今年も多摩交流センターと私が所属する東京TAMAタウン誌会の共催で12月8日シンポジウムを開催しました。
「多文化共生時代の国際交流」をテーマに昨年は多摩地域の外国人留学生を主に話してもらいました。
今回はその第2弾として、来日して5年から20年余りの外国の方に、日本での仕事、子育て、教育について
語っていただきました。
会場は多摩交流センター、コーディネーターの西本晃二先生(元東京大学文学部長)が挨拶。
登壇者の発表の後に、インタビューをやっていただきました。
<第1部> 4名の外国人が日本での体験と今、未来を語る
最初は中国出身の畢煜(ビ・リー)さん。
来日22年、現在は福生で大きな日本語学校の理事長を務めるビ・リーさんですが、来日当初は新宿の日本語学校で
日本語を学びながら、皿洗いのアルバイトをしていたこと。
その後東大に入ったことが、自分の人生を決定づけ、日本語学校の運営と専門学校の設立につながった。
日本と諸外国の架け橋となる人材を育てたいと、就職やアルバイトまで面倒をみる専門学校をつくっている。
2番目はウズベキスタンのディラフルズさん。
2014年に来日、タシュケント大学では日本語を専攻。
ウズベキスタン語で読んだ「竹取物語」に惹かれ、日本の中世文学に興味を持った。
法政大学大学院修了後、来年は博士課程に進む予定。
日本で知り合った同郷のウズベキスタン男性と結婚し、2歳男児の子育てにも励んでいる。
日本の病院が専門に分かれているので、どう対応していいのか難しい。
日本人では若い人より、年配の人の方が接しやすいと思う。
3番目はルーマニア人の山田エリーザさん。
ご主人が日本人で、武蔵野市に移住。
武蔵野市がルーマニアのブラショフ市と姉妹都市で交流があるので、、ルーマニア語の通訳・翻訳を手がけている。
定期的にルーマニア料理の教室も開いている。
ブラショフ市には「日本武蔵野センター」があるので、武蔵野市にもルーマニアに触れられる場所を作るのが夢。
4番目は中国上海出身の孫洛依さん。
1994年来日。上海では高校の英語教師をやっていたので、日本の英語教育に関心がある。
男の子を日本で育てた経験から、勉強だけでなく、仲間や社会と協力することを教える
日本の初等教育は優れていると思う。
<第2部> 交流会と発表
AからEまでの5グループに分かれ、4人の登壇者を囲んで今日のスピーチに関して意見交換。
ディラフルズさんのご主人にも参加してもらいました。
お子さんも一緒に参加した、ディラフルズさんのご主人、ルスタムさん。
多摩地域から集まった参加のみなさんが和やかに交流する中から、仕事、教育、子育てについて活発な意見がでました。
1時間の話し合いの後に各グループの発表です。
日本は便利過ぎて、ハングリー精神がない。
安心、安全な国なのに人々に余裕がないのはなぜ?
日本はオジサンに都合のいい国ではないのか。
学校も家庭も多様性を認めることが大切。
など、各グループならではの、いろいろな意見が代表者から発表され、熱心に聞き入りました。
終了後は参加者全員で記念撮影。
その後もさまざまな交歓風景が繰り広げられました。
外国の方々がしっかりと日本の社会に根を下ろし、たくましく生活していること。
そのバイタリティに感心するとともに、彼らの力がこれからの多摩地域に必要不可欠のものに
なっていくことが予想されました。
参加のみなさんから今年も「楽しかった」と感謝され、こちらも感謝の念でいっぱい。
交流センターの所長さんはじめスタッフの方々のサポートに心から感謝します。