紅葉の季節にはちょっと早い京都滞在ですが、それでも行く秋の風情が漂う古都の佇まいです。そんな古都京都の郊外にある平等院へ行ってきました。
平等院
京都発7時42分のJR奈良線の列車に乗って宇治駅についたのは8時10分です。30分弱の列車の旅ですが、車窓には京都のベッドタウンらしい住宅街がつづきます。宇治といえば「茶所」で有名ですが、車窓にはほとんど茶畑が現れません。
JR宇治駅前に降り立って感じるのが、それほどの賑わいもなく静かな雰囲気が漂っています。ロータリー脇の歩道には茶所の宇治らしい「茶壺」型の郵便ポストが置かれています。
駅周辺には高層の建物がないので空が広く見えます。
茶壺型の郵便ポスト
駅前から宇治のメインストリートである「宇治橋通り商店街」へと入っていきます。商店街へ入るT字路に面して古めかしい商家が現れます。創業150年を誇る宇治の茶商「中村藤吉本店」です。軒先に渋い色の暖簾が掛けられています。さすが茶所・宇治を感じさせるような絵になる光景です。
中村藤吉本店
このような古い商家が商店街に沿って軒を連ねているのかと期待をしたのですが、宇治橋通り商店街はどこでもあるような家並みがつづくだけです。朝の8時過ぎということで、ほとんどの商店はまだ開店前で、通りは静かな雰囲気を漂わせています。
そんな通りを歩いていると、右手に立派な長屋門のような門構えが現れます。門柱には「上林記念館」の看板と門の上部には「上林茶舗」の立派な看板が掲げられています。
上林記念館の門
上林記念館の看板
上林茶舗の看板
門燈
上林春松の看板
私にとって宇治の上林家という名称は東海道五十三次街道めぐりのガイドをしている際に、幾度も登場します。というのも上林家は江戸時代には将軍家より特別の待遇を賜ったお家柄で、宇治の代官職でもあり、且つ御茶師の頭取であったのです。
将軍家より特別な待遇を受けた理由は、家康公が今川義元没後、岡崎に戻ったころの若き時代に上林竹庵が家康に出仕し、武家でもないのに軍功を挙げ、最終的には関ヶ原の戦いの折には、東軍の最前線であった伏見城で家康の部下とともに戦死したことで、家康公から上林家に特別な待遇を与えたと言われています。
そして幕府から御茶師の頭取職を拝命した上林家は毎年将軍に献上する宇治のお茶を江戸へ運ぶための「茶壺道中」をすべて任されていた名家なのです。
創業が永禄年間といいますから450年の歴史を誇っています。そして当家は「上林春松本店」をいう商号を持って茶師の伝統を受け継いでいるのですが、「上林春松」の名はあのペットボトルの「綾鷹」を誕生させたことで知られています。
宇治にはここ上林春松本店以外に「上林」の名を冠する店舗がいくつかあるようです。その関係は定かではありませんが、一般消費者にとっては「まぎらわしい」と感じざるを得ません。
あくまでも素人考えですが、本家と分家の違いなのか、はたまた茶師としての本家と茶問屋としての分家なのかという違いなのか、よくわかりませんが、歴史的見地からは宇治の上林家はここ「上林春松本店」が正統ではないでしょうか。
さて、宇治橋通り商店街は宇治橋手前で終わります。その場所で道筋は三叉路に別れています。大きな鳥居が立つ道筋は「あがた神社」へとのびています。その一つの道筋が平等院への参道となっています。
あがた神社の鳥居
平等院への案内
それでは平等院へつづく参道へと進んでいきます。電信柱がないすっきりした参道の両側には「お茶」を扱うお店が軒を連ねています。そんなお店が途切れるといよいよ平等院の正門に到着です。
平等院石柱
宇治駅からそぞろ歩きをしながら平等院正門についたのが8時半前です。入場時間は8時半からなのでグッドタイミングです。
正門前のチケット売り場で拝観料を納めます。
チケット
パンフレット
境内図
私にとっては平等院参拝は初めてのことです。チケットを購入する際に知ったことですが、なんと鳳凰堂の内部に入ることができるということです。ただし時間を決めて、且つ1回の入場人数を40名に限定しているということです。
そして鳳凰堂の特別拝観の受付は境内に入ってから別の場所で受付を行っているということです。
そうであれば鳳凰堂の内部の見学は絶対にはずせない、ということで境内に入るやいなや、特別拝観の受付場所へと向かいました。
