本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

八面六臂

2009-04-11 22:50:15 | 住職の活動日記
 『 八面六臂 』 ( はちめんろっぴ )

この言葉も最近は死語になったのではないでしょうか。

( 八つの顔と六つの腕 ) ということで、

辞書によると 「 いろんな仕事をてきぱきと処理する 」

とあります。

 密教の仏さまには、 『 三面六臂 』 という仏さまは

例えば、 『 降三世明王 』 ( ごうざんぜみょうおう )

という方がいらっしゃいます。

 が、八面六臂という仏さまはおられないようです。


 今日も   そして夏日です。

クーラーが必要になってきました。


 いつものお参りに加えて、

菩提樹苑では 『 永代供養墓島崎観音廟 』 での

開眼法要と納骨。

 終わった途端、そこへ久しぶりの方、お孫さんと一緒に

タクシーでおみえになりました。  すこし …  …  

「 ここはよかとこね   」

 ( ご自分のお墓の前なのですが   )

そして、遠い親戚にあたる方の納骨。




   

  やっと咲いた、沙羅の苑の 『 柴桜 』


 沙羅の苑では、

49日忌明けのお勤め、初七日、三回忌の法要と、

続きます。


 最後のお宅、 「 これで今日一日終わったな! 」

と思った矢先、お仏壇の前に座った途端、タイミングよく、

6時の方がお二人おみえになります、と  


 思えば、同級生が定年になって何もすることがない、

という人も入れば、先月亡くなった友もいる。

 このように必要とされているということは有り難いのだ !!


 三浦先生も96歳、ご老体に鞭打って、毎日幼稚園へ

死ぬまで現役を貫いておられる。

 甘えてなんか居れない !

 三浦先生の口癖   『 休む時は死ぬ時 』


 と思えば、分刻みの法務、誠に有難いこと

以って瞑すべし  

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秘仏 不動明王

2009-04-11 13:28:41 | 住職の活動日記
 東寺の弘法大師がお住まいになっていたお堂、

『 御影堂 』 ( みえどう ) と呼ばれています。

東寺の場合は本当に弘法大師がお住まいになっていたのです。



   


 ここの護摩檀は随分と年季が入っています。

それもそのはず、弘法大師以来ずっと 『 不断護摩 』 として

焚き続けられてきているのです。

 1200年の歴史の間、何代もこの護摩壇は変ってきていると思います。

東寺の御影堂のお不動さまは 「 秘仏中の秘仏 」 です。

ですから、ご開帳ということはありません。

 言い伝えによると

  「 お扉を開けると管長が死ぬ !! 」

 という、怖い伝説があるくらいです。


 わたしも、この護摩壇で10年間毎日護摩を焚き続けましたが、

ついぞ、そのお姿を見ることは出来ませんでした。

 たぶんこのお扉の向こうに、お厨子があって、そのなかに

座しておられるようです。

 この御影堂のお不動さまが、日本で2番目に古いお不動様です。

最初に作られたのが、東寺の講堂にある 『 お不動さま 』 で

その次に作られたのが、御影堂のお不動さまです。

 写真で見る、そのお姿は、普通見かける、お不動さまと違って、

筋骨隆々でもなく、お顔は怒りの相というより、

『 悲 』 というか、

人間の苦悩に対する 『 痛み 』 というよな感じです。


 以前、東寺で発刊された 『 大師のみてら 東寺 』 という

『 土門 拳 』さんが撮られた写真集が、

その表情を一番深く表していると思います。


 今思えば、幸いなことに、この場所で護摩を勤めることが出来たのは

本当に有り難いことだと思います。


 その当時は、文化庁の先生から

「 国宝のお堂で、護摩を焚くことを許可しているのは

  東寺さんだけですよ ! 」

と、皮肉交じりに、よく言われてました。

 ですから、護摩を焚く時には、

ここの場所の火災報知器をオフにしておかないと、

門の前の消防自動車      が飛んで来るのです。


 今は、この御影堂での 「 護摩の修法 」 はないようです。

こうやって、訪れてみると、ほんとうに

懐かしくもあり、私の人生で一番、愛した時間と空間でもあります。
コメント (6)
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