本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

焚くほどに風がもてくる落ち葉かな

2019-11-12 19:58:40 | 住職の活動日記

お寺にいる時、

境内には沢山の楠木がありました。

結構成長も早く

その分、

春秋二回落ち葉を散らします。

掃いても掃いても

掃いた先から

また落ち葉が散ってきます。

 

そのようなことを愚痴っていたら

師匠の三浦先生が

今週の言葉に、

 

「自然法爾」(じねんほうに)

焚くほどに風がもてくる落ち葉かな

 

という、

良寛さんの句を書かれました。

何かよく分からなかったのですが

何かしら頷くものがありました。

 

散れば掃き、その繰り返しが

自然そのもののハタラキ

無理に木を揺すって散らすのは

なんとも風情がありません。

 

 

我が家の山法師も

散り始めました

 

 

 

青々と緑の葉を茂らせて

涼しい木陰を作ってくれました

そのハタラキを終えて

身軽くなって冬支度なのでしょう

 

 

ちょうど今は紅葉の時期ですが

紅葉するというのも

葉としての役目を終えて

散っていくのでしょう

この葉も半分紅葉して半分枯れて

こうやってすっかり枯れたら

落ちていきます

 

シャンソンの中には

アズナブールの「枯葉」という

曲がありますが

日本人は紅葉を楽しみ

西洋の人は枯葉として

思いを寄せるのでしょうか

 

落ちている葉を見ると

よくぞこんなにもたくさんの

葉を付けていたのだと

驚かされます

日を浴びて光合成で栄養分を

取り込みそのハタラキが終われば

葉は落ちていくのです。

 

 

しかし、

枝に絡みついて

落ちまいと

頑張っている葉もあります。

 

そうやってみると

一枚の葉と言えども

愛おしく感じるものです。

まあ、

お寺にいる時の

あの大量の落ち葉を見ると

そんなことも言ってられませんが

しかし、

今であればもう少し余裕をもって

落ち葉と格闘できたかもしれません

 

良寛さんのこの歌も

新潟で殿様からお声がかかった時

この歌を詠んで返された

ということのようですが

良寛さん自身は五合庵という

本当に質素な家に住まわれ

自然と共に生きられた

それこそ自然法爾に生きられた

自分の生き様を

歌にして返されたのでしょう。

 

落ち葉一つにしても

「ご苦労さま」

という気持ちで接すると

とても身近なものに感じます

まあこの年

ということもあるのでしょう。

もう枯れかかって

 

 

お役目を終える頃なのです。

 

良寛さんの心境のように

自然法爾に

焚くほどに風がもてくる落ち葉かな

と生きれたらいいのでは

と内心では考えているのですが、

????

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする