滋賀県甲賀市甲賀町油日
鈴鹿山脈の最南端に、油日岳という山がある。
標高700メートル足らずの低山ではあるが、油日神社の御神体とされ、山頂には「岳明神」と呼ばれる祠がある。
高校生の頃から数年間、近畿の山のガイドブックを片っ端から買っていくほど山が好きな時期があって、それらの中に、この油日岳と油日神社に関する記述があった。
そこに「油の祖神」と書かれているのを見て、「へぇ、油の神様なんているんだ」と感心したものだから、神社に興味を持つよりずっと以前から、この油日神社の名前は頭に焼き付いた。
また、その本には、油日の名の起源や、神事の形態から本来農耕神であったこと、甲賀忍者との関わりなど、山の本でありながら広範な内容が取り上げられていて、単純に山の自然が好きだっただけの私の視野を広げてくれた。
ところが、と言うか、やっぱりと言うべきか、多少の関心は抱いても、結局のところ単純に自然が好きという本質は変わらなかったので、神社に興味を持つようになってからも緑豊かな場所ばかり求めてしまう傾向にあり、ネットなどで見た油日神社の写真からは、あまり惹かれるものがなかった。
わざわざ行くのも・・・と思いつつ、昔から名前だけには馴染みがあるこの場所に、やっぱり一度は行っておきたいという思いもあって、ずっと心に引っ掛かっていた。
今回、甲賀市周辺の神社を廻る機会があって、ちょっとついでみたいな形ではあったけれど、やっとこの油日神社に参拝することが出来た。
予想通り、やや開放的で明るい神社であり、本来の私ならあまり落ち着けない気分になりそうな場所なのだが、思いのほかその空間に浸ることができ、行って良かったと思えたのである。
残念ながら参道のモミジは殆ど散っていたが、小春日和と言っていい気持ちの良い天気。
背後はすぐ民家だけれど、周囲は古く味わいある佇まいで落ち着きがある。
左手は公園のような広場。前方には楼門。
油日神社と言えばこの楼門が頭に浮かぶくらい写真でよく見かける。
回廊と一体になった、堂々たる、それでいて秀麗な建築だと思う。
陽射しが強く、コントラストが激しいが、描かれる陰影は重厚感があって見事だ。
神社の入口は南側だが、西側にも入口があって鳥居が立っているのが見える。
駐車場が少し離れたところにあり、そこから歩いてくると、この西側の鳥居前に出る。
この鳥居傍には、かつての神仏混淆の名残の鐘楼がある。
楼門越しに拝殿。
拝殿。
その奥の瑞垣内の左手には、天然記念物に指定されているコウヤマキの大木が聳えている。
楼門を振り返る。
この境内に落ち着きを感じるのは、この回廊に囲まれていることが大きいかも知れない。
拝殿を右手から見る。
格子戸が美しい。殆どの建物が桧皮葺の贅沢な造りだ。
中門と瑞垣。
本殿をはっきりと見ることは出来ないが、この瑞垣にはとても繊細な気品が感じられる。
中門前から拝殿越しに楼門。
やはり格子が美しい。南向きの境内ということから、光と影が織り成す精緻な佇まいを計算して作ったのではないかとさえ思える。
柱の榊も瑞々しく輝く。
境内右手には、何やらお堂のような建物も。
とにかく天気が良くて苦労した。神社を撮影される方ならお判り頂けると思うが、晴天の日の撮影は難しい・・・。
2万5千分1地形図 甲賀
撮影日時 091204 13時20分~14時
駐車場 神社から離れた西側の広い道路に面してある。
地図
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不必要に思える知識が多いほど、
人間としての幅や奥深さが出るものだと思います。
芸術や文化も、
ある意味無駄に思えるようなところから生まれるものですし。
雪はともかく、凍結が怖いですね。
積雪はしてなくても、多少は降雪があって路面は濡れているでしょうし、
それにこれから積もる可能性も高いですし。
あ、でも四駆でしたね。