朝一番の入場ということで、鳳凰堂の入場は最初の回の9時30分のチケットを購入することができました。
鳳凰堂の入場券
券面には入場時間の9時30分が入っています。この入場券を入手しておけば、9時30分までは境内を散策できるということでまずは平等院の美しい姿を眺めながら散策することにしました。
鳳凰堂
鳳凰堂
鳳凰堂
鳳凰堂
鳳凰堂
御存じのように10円硬貨に描かれている鳳凰堂ですが、言われているようにまるで鳳凰が地上に舞い降りたように翼を左右に広げた優美な姿を見せています。お堂の前面に広がる阿字池に美しい姿を映す様子は10円玉硬貨の図柄からは想像できません。
また平等院の周辺には高層の建物がないため、木々の緑が借景となって、空とお堂と池が一体になっています。
末法思想がはびこった平安時代にこの世に浄土世界をと願い造られたのがこの平等院です。千年の長きにわたってこの地に在り続け、今なお美しい姿を見せている鳳凰堂は現代の私たちにとっても心が癒されます。
そして堂内に鎮座する黄金に輝く阿弥陀如来坐像は浄土世界に私たちを誘うように柔和なお顔で私たちを迎えてくれました。
パンフレット
阿弥陀様と対面後、お堂側から眺める阿字池と境内の様子はまた違った趣があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/b1/c00e1ae8dbe8fb4e689ae3fe7110b323.jpg)
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今回は平等院鳳凰堂だけをゆっくりと参拝しました。周辺にはあがた神社、宇治川先陣の碑、橘橋、橘島、宇治十帖モニュメントなど見どころがあるのですが、次回に回すこととし、すぐに京都市内へと戻りました。
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京都発7時42分のJR奈良線の列車に乗って宇治駅についたのは8時10分です。30分弱の列車の旅ですが、車窓には京都のベッドタウンらしい住宅街がつづきます。宇治といえば「茶所」で有名ですが、車窓にはほとんど茶畑が現れません。
JR宇治駅前に降り立って感じるのが、それほどの賑わいもなく静かな雰囲気が漂っています。ロータリー脇の歩道には茶所の宇治らしい「茶壺」型の郵便ポストが置かれています。
駅周辺には高層の建物がないので空が広く見えます。
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駅前から宇治のメインストリートである「宇治橋通り商店街」へと入っていきます。商店街へ入るT字路に面して古めかしい商家が現れます。創業150年を誇る宇治の茶商「中村藤吉本店」です。軒先に渋い色の暖簾が掛けられています。さすが茶所・宇治を感じさせるような絵になる光景です。
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このような古い商家が商店街に沿って軒を連ねているのかと期待をしたのですが、宇治橋通り商店街はどこでもあるような家並みがつづくだけです。朝の8時過ぎということで、ほとんどの商店はまだ開店前で、通りは静かな雰囲気を漂わせています。
そんな通りを歩いていると、右手に立派な長屋門のような門構えが現れます。門柱には「上林記念館」の看板と門の上部には「上林茶舗」の立派な看板が掲げられています。
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私にとって宇治の上林家という名称は東海道五十三次街道めぐりのガイドをしている際に、幾度も登場します。というのも上林家は江戸時代には将軍家より特別の待遇を賜ったお家柄で、宇治の代官職でもあり、且つ御茶師の頭取であったのです。
将軍家より特別な待遇を受けた理由は、家康公が今川義元没後、岡崎に戻ったころの若き時代に上林竹庵が家康に出仕し、武家でもないのに軍功を挙げ、最終的には関ヶ原の戦いの折には、東軍の最前線であった伏見城で家康の部下とともに戦死したことで、家康公から上林家に特別な待遇を与えたと言われています。
そして幕府から御茶師の頭取職を拝命した上林家は毎年将軍に献上する宇治のお茶を江戸へ運ぶための「茶壺道中」をすべて任されていた名家なのです。
