えた。

夜は八王子に移動し、観察のためクロマドボタルの幼虫を採集した。

東京にそだつホタル

ホタルが棲める環境を取り戻すには

2009-09-05 21:46:09 | ホタルに関する話題
くくのち学舎 講座:野生の思考
-ホタルが棲める環境を取り戻すには-
平安時代から、人気のホタル。数十年前までは、日本のどこでも見ることができたホタルですが、今ではその姿をめったに見ることができません。ホタルはいったいどこへ?ホタルに優しい環境とは?
講師 : 古河義仁(東京ゲンジボタル研究所代表、日本ホタルの会理事)
開講日時 : 2009年9月19日(土) 13:00-14:30
場所 : 新宿区四谷4-20 四谷ひろば (旧四谷第四小学校跡地)
料金 : 2,000円(税込)
お問い合わせ : くくのち学舎事務局 (担当:天野・淵上) Fax : 03-5501-9093 Mail : 99nochi@gmail.com

東京にそだつホタル

日本ホタルの会シンポジウム

2009-08-30 15:09:33 | ホタルに関する話題
第17回 日本ホタルの会シンポジウム
ホタルを通じて身近な自然環境を考える
-ホタルを呼びもどすための事例報告-
日 時 2009年9月5日(土) 13時30分より
場 所 新宿オークタワー 会議室 (JR新宿駅から徒歩9分)
費 用 参加無料 (どなたでもご自由に参加できます)
1.講 演 古河義仁 (日本ホタルの会理事)
演 題 ホタルの飼い方、ふやし方
飼育装置の紹介
飼育のポイント
水槽から屋外ビオトープへ
ホタルの生態系
ホタルが飛ぶということ  他
2.報 告 帝京科学大学
「帝京科学大学ホタル調査会の発足の経緯と活動内容:今後の活動目標について」

      工学院大学

    「工学院大学におけるホタルプロジェクトの活動について」

3.総合討論
お問い合わせ
日本ホタルの会事務局 〒197-0011 東京都福生市福生487番地
TEL&FAX 042-530-2111 E-mail mail@nihon-hotaru.com

東京にそだつホタル

心ないホタル観賞が、ホタルを滅ぼす

2009-06-28 01:32:54 | ホタルに関する話題

人は何故、ホタルに懐中電灯を向けるのか?

光害によって、確実にホタルは減少、絶滅する

 今年は、毎年東京で観察を続けている場所を離れ、各地のホタル生息地に出かけているが、行く先々でたいへんがっかりしてしまう。何故なら、ホタル観賞に訪れる人々が懐中電灯を照らすからである。足下だけを照らすのならまだしも、ホタルに向けて照らす人々の何と多いことか!足下を照らすだけでも、ホタルは谷戸の茂みから出てこれず、谷戸全体を悠々と乱舞することができず、暗い茂みの中だけで繁殖行動をせざるを得ない。それにも関わらず、人々はホタルのいる暗い茂みに懐中電灯を向けるのである。ホタルは光るのを止めてしまう。つまり、子孫を残すための繁殖行動ができないのだ。

 ひっきりなしに訪れるホタル観賞者。そのほとんどの手に懐中電灯。遠くまで明るく照らすLEDを子供は無邪気に振り回す。ホタルを見に来ているのか、それともホタルを殺したいのか!遠くまで聞こえるように「明かりは足下だけにしてください」と大きな声で叫ぶと、「写真を撮っているおじさんがいるから、明かりを消しなさい。」母親が子供に注意する。そうではない!写真のためではなく、ホタルのために私は叫んだのである。
 ホタルは、発光によってのみコミュニケーションを図っている昆虫だ。暗闇があってはじめて会話が成立する。月明かりでさえ嫌うのだ。このままの状態が続けば、確実にホタルは減少する。ホタル保存会がホタル幼虫やカワニナを放流して一時的にホタルが増えたとしても、ホタル観賞のマナーを改善しなければ、確実にホタルは絶滅する。人間は、何て無知で身勝手なのだろうか。私は、懐中電灯は一切使わない。照らす必要もない。日没前からそこにいれば、目が慣れるからだ。

 お願いだから、懐中電灯で照らすのは止めてほしい。赤いセロファンもダメだ!これは、私からではなく、ホタルからの切なる願いである。

関連ブログ記事/ホタルは灯りが大嫌い

東京ゲンジボタル研究所/古河義仁

ホタルを滅ぼすホタル観賞 これが光害だ!!

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東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.


ホタル鑑賞に懐中電灯は禁物

2009-06-21 00:17:29 | ホタルに関する話題
 今月は、毎週各地のホタル生息地に出かけているが、先週もそして今日もたいへんがっかりしたことがある。なぜ、ホタルを見るのに「懐中電灯」が必要なのかということである。今日は思わず「ライトを消せ!」と怒鳴ってしまった。こんなことをしていたら、ホタルは光害によって絶滅してしまう。

 ここは、地元の人々が夜中までホタルパトロールという腕章をつけてパトロールをしている。自然発生のホタルを乱獲して販売するという不届き者がいるからである。何という世の中であろうか。

 今日は、カメラのレリーズを紛失するし、いらいらの1日だった。

東京にそだつホタル>東京ゲンジボタル研究所/古河義仁

ホタル撮影2009 その1. オリンパスOM-2 VS キャノンEOS-3

2009-06-16 22:12:56 | ホタルに関する話題
 昭和50年(1975年)に発売されたと同時に購入し、34年たった今も現役の愛機オリンパスOM-2。絞り優先の電子制御シャッターを装備した自動露出機とズイコーマクロレンズは、これまで様々な昆虫のクローズアップを写してきた。とりわけ発光するホタルの接写は、OM-2でなければ撮れないと思う。また、ホタルが乱舞する風景写真にも、その威力を発揮する。このカメラは、測光機構として、世界初となるフィルム面の反射を測るTTLダイレクト測光が採用されているのだ。これによって撮影中の露出制御が可能になり、ホタル風景などの長時間露光も自動露出だ。この愛機は、これからもずっと使い続けたい。

 今年、このOM-2に仲間が加わった。キャノンEOS-3である。この歳になって初めてオートフォーカスを手にした。OM-2に比べると大きくて重いが、その分様々な機能が搭載されている。まだまだ使いこなせないが、かなかなシャープな画像が得られる。

 どちらも銀塩(フィルム)カメラだ。デジタルカメラも持っているが、ホタルの風景写真は、フィルムで撮るべきだと思っている。いや、フィルムでなければならないとさえ思う。ホタルの風景写真は長時間露光を行う。3分~長ければ60分間、シャッターは開けっ放しにする。その間、ホタルは美しい光跡を残す。と同時に絶え間なく生き続け、活動している。つまり、連続した時間を写し込むことが、風景写真であり、ホタルの生態写真だと思っている。勿論、デジタルカメラでも長時間露光で撮影するなら同じ事だが、2分くらいが限度である。よく行われる方法は、背景をまず薄暗い時間に予め撮影しておき、その後暗くなってからホタルの光跡だけを30秒ほど露光する。これを何枚、何十枚とインターバルで撮影し、後はパソコンで合成するのである。とぎれとぎれをつなぎ合わせるから、時間に連続性がない。写真の質としては美しいものが出来上がるが、ホタルの生態写真にはならない。

 さて、オリンパスOM-2 VS キャノンEOS-3 。ホタルの風景撮影においては、カメラは関係ないようだ。(レンズの性能は大きく影響するが・・・)どちらも、それなりの結果が出せるカメラである。
 場所は違うが、FUJICOLOR PRO 400 Professional というネガフィルムで撮影した写真を比較していただきたい。

