本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

お釈迦さま涅槃会

2014-02-15 18:12:22 | 住職の活動日記

 2月15日は、お釈迦さまが涅槃に入られた日です。

「 涅槃 」 インドのことばの ( ニルバーナ )

もともとの意味は 「 吹き消す 」 ということ。

すべての煩悩が吹き消され、自分の人生を

完全に燃焼しつくした、ということでしょう。

 

    

 

いま、床の間にお祀りしている

苦悩の末、静かに思惟しておられる

お姿です。

 

   

 

肉は削げ落ち、あばらも剥き出し、

しかしそのお顔はとても安らかです。

 

 お釈迦さまの最後の旅はクシナガラへ、

向かっておられました。

ご一緒に随行していたのは 「 阿難 」 ただ一人です。

お釈迦さまは80歳の老体です。

 インドは暑いのでいつも沐浴されます。

ところがこの時ばかりは、

岸から這い上がれない、やっとの思いで

岸から上がり、たいていの場合は

結跏趺坐して瞑想に入られる、

健康な時はそれもできるのですが、

老衰に加えて体も壊しておられる。

それで、そこに横たわられる。

そこが沙羅双樹の木の下です。

 その姿を看取ったのが 「 阿難 」 です。

その阿難の気持ち、

阿難の心髄にまで達した印象、

どうすることもできない、

それをじっと観ておった阿難の深い悲しみ

そして、その感動、

それが仏像を生み出していったのです。

 

 「 涅槃図 」 はお釈迦さまの像の中でも

一番大きい、

それは阿難の感動の深さがああいう大きな

お姿をつくらせたのです。

 はたから見れば、ただの痩せこけた老人が

横たわり、今にも死にそうであるという姿です。

 しかし阿難にとっては痩せこけた老人には見えなかった。

それは今まで法を説かれ続けた、

それはそれは大きなお姿に見えたのです。

 

 それは、安田理深先生の講義を聴いていて、

お茶を出すのが私に役目だったのですが、

講義の前のお姿は本当に普通のお年寄り

という感じでした。

 ところが一端、講義をはじめらると

その姿は輝き、とても溌剌として

大きなお姿に見えたものです。

 

 この写真の 「 お釈迦様 」  とても小さな

仏像です。

そして光り輝くようなお姿でもありません。

痩せてみすぼらしく、何も知らない人が見たら

捨てられてしまいそうです。

 

 祖父が私にこのお姿を忘れるな !

と、託してくれたお釈迦さまなのです。

 いつも、じっと見られているようです。

 

 

 

 

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