状況次第では可能かも・・・。
おお、當勝神社でしたか。
これはますます楽しみです。
本殿を間近に見られるだけでも楽しみですが、
んー、外からは見られない本殿狛犬でもいるのでしょうか。
あるいは彫刻・・・像の類か・・・。
何にせよ期待して待ってます。
知らなくても生きて行くのに
何の問題もないことばっかり
知ってるような気がします…
本当に必要な知識とか
何も知らないといいますか(笑)
それにしても
愚生が日曜に出かけるところ
まだ全然雪の気配もありません(笑)
(現地近くのライブカメラ)
もしかしたら自分の車で
行けたりするのかな…
但馬といっても
気分的には丹波的な位置
って別に隠すことでもなんでもなくて
hiro1jzさんも足を運ばれて
確か結構なお気に入りの
ひとつだったような記憶が…
愚生も3度はお邪魔した當勝神社です
板囲いの中で普段は目にできない
本殿を拝見してきます
でも目的は本殿そのものではないので(笑)
だって本殿を見るくらいだったら
お祓いをお願いしたらきっと
拝殿の中くらいには上がれますもんね(笑)
いやホントさすがです。
こういったことは神社だけの知識があっても駄目で、
広範な知識が無いと推論が組み立てられませんから、
万を超える本に目を通されているのは伊達じゃないという感じです。
幽黙さんに丸投げして良かった(笑
ありがとうございます。
>uziさん
あまりお役に立てませんで・・・。
私はあまりマニュアル等を読まないんで、
写りが気に入らなくていろいろ設定を変えて撮っているうちに、
だいたい今のような形に落ち着いてきました。
でも、RAWで撮って設定による違いを見た方が早いですね・・・。
私そこまで設定を変えておりませんでした。
D40のマニュアル調べてみます。
ありがとうございました。
ご紹介頂いたHP読みました。
どこかで見たと思っていたのは北野天満宮だったのですね。
写真をチェックしたら、一部ですけど撮影しておりました。
>幽黙さん
ありがとうございます。
さすが幽黙さん、すごい。
枯れることのない泉の様に知識があふれ出てくる感じ。
私、富岳三十六景と東山三十六峰しか知りませんでした。
数字に意味があるのですね。
確かにいろいろなお寺や神社に
奉納絵や奉納額に奉納屏風など
ありますねぇ
題材にしやすかったから
ということだと思いますが
三十六という聖数に
関係はあるんじゃないかとは
思いますね
三十六計逃げるに如かずなんて
兵法の三十六計
葛飾北斎の富嶽三十六景
東山三十六峯
三十六不動に三十六童子
三十六禽
三十六鱗
三十六見附
古代条里制などでも
基準となる里という単位は
六町×六町の三十六区画
その昔は暦も三十六分割
方位も三十六方位
考えてみれば円は360度
三十六という数字は
殊に中国などで重要視されていて
そういうものが日本にも
伝わっていても全然おかしくないですし
十二の倍数であること
三の倍数であること
九の倍数であること
いろんな意味を持たされているようです
うわ、ツライですねぇ。
こちらも寂しくなるので早く復活してください。
お待ちしております。
>幽黙さん
20日って、もしかしたらかなりの積雪かも知れませんね。
雪降るさなかの参拝は素晴らしいでしょうが、
どうかお気をつけください。
ほう、ネットには全く出ていないのですか。
いいですね、見る人はどうあれ、
そういったものを見てアップ出来るのは楽しいことです。
私も、先日の七滝八壷の滝のうちの一つを、
「ネット上でもこの滝が掲載されていることは殆ど無く」、
と書きましたが、実は私の知る限りでは見たこと無いんです。
そういうのを写真に撮って掲載するのは楽しく嬉しい。
まあ私の場合、完全に自己満足なんですが(笑
>uziさん
私の場合、日差しが強い日は
コントラスト低め、色は濃いめに設定して撮ることが多いです。
