本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

とつぜんの別れ !

2012-04-27 21:39:50 | 住職の活動日記
 別れは突然やって来ます。

頭ではわかっているつもりですが、

本当のところはわかりません。

 でも、必ず別れはやって来ます。

それも突然です。


 今日は奥様の三十五日、もう一月もたってしまいました。

けれど、いまだに奥様の死が実感として捉えられません。

ふと、玄関から帰ってくるような気がします。

 交通事故で亡くされ、

ご一緒に買い物に行って、一足先にご主人は家へ

奥様は買い足りなかったものを買いに近くのお店へ行かれました。

その横断歩道で  …  での出来事でした。


 ご主人は当然、自分が先に行くものと、

預金通帳の名義から、ありとあらゆるものまで、

奥さまのためにいろいろと手配しておられました。

ところが、その奥さまの方が先に  別れも告げず  

いってしまわれました。


 …  ところが、大変な問題が起きたのです。

奥さま名義のものはすべて凍結されてしまったそうです。


 「 困ったことに、まだ葬儀代も支払いが出来ないのです。」


いま、名義の書き換えの最中なのですが、

自分が一生懸命働いて、貯めたお金なのですが、

妻の名義となると、妻から自分が遺産を相続するという事になるのだそうです。

その、相続の手続きがとても面倒で、


  「 市役所に行くたびに、足らない書類が出てきて、 

    その手続きだけで、心底疲れ果てしまいました。」


相続の手続きが完了するのは半年ほどかかるのではないでしょうか …  ?

と、こぼしておられました。


その間、事故となると、様々な問題もでてきます。

本当に悲しんでる間がないほど、

世間の雑用雑事に振り回されるということです。


 男が先に行く !!  それに越した事はありませんが、

ほんとうに、明日は何が起こるかわかりません。


 逮夜、逮夜にお邪魔していたのですが、

はじめて、息をせっきったように、次々と今の問題を話されました。


 ( 本当に、男が残されると大変です。

   順番どおりに行くことが何よりなのですが、

   世の中そうはうまくはいきません。)


『 相続 』

 本来は仏教の言葉でしょう。

 「 念念相続 」 という言葉もあります。

世間では形あるものの相続でもめるのです。

本来は形なきモノを先祖代々相続しているのですが、

そのことは露忘れて、形にとらわれて

大事な形なきモノを忘れてしまいがちです。


 とはいえ、なにせ順番に行く事を願うばかりです。

そして、せめて 

  「 ありがとう 」 の一言だけでも

言ってお別れしたいものです。


 ※ 余談ながら、通帳はそれぞれに持ってるほうが

   なにかのときには困らなくてすむようです。











コメント
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