本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

不断護摩

2013-09-04 21:52:10 | 住職の活動日記

 いろいろ部屋の整理をしていましたら、

懐かしい写真が出てきました。

 

 

    

 

護摩を焚いている、

それも、今では貴重な写真、

東寺の御影堂にいる頃、

毎朝10年間ほど焚いていた、

そのときの写真です。

 ( あのころは … はあっ !  

     やはり  わかい !? )

 

 今では、御影堂は国宝ということもあり

この護摩堂での護摩を焚くことは

なくなってしまったようです。

 

 弘法大師以来 「 不断護摩 」 として、

焚きつづけられてきたのです。

 この護摩堂の奥に

秘仏の不動明王がお祀りしてあります。

この反対側に 「 弘法大師 」 が

安置してあります。

 弘法大師の念持仏だった不動明王です。

護摩堂というより、寝殿造りの一部を

護摩を炊くスペースにしたという場所です。

 だから、お参りする場所もなく、

一人がやっとお参りできるためのもののようです。

 年間約15万本の護摩木を焚いていました。

だから、天井は梁の部分がむき出しになっていて

長年の護摩の煙で、その梁には煤がたくさん

付いていて、雨の日になると

湿気を含んだ煤がボッソッと落ちてきます。

 

 そのように毎日絶え間なくすることを

「 不断 」 といいます。

だから、 「 常 」 という言葉にも通じるのです。

この 「 常 」 もおもしろくて

普通には 「 つね 」 といって、

「 平常心 」 とか使います。

で、 「 平常 」 の反対は 「 非常 」 です。

普段通りでないことを 「 非常事態 」 といいます。

仏教では、

 「 常住 」 とか、その反対は 「 無常 」 でしょうか

諸行無常 の無常です。

 「 常 」 とは、辞書によると

絶え間がなく ( 不断 ) 続いて尽きぬ ( 相続 ) こと。

とあります。

 

 昨日からの続きではないですが、

「 非 とか 不 とか 無 とか 」

という言葉が 「 常 」 という

言葉を介していろいろ展開していくのは

何か不思議で面白く思います。

 「 常 」  に 「 無 」 が付けば

「 無常 」 といって仏教の大切な概念です。

「 非 」 が付くと、

「 非常 」 となって普通に緊急なことになり、

また、 「 常 」 は 「 不断 」 と同じ意味にもなり

微妙に変化していくのはおもしろい !

 

 このことはもっともっと広がり

いろんな展開を見せるのではないでしょうか ??

 

 ま~ 「 不断 」 に何事も続けることが

大切です。

 「 常々に 」 といっても同じかもしれませんが

断じることがない、「 不断 」 といったほうが

いったん否定を通すほうが、

気持ちの確かさが出てくるようです。

 

 

 

 

 

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