「佞」ネイ、という字も
あまり見かけない字です。
仁と女からできています。
訓では「おもねる」といいます
意味は、
ことばたくみなことが原義で
ひいて才能あることを意味し
それから、
口先だけで誠意のないこと、
よこしまなことを意味するように
なってきました。
それで、佞人というのは
口先がうまくて人にへつらう
とあります
他の熟語にしても
佞才-口先がうまくて
人にへつらう。
佞弁-人に調子を合わせてへつらい
気に入るように言うこと。
佞言-こびへつらう言葉。
というように
あまりいい意味では使わない
ようです。
讒言ということも
あることないことを言いつけて
人をおとしいれる
ということです
「讒」という字も
毚と言遍から出来た字です
毚(サン・ザン)という字は
ウサギが二つ重なった字で
おおうさぎとかずるいウサギ
という意味があります
それで、
讒という字は、
そしる、悪口をいう
つげぐち、へつらう、よこしま
という意味があります。
この字を知ったのは
NHK大河ドラマの「麒麟がくる」
ということで、
例の磯田先生、古文書を見ると
そこに出ていたのが
光秀の謀反ということで
新しい資料の中に
その裏切りは
ある人物(佞人)の讒言による
ということが出てきたのです。
その背景には
光秀をそそのかしたというか
讒言を言って仲を裂いた
ということがあったということです
新事実のようですが
大河ドラマではこのことが
どう取り上げられるか
興味深いところです。
佞人の登場があるのか
それはぼやかして
讒言ということが
取り上げられるのか
まだまだ先のことですが
そういうことを
頭に入れておいて見るのも
ドラマが
どのように進展していくか
光秀の心理状態を
どのように表現するか
面白く見ることが出来るようです
まあ言葉というのは
実に面白くもあり
助ける道具にもなり
勇気づけるツールにもなり
傷つけたり陥れたり
一つの言葉でいかようにもとれる
大切なものです。
それで、
「真言宗」ではないですけど
真言、真の言葉とか
また、十善戒のなかでは
四つ言葉に関する諌めがあります
妄語・綺語・悪口アック・両舌です
妄語というのは
嘘を言ってはいけない、
綺語は今でいうお世辞です
この言葉は人を心地よくする
ということで悪くないようですが
あまりにも言い過ぎると
自分の心にわずかに残っている
良心さえも失うという
可能性があるということです
悪口これはアックと読みます
普通にいう悪口ワルクチです
わるくちは面白いものです
話題の中心にないrます
両舌は二枚舌で
離間語ともいい
人と人の間を割く言葉です
自分を大事に思ってもらいたい
ために人と人の間を割き
自分というものを主張したい
という心が根底にあるようです
というように
言葉一つで天下も変わるし
人と人の間も変わるものです
あだやおろそかにできないのが
ことばです。
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