不動、不動明王
明日はお不動さまご縁日で
当院では恒例の不動護摩祈願です。
十地経の中でも、第八番目が
不動地、というところです。
不動とは、 …
初歓喜地 という、
仏道の最初は 「歓喜」 (かんぎ) ということです。
ベートーベンの第九も 「歓喜」 (かんき) です。
悩みを突き抜けて歓喜にいたる、という
やはり、歓喜が物事を動かしていくのです。
初発心時 既に正覚を成ず
ということがあります。
得度して、加行 (けぎょう) に入る
そのときの顔は初々しく
正に仏さまが宿ったようです。
しかし、それだからといって
仏さまが本当に宿ったわけではありません。
その初々しい心は大切なのですが
それが続かない。
だんだん心が汚れていく。
だからこそ、十地経といわれるように
十の修行の段階があるのです。
四念処・四正勤・四如意足・五根・五力・七菩提分・八正道
というような三十七道品というような修行が出てきます。
その修行を成じていくと
第七番目には 空に沈む というような
ニヒリズムに陥ってしまいます。
そういう段階を越えて、
第八番目が 不動地 という境地です
ここで初めて、最初の 「歓喜」 ということが
不動のものになってくるのです。
人間はなかなか腹が決まらないものです。
決めたと思っても、
その決めた心がはや迷いが生まれてきます。
十地とは、
決めた しかし、迷いが出る、
そこをさらに修行して乗り越えていく
そこには先輩や師匠のアドバイスも大切です。
だからこそ、教えも大事だけれども
友という、サンガ、仲間が
何より大切なのです。
それによって、さらに修行を続けようと
そういう心を呼び起こしてくるのです。
人間は迷いなやむものです。
そこを乗り越えての、こその
不動地です。
もはやもう後戻りはしない、
そこに到達するまでには
迷いは就きません
だからこそ、最初の 「初歓喜」 ということを
思い起こし、大切に温めなおし、
さらに進んでいくのが
修行の醍醐味なのでしょう。
迷いは必ずあります
けれども、そのことを縁として
さらに深めて欲しいと
願わずにはいられません。
明日は不動護摩です
どうか一心に不動さまの力を
念じて欲しいと思います。