本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

方便智発起殊勝の行・智慧神通の行

2024-05-09 17:58:12 | 十地経

『十地経』ですが

やはり中心になるのは

初歓喜地と第七地遠行地と

第八不動地の三つに尽きる

のではないかと、

仰っておられます。

 

初歓喜地、

歓喜ということが物事の

始まりのようです

なんの場合でも

歓喜という喜びのない

ところには始まりません。

歓喜してものごとに挑む

いい言葉です。

 

それから、十地の修行が

ずっと直線的に

行くのではなく、

決断を迫られるという

大きな転換点が第七地という

ことです。

その中で、

中心になる言葉が

方便智殊勝の行ということ

と、智慧神通の行という

ことです。

 

方便という言葉も

誤解しやすい言葉で

というか勝手に自分なりに

解釈してしまっている

という一面もあります。

「嘘も方便」というような

しかし、智とありますから

方便智という智慧なのです

 

ちょうど、

六波羅蜜と重なるのですが

布施、持戒、忍辱、精進、

禅定、智慧という

そして、方便波羅蜜が

七番目です

それが、願波羅蜜、

力波羅蜜、智波羅蜜と

続き、十波羅蜜になります

 

『十地経』の場合が

第七遠行地の課題が

方便智の行それも殊勝の行

ことに勝れているという。

そこに

十の波羅蜜と十地経が

重なっていくようです。

 

ふと思ったのですが

先日のテレビ、

「となりの国宝さん」

という番組なんですが、

「とんでとんで」の歌で

有名な円広志さん

何気なく漏らした一言が

「私らはお客さんに

助けられているのですよ」

 

ドキッとしました。

私ら僧籍にあるとついつい

お説教とかで偉そうに

言ってしまうことが

あるのです。

分かったようなふりで、

このことも同じで

逆に私たちの方が

檀家の方、信徒の方々に

助けて頂いているのです。

 

まあ、第六番目の波羅蜜

智慧波羅蜜ですが

厳密には慧波羅蜜でしょう

十番目が智波羅蜜ですから

その智慧というのは

ある面、

世間では通用しない

のかもしれません

その智慧が世間の人により

一旦否定されて

机上の空論が否定されて

そういう頭でっかちの智慧

が見直される

そういうのが、

方便智というのではないかと

思ったのです。

 

世間の知恵で見直されて

そういうのが、方便智と

まあ、

世俗、世間から出家して

ということをいいますが

その出家した

という意識から

さらに出家する、出出家

ではないかと、

いうようなことでしょう

 

そういうことによって

智慧というものに

さらに磨きがかかっていく

そういう意味でも

第七地というのもが

重要な意味をもつので

しょう。

 

それから、

もう一つの智慧が

智慧神通の行を行じる

という智慧です。

仏教的には「じんづう」と

読みます。

それから「神」という言葉

これは精神の精が略された

もので、これは精神通力

といった方が正しいのです

講義では

 

「この智慧神通というのが

前上地でなしにですね、

上地というものを何か

それで表しているんじゃ

ないかと、

上地の精神界を。

上地というものの

精神界を智慧神通という

ような言葉で表している。

 

智慧というのは精神ね。

それから力でしょう。

通力といって。

神という字がはや

精神という意味ですけど、

神通力というようなものが

目的で、神通というのは

力ですね。

 

智慧という精神の持っとる

力です。

精神力というものを

これから、

第七地の方便行が完備する

ことによって、

精神力というものを

得てくると、

こういうわけです。」

 

難しいかもしれませんが

ここのところが

十地経の中心のようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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