『武士は食わねど高楊枝』
という諺がありますが、
私の育った頃は食べるものがなくて
いつもお腹をすかし
「腹へった!何か頂戴!」
というのが口癖でした。
すると、
この諺を持ち出して
腹へった腹へったといっては
いけませんと、
言われたものです。
今肥満ということ
が問題になっています
メタボリックシンドロームと
地球上でこれだけ飽食の時代は
ここ数十年の出来事だそうです。
仏教では事実から事実へといいます
ですから、
武士と雖も食べなかったら
腹へった、ということが事実です。
最近では科学の研究が進み、
以前は脳がすべてを支配していて
脳の指令によって
ほかの臓器や器官が働くと
考えられていましたのですが
それぞれの臓器が指令をだし
互いに協調しながら働いている
ということが分かってきました。
そこで、
肥満の原因も解明されようと
しています。
経典でも似たようなことが
書いてあるようです。
身体の意識ということをいいます
意識は心だけと思うのですが
身体の方が正直だというのです
最近よく「心を大切に」とか
「物から心の時代へ」
ということが叫ばれますが
では具体的にはどうしたらいいか
それは、
物を大切にすることです。
心の具体的な表れは物です
口では心を大切にと言いながら
物は使い捨ての時代で
とても粗末に扱われています。
心と物ということは
とても大切な関係です。
よく手紙の最後の文句に
「ご法体大切に」とか「ご法器」
という言葉を使います。
身体というのはただの身体ではなく
仏法という教えを入れる器
という意味があるのです。
心はよく嘘をつきます。
最近よく不倫とかが話題になります
事実は夫婦として共に暮らしている
のですが、
他の方が気になり心を寄せる
心は勝手に想像を膨らませていく
そこで、身はここにあるのですが
心は飛んで心を寄せる人と遊ぶ
ですから、
心こそ心に心ゆるすな
という歌もあります。
以前相談を受けたことがあります
小さな会社の社長さんですが
妻も子もあり仕事も順調、
そういう時に限って魔がさすもので
若い子が好きになった、と
その方が言うには
その若い子は心が純真で
その心を大切にしてあげたい、と
越えたのですか?
はい! お腹に…!
そこで、
仏教では二人の心を大事にするには
どういう教えを説いていますかと
なんとも都合のいい相談です。
そんな都合のいい話は
説いてないですよ!
どちらかを捨てるか別れるか
両方なりたつことはありませんよ
と答えたのですが
どんなに愚痴を言おうと
不平不満を言おうと
その心をじっと支えているのは
身体なんです。
身体は黙って支えている。
そこに体という意識の大切さ
今までは意識というのは
頭の脳にしかないと考えられて
いたのですが
器官や臓器にも意識がある
ということが解明されてきています
脳が指令を出すのではなく
臓器も骨も皮膚もすべてが
指令をだしあって
この私たちの身体を作っている
なんとも不思議な話ですが
これから増々そういうことが
解って来るでしょう。
仏教は唯物論的ですね
と言った方がおられますが
そういう面もあるようです。
しかし、
大切なことは
私たちがやったことや言ったことは
必ず心の奥底の意識(阿頼耶識)に
貯金され
利息として次の行動を起こすという
絵を描いた
あまり上手に描けなかったので
破って捨てた
絵はなくなってしまますが
絵が下手に描いたので破いて捨てた
ということを貯金するのです。
そこに些細なことでも
おろそかに出来ない
心の微妙な心理があるのです。
「武士は食わねど高楊枝」
というのも真理ですし
「武士は食わなかったら腹へった」
というのも真理です。
NHKの身体の不思議という番組で
そのようなことを思いました。
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