本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

力波羅蜜(りきはらみつ)

2023-10-23 19:55:57 | 十地経

力ということも

仏教には関係ないようですが

よく出てくる言葉

でもあります

いつも読むお経には

「三力偈」(さんりきげ)

というのがあります

 

以我功徳力

(いがくどくりき)

如来加持力

(にょらいかじりき)

及以法界力

(ぎゅういほうかいりき)

 

というものです

簡単には、

まず自分自身の努力の力

それによって、仏の力

つまり、日々元気に過ごせる

ということでしょう

すると、色々な人々の

多くの力が加わって

ものごとが成就するという

ですから、

三力が具わらないと

ものごとは成就しない

ということです

 

また、三十七菩提分法には

五力(ごりき)といことが

あります

信力(信仰の力))

勤力(ごんりき・努力の力)

念力(憶念不忘の力)

定力(心を集中する力)

慧力(智慧の力)

という五つの力があります

 

しかし「力」というのは

普通にいう暴力的な力

ではないのです

そこで講義では

 

「それからその次が

一切外道ですね。

『一切外道の邪論及び

諸の魔衆に沮壊(そかい)』

この『菩薩(道)を沮壊する

ことあたわず。

これ力波羅蜜。』

力というね。力と。

非常に大事な字ですね、

力、力があると。

 

ティリッヒという人が

愛と力、それから正義と、

三つの名前ですね。

その三つの概念の中に、

あらゆる精神問題を

尽くしうると、

こういうような

ティリッヒの有名な本です。

愛と力とそれから正義。

まあ仏教には

愛と力があるけど、

正義というものはあんまり

はっきりしていない。

 

力ということ、

力と翻訳される字には色んな

原語がありますけど、

これは何ですかね、

パワーというよなですね。

大拙氏(鈴木大拙)は

仏教で力というけど、

それに適当するような英語が

ないんだと言ってましたが。

 

能力とか、能力(のうりき)

ですね。

能力(のうりき)という

場合にも力(ちから)ですね。

それから働きという場合も、

色々働くことのできる能力、

ということもあります。

 

とにかく如何に正しくても

無力じゃ駄目なんだ、

負けとるんじゃ。

え、やっぱり力を持つこと。

 

力を持つといっても

暴力じゃ困るんです。

しかし

人に馬鹿にされるような

そういう情けないもんでも

困るけど、

そうかといって、

何くそというようなこと

いってただ暴力じゃ困る。

 

だからして

人からですねえ、

ここに書いてあるように、

一切の邪論、外道邪論ね、

邪論、正論に対する邪論です

邪論もどうも動かせん、

邪論が、でもって

どうも動かしようがないと。

 

横車を押すような議論ですね

そういうものでも

どうも動かされんし、

それから色々誘惑、

だまして何かあの、

誘惑してみるってことも

もう役に立たんと。

誘惑してみようがないし、

えー、そして脅かす、

 

邪論というのはなんか

脅かすんでしょう。

脅かしたり、誘惑したりする

というような力に

動かされないと、

そういうような外的な力。

 

そういう誘惑があったり

脅かされたりするという

中にあって失わんと

自分の道を。

そういう力ですね。

これ力波羅蜜です。」

 

というように

力という問題もなかなか

難し問題です

力でなければ誘惑という

こともあるというのが現実

です。

そういう中にあって

自分を失わんという「力」

ということです。

ですから、パワーという

ような言葉とも違うようです

 

 

 

 

 

 

 

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