本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

天人五衰(てんにんごすい)

2024-07-09 20:49:41 | 十地経

アルティメイトコンサーン

究極的関心

あれも欲しいこれも欲しい

と色々な欲しいものが

ありますが、

その中で振い落されて

最終的に何が残るか、

 

上見ればあれほしこれほし

星だらけ

下見て暮らせほしの気も無し

 

という歌を三浦先生から

よく聞きました。

 

欲しいという要求を

仏教では五欲といって

五つに集約しています。

それは食欲・性欲・睡眠欲

この欲は生きるために

必要な要求です。

それが満足してくると

次に出て来るのが

財産欲と名誉欲です。

 

色々欲望があるようですが

集約するとこの五つに

なるのではないでしょうか。

 

今のテレビ番組でも

グルメに関するものが多く

見受けられます。

食欲はそれほど強い要求です

睡眠欲は

何かしら欲望でないような

好きな時に寝て

好きな時に起きる

すごく当たり前のような

気もするのですが、

これがやはり道を求める

というよ大きな煩悩になる

のです。

規則正しい生活が出来ない

と、まず修行ができない。

睡眠も欲望と捉えている

ところは面白いものです。

 

でも

最近は寝るということが

大きな問題です。

眠たくなって

いざ床に入ると妙に目が

冴えてくるということが

あります。

 

そこで、「天」という世界

ここは人間より一つ上の

世界でまだ迷いの世界です

まあ人間の考える要求が

すべて満たされた世界です

ですから、

ここで最高のように思う

のですが、

人間には妙な所があって

自分だけ満たされれば

それでよいかというと

そうではなく、

自分を犠牲にして

他のために尽くして

満足する途いう一面を

もっています。

 

それで、

天人五衰ということが

あります。

天人が滅びていくときに

五つの特徴が現れる

というのです。

 

衣服が汚れてくる。

次に頭に冠っている花の

冠がしおれてくる。

これは一つには私たちの

頭の毛が薄くなったり

白くなったりというように

頭の髪型というのは

一つの象徴です。

それから体が臭くなる

加齢臭が出て来るという

ことでしょう。

そして、

脇の下から汗が流れる

臭くなるのと同じような

気もしますが

最後にこれが重要ですが

自分の位置を

楽しまなくなる。

ということの五つです。

 

上の四つは

身体的特徴ですが

最後の一つは心の問題

になってきます。

この天人が滅びていく時

どんなに若さを誇って

いてもやがてはその自分に

楽しめなくなってくる。

 

そこでどうなるかというと

もう一度、人間界に戻って

苦労をして来い

というのです。

天の世界は最高の世界では

あるのですが、

有頂天ということもあり

人間の迷いの最高点です。

 

今まで考えた

私たちの要求、欲望は

方向が間違っていた

のではないかということが

考えられてきます。

 

面白いのは

菩薩という仏と

普通でいう仏(如来)

との違いは見た目では

仏は本来無一物といって

衣を一枚纏っているだけ

なんですが

菩薩は冠を冠り首飾り

イヤリング、腕飾りなど

装飾品を付けています。

 

私が

ブランド物を欲しがるのは

自分に価値がないから

せめて、ブランドをつけて

少しでもよく見せようと

しているのです。

 

ですから、

菩薩の飾りとは全く方向が

違ってくるのです。

欲望というより

一つの権威付けというか

もう次には悟りを開く

という確信がそういう飾り

に現れているように

思います。

 

人間の欲望も

方向を見直した時

それは個人的な欲望に

止まらず、

それは他のために尽くす

という欲求に変わってくる

ように思うのです。

 

そういうように

欲ということも考えなおし

見直してくると

別な面が見えてくるように

思うのです。

 

 

 

 

 

 

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