本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

中央構造線

2016-04-21 20:35:54 | 住職の活動日記

布田川断層帯と日奈久断層帯によって

引き起こされた熊本地震、

いろいろニュースを見ていると

地震研究の先生によっては

今後の予想が分かれるところもあるようです。

 

ふと思い出したのは

布田川断層と日奈久断層の

延長線上に伸びている

「中央構造線」のことです。

「邦光史郎」という方から頂いた

『朱の伝説』という本、

朱の謎を探る歴史推理と、

ありますが、

古代の人々にとってとても重要な

『朱』

お寺の柱も朱に塗られ

古墳の中の絵にも朱が使ってあり、

また、朱の原料は水銀

 

不思議なことに『朱』の採れる

地域がこの中央構造線上にある

ということです。

『朱』は「丹」とも称され

奈良の都の「あおによし」と

歌われた、「あお」は「丹」のことです。

 

奈良の大仏さまを造る時にも

水銀「丹」はたくさん使われました。

金を水銀で溶いて金箔にして

大仏様に塗り、その上に火をかけて

水銀を蒸発させて

金箔の大仏様にしたのです。

 

昔の仏具はすべて

金箔を貼ったものは水銀が

使われたのです。

 

また、今ではあまり見かけませんが

「伊勢白粉」も原料は水銀です。

熊本から大分を通り四国を抜けて

紀伊の三重県伊勢市まで

伸びる中央構造線。

この線上に水銀の鉱脈があったようで

その地域には「丹」という字が付いた

地名が各所に残っているようです。

 

この水銀は大変な繁栄をもたらし

古代からの文明を支えてきたようです。

面白いことに、

装飾古墳の実に33パーセントが

熊本に集中している。

南は日奈久の小さな古墳から

鍋田横穴群と、

それは朱(丹・水銀)が取れた所

と重なっているということです。

 

朱や金箔はお寺にとって

切っても切り離せない

ということもあって、

「邦光史郎」先生の本は

とても興味深く、

この中央構造線上の

いくつかの地点を回ることを

いつか?と決めて

数か所は行ったのですが

その地域には必ず、それにちなんだ

神社やお寺があるものです。

 

本当に今回の大地震は

大変は被害をもたらした。

身近なこととして心が痛むのです。

 

しかし、

破壊して人々をどん底に突き落とす

そういう面と、

過去には人々に大きな繁栄をもたらした。

そういう面を持つ

中央構造線、

自然は破壊と恵みをもたらす

といいますが、

 

弁天様も、

琵琶を持って艶めかしい姿

それはサラスバティーという川の

せせらぎの音で

豊かな恵みを象徴しているのでしょう。

しかし、古い姿は

六臂(ろっぴ)という六本の腕

その手にはいろいろな武器を持った姿

それは川が氾濫する

破壊の面も表しているのでしょう。

 

そのようなことを思いながら

今日は買出しに走り

届けて欲しいという先輩の荷物を

預かりに行ったりと、

先日から買出しに忙しい日々

「届けよう!!」

という有志の方の声に励まされ

近々出発の予定です。

 

 

 

 

 

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