幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 PRESIOUS MOMENT

2008-04-04 01:59:00 | Weblog


 NO NO
 
 右の道を左に曲がり
 
 NON NON
 
 突き当りの山道を海岸までひとっ飛びすれば
 
 YEA YEA
 
 ぼくは雲になる
 
 あの高い高層の絹雲
 
 あそこには
 
 死者たちが集う
 
 透明な聖堂がある
 
 だからあんなに輝いている
 
 でも夕方になると
 
 魔術師が現れ
 
 この世にエゴの欲望という魔法をかける
 
 だから夜の風は
 
 ときには疾走する馬のように荒く
 
 心をかき乱す
 
 眠れない
 
 眠れない
 
 あんなに太いみつあみ
 
 もう見ることのないメッセージ
 
 溶けてしまったアイスキャンデー
 
 CAMON
 
 YES
 
 MON AMI
 
 MY PRESIOUS MOMENT
 
 FOREVER
 
 
 雲が輝く
 
 風がゆっくりとキャンデー色に染まり
 
 あの世の絹雲から
 
 レンブラント光線が差し込む
 
 牧歌的田園での恋愛
 
 頬をそめて
 
 C’MON
 
 YES
 
 と言った
 
 風になびくみつあみ
 
 もしぼくが
 
 もう一度
 
 3才になれたら
 
 キューピッドの矢を
 
 自分に放ち
 
 あなたのもとに行く
 
 頬ずりして
 
 斜面を走り下る
 
 昼は
 
 太陽の光で満たされ
 
 夜は
 
 何も見えない闇になるから
 
 C’MON
 
 Ooo YEA
 
 
 温かい暖炉の炎
 
 話してくれたお母さんのこと
 
 愛してるんだね
 
 あなたを愛してくれる人を
 
 だから
 
 ぼくは笑った
 
 
 あんなに太いみつあみ
 
 二つも下げて
 
 なぜあなたはひとりなの
 
 ぼくにはわからなかったから
 
 きいてみた
 
 でも夕日がまぶしくて
 
 忘れてしまった
 
 話す言葉も
 
 次にしなければならないことも
 
 だから見つめた
 
 オレンジ色に染まったあなたの頬
 
 
 PRESIOUS MOMENT