ホタルの写真は、ホタルの写真に掲載。 東京にそだつホタル>東京ゲンジボタル研究所/古河義仁

ホタルの出現が遅くなる可能性が。

2009-05-20 22:56:20 | ホタルに関する話題
 九州などの西日本の一部で、ホタルが発生したところがあるようである。それらが、ゲンジボタルかヘイケボタルなのか、また、自然発生地なのか、或いは飼育して放流している地域なのかは分からないが、昨年に引き続き平年よりも少し早めのホタルの出現であるようだ。
 民間の気象会社が5月19日に「春の暖かさが影響で、ほたる昨年に引き続き早めの出現」と発表した。東北や北海道などでは、やや遅れる可能性もあるとしながらも、全国的に出現が早かった昨年よりも、さらに早まる傾向が現れており、その原因として、「冬から春にかけて全国的に平年よりも気温が高くなり、幼虫の活動が活発化し、上陸が平年よりも早まったものと思われる。」と発表している。

 さて、東京の場合はどうであろうか。ゲンジボタルの場合では、今年は例年の時期に発生する地域もあれば、かなり遅くなる可能性のある地域もあると私は考えている。東京でのホタル幼虫の上陸は、自然発生地に限っていえば、ほとんどが5月に入ってからである。丘陵地ではゴールデンウィーク期間に上陸し、6月中旬頃に成虫が出現する。山間部では、上陸の時期は丘陵地よりも後になり、7月上旬に発生する。
 今年は、ゴールデンウィーク期間に雨が降っており丘陵地では例年通りに上陸が見られたが、その後、今日までほとんど雨が降っておらず、山間部では上陸が行われていない。明日24日は、午後から雨の予報だが、万が一降らなければ上陸は更に遅くなり、発生時期も遅くなると予想される。ただし、遅い時期に上陸しても、気温(地温)が高くなるので、羽化までの期間が短くなるから、極端に発生が遅れることはないが、それでも例年よりは遅くなると考えられる。

 ホタルの出現時期は、幼虫の上陸時期に左右される。幼虫の上陸時期は、気温、水温、幼虫の成熟度も関係しているが、それだけではなく日長時間も大きく関係している。冬から気温や水温が例年よりも高いからといって、上陸が早まることは自然発生地ではない。また、もっとも重要なのは、降雨である。上陸時期になっても雨が降らなければ上陸は行われない。
 つまり、「冬から春にかけて全国的に平年よりも気温が高くなり、幼虫の活動が活発化し、上陸が平年よりも早まった」とする気象会社の考え方は、間違っている。

 ホタルの出現が早い地域があることは確かである。おそらく、上陸時期には期間に幅があるから、その一番初期に降雨があったことで、上陸がスムーズに行われたこと。そして、上陸後の気温(地温)が高かったことで、前蛹期間が短くなり、結果として、成虫の発生が平年よりも若干早くなったと考えられる。
 また、昨今幼虫を水槽で飼育して3月頃に放流することが各地で盛んに行われているが、この場合、幼虫は人工飼育によって、上陸時期を決定するシステムが狂わされている可能性があり、これら幼虫は相対的にかなり早い時期に上陸し、成虫の発生も早い。

ホタルの放流式

2009-04-18 12:49:15 | ホタルに関する話題
今年も相変わらず全国でホタルの幼虫の放流が行われている。ホタルの放流式として、定着しつつある。

児童らが「大きくなってね。自然の中でたくましく育ち、きれいに光る姿が早く見たい」などと声を掛けながら、幼虫数百匹~数千匹と餌となるカワニナを何十kgも一緒に放流する。

間違っていないか?

ホタルの幼虫は、「里親」として各家庭でこの時期まで飼育する。すでに大きく成長しており、一ヶ月ほどで、上陸するのだ。

「水槽で大きくなるまで過保護に育てたので、さっさと成虫になってくれ!」と放流しているのではないか。

ホタルは、どこから手に入れたものなのか。養殖業者から購入したのか?
そのホタルは、自生地から乱獲されたものであることを知っているのであろうか?
ここで飛んだホタルは、その場所で産卵して孵化するのであろうか?