創業が永禄年間といいますから450年の歴史を誇っています。そして当家は「上林春松本店」をいう商号を持って茶師の伝統を受け継いでいるのですが、「上林春松」の名はあのペットボトルの「綾鷹」を誕生させたことで知られています。
宇治にはここ上林春松本店以外に「上林」の名を冠する店舗がいくつかあるようです。その関係は定かではありませんが、一般消費者にとっては「まぎらわしい」と感じざるを得ません。
あくまでも素人考えですが、本家と分家の違いなのか、はたまた茶師としての本家と茶問屋としての分家なのかという違いなのか、よくわかりませんが、歴史的見地からは宇治の上林家はここ「上林春松本店」が正統ではないでしょうか。
さて、宇治橋通り商店街は宇治橋手前で終わります。その場所で道筋は三叉路に別れています。大きな鳥居が立つ道筋は「あがた神社」へとのびています。その一つの道筋が平等院への参道となっています。
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それでは平等院へつづく参道へと進んでいきます。電信柱がないすっきりした参道の両側には「お茶」を扱うお店が軒を連ねています。そんなお店が途切れるといよいよ平等院の正門に到着です。
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宇治駅からそぞろ歩きをしながら平等院正門についたのが8時半前です。入場時間は8時半からなのでグッドタイミングです。
正門前のチケット売り場で拝観料を納めます。
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私にとっては平等院参拝は初めてのことです。チケットを購入する際に知ったことですが、なんと鳳凰堂の内部に入ることができるということです。ただし時間を決めて、且つ1回の入場人数を40名に限定しているということです。
そして鳳凰堂の特別拝観の受付は境内に入ってから別の場所で受付を行っているということです。
そうであれば鳳凰堂の内部の見学は絶対にはずせない、ということで境内に入るやいなや、特別拝観の受付場所へと向かいました。
朝一番の入場ということで、鳳凰堂の入場は最初の回の9時30分のチケットを購入することができました。
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券面には入場時間の9時30分が入っています。この入場券を入手しておけば、9時30分までは境内を散策できるということでまずは平等院の美しい姿を眺めながら散策することにしました。
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御存じのように10円硬貨に描かれている鳳凰堂ですが、言われているようにまるで鳳凰が地上に舞い降りたように翼を左右に広げた優美な姿を見せています。お堂の前面に広がる阿字池に美しい姿を映す様子は10円玉硬貨の図柄からは想像できません。
また平等院の周辺には高層の建物がないため、木々の緑が借景となって、空とお堂と池が一体になっています。
末法思想がはびこった平安時代にこの世に浄土世界をと願い造られたのがこの平等院です。千年の長きにわたってこの地に在り続け、今なお美しい姿を見せている鳳凰堂は現代の私たちにとっても心が癒されます。
そして堂内に鎮座する黄金に輝く阿弥陀如来坐像は浄土世界に私たちを誘うように柔和なお顔で私たちを迎えてくれました。
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阿弥陀様と対面後、お堂側から眺める阿字池と境内の様子はまた違った趣があります。
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今回は平等院鳳凰堂だけをゆっくりと参拝しました。周辺にはあがた神社、宇治川先陣の碑、橘橋、橘島、宇治十帖モニュメントなど見どころがあるのですが、次回に回すこととし、すぐに京都市内へと戻りました。
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