本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

スピノザ(1632~1677)

2024-05-18 21:14:46 | 十地経

講義の中でもこの方の

名前はよく出てきます。

江戸時代4代将軍家綱の

頃の方です。

先生の話によると

スピノザという人、

哲学者というより職人さん

それもレンズ磨きの、

その当時はまだ

哲学者というジャンル

はなく、職人が皆

哲学をやっていたそうです

 

何かそういうことに惹かれ

とても魅力を感じたのです

今でも

植木の職人さんとか

それなりの世界観というか

哲学を持っておられます

それがないと

仕事が出来ないのでしょう

 

その頃は毎日、雑用雑事に

追われて

お経読むこともなく

ただひたすら掃除草刈り

炊事洗濯と、

でも、このスピノザの話を

聞いてからは

雑用雑事でいいではないか

そこに教えを聞き自分を

磨けばいいではないかと

妙に、コンプレックスが

取れたものです。

 

講義も、初地から

第五地まで終わり

第六地になるところです。

 

「それから第六地は

『甚深の法門に入る』。

甚深ですね。

これは縁起です。

縁起甚深と。

縁起というものを考えると

一切の存在は縁起によって

成じておるというと。

そういうことが不思議と

いうことじゃないかと

思いますね。

 

あるとかないとか

決めてしまったら、

それは不思議でも

何でもない。

縁に依ってあるんだ。

縁に依ってあるというと

依ってあるんだ。

それ自身であるんじゃ

ない。」

 

この縁ということを

説明するのに

スピノザの話が出てきます

ユダヤ系のオランダ人

無神論的傾向があったため

ユダヤ教会から破門という

ことになります。

それから、レンズ磨きで

生計を立てながら

『エチカ』『知性改善論』

『神学政治論』などの

本を書かれます。

 

それから、余談ですが

最初に出てくる

「甚深」という言葉

「無上甚深微妙法」とか

「じんしん」「じんじん」

とも読みます。

はなはだふかい、という

意味です。

しかし、

この「甚」という字

ちょっと気になり

調べてみると

「甚」という字は

甘と匹から出来ていて

「匹」は男女の和合の意を

表し、そこから

甚は、夫婦の和合の楽しみ

を意味し、

それは非常な楽しみである

ので、ひいて「はなはだ」

という意味になったのです

 

まあ、こういう俗字的な

ものまで仏教語として

高めていくところが面白い

ものです。

そういう言葉は他にも

よくあるものです。

 

「スピノザの哲学という

ものは、何といいますか、

自然必然といって、

自然科学的な哲学的世界

でしょう。

 

けど、自然ということは

自由と意思ということと

違うのではないか。

スピノザはね、

自由なんて考えるのは

妄想や、こういってね、

自然(じねん)という

ところに本当の哲学の姿が

あるんだと、

哲学者の世界が。

 

自然(じねん)の中に

何か一つの解脱という

ものを見出してきてるん

ですね。」

 

というように続くのですが

ここのところは

スピノザの哲学も

分からないので、よくは

言えませんが

まだまだ、

スピノザの言葉を駆使し

ながら話が続きます。

 

 

 

 

 

 

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