ホタルの放流式は、いつ、誰が始めたものなのか。
ホタルが自然に飛び交う環境づくりは不十分なまま、「ホタルの里親制度」「ホタルの放流式」といったホタルは飛ぶが定着しない安易な方法ばかりが目立つ。

飼育するならば、少数を卵から成虫になるまで行って勉強すべきだし、
放流するならば、台風の過ぎた頃、幼虫がまだ小さいうちに行うべきだ。

「ホタルの里親制度」「ホタルの放流式」などに参加する子供達は、大人達の利己主義に騙され、本来のホタルの生態を理解することもない。この子供達が大人になれば、さらに不可解なことになるだろう。

ホタルを愛するならば、ホタルが自然に飛ぶ環境を学んで欲しい。その環境の保全と再生に正しい方法で望んで欲しい。

東京にそだつホタル

世界のホタル、ついに2,900種類に

2009-02-14 11:45:05 | ホタルに関する話題
 ホームページ「東京にそだつホタル」に記載している世界のホタルの学名リストが、ついに2,900種類となり、これで世界にホタルが2,000種類生息していることの1つの証となった。分類上、同じ種類のホタルに違う学名がつけられている場合もあるが、リスト上は紛れもなく2,900種類である。

ホタルのリストはこちら、世界のホタル

世界のホタルの種類 1,954種類を記載

2009-01-25 10:34:04 | ホタルに関する話題
 日本を含め、海外に生息するホタルの種類は、1966年に McDermott が7亜種86属1891種を E. Olivier’s Lampyridae Catalog (1910) にリストしており、現在では、およそ2,000種類いると言われている。しかしながら、これまでこの2,000におよぶホタルの名前(学名)がすべて記載されている文献等を見たことがなく、本当に2,000種類ものホタルが生息しているのかは確証がなかった。インターネットで「世界 ホタル 種類」と検索すると、多くのページで「世界には2,000種類のホタルが生息していると言われている・・・」と書かれているが、「言われている・・・」と書かれているだけで、その根拠もない。
 そこで、世界のホタルのリストを作成する作業に取りかかったのだが、3年の時間を経て、ようやく1,954種類のホタルの学名をリストアップすることができた。昨今では、新種のホタルが中南米やタイ等で次々と発見されていることを考えれば、今後も多くのホタルが発見されることが期待される。それら未知数を含めれば、世界に2,000種類ものホタルがいることは間違いないようである。

世界のホタルの種類を記載したページは、こちら「世界のホタル」  東京ゲンジボタル研究所/古河義仁

ホタルの存続可能分析

2008-12-21 08:40:32 | ホタルに関する話題
 生物保全の分野では、生物数理学を使って様々な分析ができる。その1つに個体群の存続可能分析がある。ある地域において、対象となる生物個体群の繁殖率や生存率をもとに増加率を計算し、その個体群の動態や50年後、100年後の最小存続可能個体数を算出するものである。その結果から、保全のための対策が立案できるのである。文献を見ると、いろいろな動植物において研究されているのだが、ホタルに関しての研究はされていないようなので、ゲンジボタルヘイケボタルについて、分析してみた。

 この分析は、フィールド等での調査データをもとに数学的手法で計算するのだが、30年ぶりに微分積分や行列計算というものに出くわした。すっかり忘れてしまっていて理解するのに苦しんだが、今は昔と違い、パソコンがある。Rという分析ソフトもあるのだが、使い方を学ぶのに時間がかかりそうなので、表計算ソフト・エクセルを使った。ほとんどの計算はエクセルの関数で出来てしまうところがすごい。数学が面白くなってきたこの頃である。

東京にそだつホタル

早まるホタル「初見日」に対する温暖化の影響について

2008-10-27 22:25:15 | ホタルに関する話題
 ホタルが光を発する姿が初めて確認される日を「初見日」というが、これが年々早まっている傾向にあると言われている。気象庁によると、2008年は熊本で5月6日に飛び始めた。平年より6日、昨年より8日早い。また、甲府は5月22日、金沢は6月1日で、これらも平年よりともに16日早い発生となっており、米子(5月27日)では、観測史上最も早かった。初見日だけでなく、幼虫の上陸時期も早まっている傾向にあると言う。千葉県夷隅市では、この20年で上陸と発生共に10日前後早くなっているという。温暖化の影響が懸念されるが、実際のところは、どうなのだろうか。

