西東京市の東伏見に48年間住んだ、詩人茨木のり子の軌跡をたどる朗読劇とパネル展がコール田無で開催されました。
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茨木のり子は2006年に79歳で亡くなりましたが、創作活動を続けたその家を残したいと西東京市民5人で茨木のり子の没後10年に「茨木のり子の家を残したい会」を立ち上げました。
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4月29日に多目的ホールで、メンバーによる創作朗読劇「詩人茨木のり子の軌跡」を見ました。
軍国少女の頃から自宅で亡くなるまで、凛としてしなやかに生きた生涯が熱演され、胸打たれる朗読劇でした。
終了後、イベントルームで開催されていたパネル展へ。
更に茨木のり子の作品や生き方を学べる展示でした。
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現在も東伏見に残る家。
子どもがなかったので、甥の宮嵜治さんが相続人となり、編集者との打ち合わせや企画展の資料貸出など、今も現役の仕事場として使われているそうです。
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大変な料理上手で夫(医師であった)が「我が家のめしにまさるものなし」と言っていたと日記に書かれているとか。
日常の何でもない暮らしを慈しみ、そこから紡いだ言葉が詩を読む者に分かりやすく伝わります。
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私が最初に買い求めた詩集『倚りかからず』。
このタイトルにハッとしました(表紙の帯の詩が見えますか?)
鋭い批評精神の中にユーモアがあり温かな人間性を感じます。
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こちらが子どもの頃の写真です。
やはり小さい頃から利発だったのでしょうね。
実家は愛知県西尾で、父親も医師でした。
父の命令でのり子は文学を勉強したかったのに、薬学部に進んだそうです。
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1949年に結婚。
本当に美しいお嫁さんです。
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この写真いいなぁ~
何か小津安二郎の映画のワンシーンのようです。
見つめるご主人の目が何て優しいのでしょう。
でも1975年にご主人は病気で亡くなってしまったのです。
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母の実家、またご主人の出身地でもある山形をこよなく愛していたそうです。
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詩人の谷川俊太郎が撮影した写真。
きりりとした眼差し、オーラが感じられます。
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賀状に温かい人柄がにじみ出ています。
はがきが何通も展示されていました。
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2006年2月、クモ膜下出血で急死。
自ら「生前の死亡通知」をしたためて、印刷しておいたそうです。
死亡の日付と死因を空欄にして、そこを埋めて郵送してほしいと甥の宮嵜さんに頼んでいたとか。
最後まで背筋を伸ばした、カッコイイ生き方です。
このことは2006年3月16日付の読売新聞にも大きく取り上げられていて、私は切り抜きしていました。
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会場にはファンが物静かに茨木のり子の世界に浸っているようでした。
私の母の年齢に近い方ですが、一度お会いしてみたかったという思いに駆られた日でした。