幻の詩集 『あまたのおろち』 by 紫源二

幻の現在詩人 紫源二 の リアルタイム・ネット・ポエトリー

 見えないきみ

2008-04-09 00:34:01 | Weblog


 言葉でつづるうた
 
 ひとつひとつに意味などないけれど
 
 きっときみにはわかるはず
 
 言葉でつづるうた歌えば
 
 桜ちる雨もやんで
 
 帰りの道すがら
 
 想い出す
 
 消えてしまった記憶の底の
 
 あの映像
 
 まだ一度も見たことがないのに
 
 すでに見たのだと錯覚してしまうような
 
 なつかしい眼差し
 
 でもぼくは
 
 ぜったいファンになったりしないよ
 
 きみのファンになったりしない
 
 だってきみは
 
 人形じゃないから
 
 肉体でもないから
 
 霊魂だから
 
 
 ん?
 
 
 きみの眼差し
 
 それは永遠で
 
 幽霊で
 
 呪いで
 
 祝福
 
 
 さよならを言っても
 
 まだ見てるんだね
 
 
 ぼくが夢を見ていても
 
 見ているんだね
 
 
 だから
 
 ぼくは見ないよ
 
  
 きみのこと
 
 見ないよ
 
 
 そこにいることだけは知っている
 
 でも振り向いたりしないよ
 
 
 もしそこにいなかったら
 
 
 だから
 
 
 それはきみだ
 
 
 涙が流れるのは
 
 
 きみのせいだ
 
 
 見えない
 
 
 きみのせいだ
 
 
 

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