 詳しく調べてみると、東京をはじめ全国の生息地ではホタル初見日が年々早まる傾向はないことが分かった。ホタル幼虫の上陸に関しても同様で、温暖化の影響はないことがわかった。しかしながら、初見日が早い場所が多く存在する。その理由について調べてみると・・・

詳しくは、東京にそだつホタル

ホタルサミット in 立川

2008-10-24 18:54:54 | ホタルに関する話題
東京ホタル会議創立15周年記念として、2008ホタルサミット in 立川 が開催される。
その基調講演を日本ホタル会理事 渋江桂子氏 が 「ホタルをシンボルとした地域自然環境の保全」という内容で行う。

日時 2008年10月26日(日) 12時45分~16時30分
場所 東京都立川市 女性総合センター・アイム 1階ホール

参加無料
お問い合わせ、参加申し込みは、立川市環境対策課

アメリカでも季節はずれのホタルが

2008-10-06 21:49:35 | ホタルに関する話題
ここ数年、9月に入ってからゲンジボタルやヘイケボタルが数匹だが発生しているとの話を聞く。志賀高原では特殊な環境でゲンジボタルの発生期間が長く、9月下旬まで見られるが、その他の生息地で季節はずれに発生するということが起きている。こうしたことが、アメリカのホタルでも起こっている。アメリカ在住の藤井氏という方からメールをいただいた。
「北米テネシー州メンフィスでは、通常5月下旬から8月中旬にかけて、photinus pyralisと思われるホタルが日没時から数時間の間かなり大量に飛び交います。9月に入るとまったく見かけなくなります。ところが9月27日これのメスが一匹だけ車のボンネットの上にいるのを見つけました。・・・」
これも温暖化の影響なのか、ホタルの体内時計の狂いなのかは定かではないが、異常なことには違いない。

屋上緑化とホタル

2008-10-04 12:51:12 | ホタルに関する話題
ヒートアイランド現象を抑制するための対策の一つとして、屋上緑化が急速に普及している。

国や一部地方自治体が屋上緑化に関する補助金制度を整備したこと、更には東京都においては、条例により新築や増改築する一定規模の民間建築物に屋上緑化を、敷地面積1,000 m2以上の新築建物については屋上を20%以上緑化することを義務付けたこともあり、屋上緑化の需要はますます高まってきている。また、屋上緑化の目的も、ヒートアイランド抑制などの省エネルギー効果や建築物の保護効果のみならず、景観・美観の向上、癒し・安らぎの場の創出、宣伝・集客効果など、様々な観点からのニーズが高まっている。

そして、環境教育への関心の高まりのなかで注目されているビオトープ。こうなれば、屋上にビオトープを作ろうと考えるのがビジネスである。特に建設投資の落ち込みに苦しむ業界にとっては、収益を補う新たな分野だ。将来的には全国で1兆円規模の市場になるとの見方もある。

昨今では、屋上ホタルビオトープまで出てきた。屋上緑化は実にすばらしいことだと思うが、ホタルを飛ばすのはいかがなものだろう。都会のビルの昼場や小学校の校庭のホタルビオトープ、これらも納得のいくものではないが、今度は、なんと屋上である。ホタルはビルの屋上で生まれ育つ昆虫か?ホタルビオトープは、ホタルの卵~羽化まで、ホタルや餌となるカワニナが生息するに適した「水づくり」「土づくり」を基本に開発した技術に留まっており、ホタルが自然繁殖する環境ではない。開発を手がける大手ゼネコンなどの目的も、結局、エコ・ヒーリング、ホテルや商業施設の集客、ブランドイメージ向上などに活用としており、人々のためにホタルを利用するだけのことである。屋上に放つホタルは、どこから入手するのだろう。ホタルの養殖業者か。需要が高まれば、養殖業者は更に自然環境からホタルを乱獲する。

ホタルビオトープは、ホタルを里山の結晶、自然環境の象徴からどんどん遠ざけるだけでなく、里山に舞うホタルを絶滅させることにつながる。

東京にそだつホタル