ずっと前から、行きたい行きたいと願っていた八尾の「おわら風の盆」にようやく出かけました。
行くと決めたのが8月中旬、初心者ですので9月2,3日の1泊バスツアーにしました。
2日の夜に風の盆を見物して温泉に泊まり、翌日は五箇山と白川郷を見て帰るというコースでした。
バスから降りて見た八尾の家並みは、石垣の上に造られた城塞のような、或いは台湾の九份を思い起こすような風景でした。
川の氾濫から守るために、高台に家が造られたのだとか。
橋を渡り、ぼんぼりの灯りに照らされた石垣の坂道、趣があります。
八尾の民謡「越中おわら」は300年の歴史があり、歌舞音曲で練り回る盂蘭盆会から現在の二百十日の厄日に豊穣を祈る「風の盆」に変わったのだそうです。
旧町と呼ばれる11の町ごとにおわら保存会の支部があって、その町々で町流しや輪踊りを行っています。
おわらを行っている11町内の人口が約5000人に対して、人出は多い日でその18倍にもなるそうですから、混雑具合がわかります。
ツアーには演舞場で4つの町の踊りが見られるチケットもついていたのですが、何せ滞在時間が2時間なので、町流しを見たくて早々に退出しました。
でも、3歳位の子どもたちも舞台で踊っていて、この子たちが伝統を引き継ぎ、風の盆の演じ手になるのは当然のことになるのでしょうね。
可愛くて会場内が和んでいましたが、地方文化の底辺の豊かさを感じました。
街中は人、人、人で溢れんばかり。
黒山の人だかりの所で、三味線と胡弓の音色がしますが、踊りは見えません。
人の頭のすき間から撮ったのが上の写真、トホホです。(トップのパンフレットで雰囲気を感じてくださいね)。
これから町流しに出発する控え所(?)の様子です。
日本の道百選通り、一番人気の諏訪町にようやくたどり着いたら、彼方の坂道から町流しが来ているようでしたが、
電車のラッシュなみで身動きできず、諦めて戻った次第です。
派手な飾りはありませんが、通りのぼんぼりが風の盆の情趣をかきたてます。
昭和の店構えがあちこちにあります。
こんな古い旅館に泊まって、時間を気にせず見たいですね。
踊りの手づくり紙人形を売るお店。
素朴ながら優美な人形です。
風の盆は人波が去った真夜中が叙情があるとか。
通りに哀調を帯びた胡弓の調べが響き、無言の踊りが通る・・・
編み笠からは顔が見えず、どこか神秘的。そして単調でしなやかな手の動き。
気持ちを内に抑えた、実に日本的なおまつりだと思いました。
やはりツアーじゃ消化不良をおこします。
次は早くから計画して(これが苦手なことですが)、自分たちの風の盆を楽しみたいものです。
泊まったのは八尾から1時間余りの小川温泉元湯のホテル。
開湯400年になるという由緒ある温泉で、とてもいいお湯でした。
3時頃着いたのですが、川沿いのホテルから歩いて7分位のところに野天風呂2つがあり、野趣あふれる秘湯でした。
早い夕食も期待していませんでしたが、、白エビやほたるいかなど地元の海産物の会席料理。
一つ一つが美味しくて、100%満足でした。
ホテル小川全景、江戸時代から子宝の湯として知られていたそうです。
部屋から見た風景、奥に見える橋を渡って野天風呂に行きました。