撮影モードも「風景」を選ぶとどぎつくなるので、
「スタンダード」か「忠実」を選びます。
ニコンだとどういうふうに設定するのかは知りませんが・・・。
その手のことは幽黙さんがお詳しそうですねぇ。
私は全く推察さえできません(笑
ただ、以下のページで多少そういったことに触れられているので参考までに。
すでにご存知かもしれませんが。
http://homepage2.nifty.com/seigakudo/36kasen-gaku.htm
は言い過ぎたがもしれませんが、
落ち着いた雰囲気が出ないんです。
晴れていてもhiro1jzさんのお写真、
落ち着いた感じに仕上がっております。
LAWで撮れば、ある程度調整出来るかとも思うんですけど。
拝殿に三十六歌仙と思われる額がありますが、
他の神社でも見たような記憶があります。
なんか訳でもあるんでしょうか。
hiro1jzさん、幽黙さん、eraさんご存知ありませんか。
>eraさん
>この年で勉強は嫌なもんです。
たしかに、会社から帰ってから勉強するのには強い意志がいります。
頑張られた結果が出てよかったです。
返事のお手紙を
いただいただけだったのですが
今日電話をさせていただいて
20日(日)にお邪魔することにしました
でも完璧に雪予報ですね(笑)
とても自分の車では行けそうにないので
電車でGOですね
最寄駅から神社まではタクシーだな~
誰か雪道に強い人にこっちから
連れて行ってもらうか
但馬のネット知人に
連れて行ってもらえるように
しようかな…(^ ^;
もっとも見せていただけるものは
多分愚生一人が盛り上がっているだけで
きっとブログに載せても
なんだこんなもんか…っていう
反応がほとんどだと思いますけどね(爆)
ある本には掲載されているのですが
今のところネットにその話が
出ているのは見たことがない…です
ホッとしましたよ。この年で勉強は嫌なもんです。
そろそろ冬のニオイしてきました。
気づいていただけましたか!
ひっそりと地味にやっていくつもりでいても、
実は誰も気づいていないんじゃないかと思ったり(笑
まあ物好きな人が壁紙にでも使って下されば、
という感じで、あの大きさでアップしています。
文章も書かなくていいし、ホントに気が向いたときだけでいいので、
凄く気楽にやっていけます。
Junさんも、取り敢えず公開して、
あとは気楽に気ままに増やされていっては?
>幽黙さん
私もほぼ幽黙さんと同じ感覚でして、
毎年、改まって初詣という行事はしないです。
年末年始は普通に仕事のことが多いですし、
まあ1月中に、どこか参拝できればいいかな、
くらいの気持ちでいます。
水曜あたりからかなり冷え込むようで、
降り出しそう、というより、たぶん積もりそうな感じですね。
電車で但馬、しかも雪景色っていうのはなかなか贅沢な味わい。
しかも、内容は判りませんが、かなりいいものを見せて頂けるみたいで、
こちらも何だろうと楽しみになってきます。
幽黙さんの情熱勝ちですね。
hiro1jzさんは
初詣とか
どうされてるんでしょうね~
愚生はあまり
世間的にいう初詣っていうのは
意識はしていないのですが…
年が明けて最初の参拝が初参り…
くらいの感覚といいますか…
但馬は来週あたりから
いよいよ冬本格化して
雪もちらほら降り出しそうなのですが
その中多分但馬に行こうと思っています
雪だったら
電車だなぁ…なんてのんびりした…
ようやく宮司さんと連絡が取れたというか…
普段は見せてくれないんですけど
切々と(笑)手紙を書いて送ったら
了解を取り付けることができまして…(笑)
内容的に元旦にアップしようかなぁ
私の好きな写真があるので嬉しかったです。
素敵なので、余計なコメントはしないで見て楽しむだけの場所ですね。
少しずつ増えていくの、いいですね。
私もアップルのアドで画像置き場をつくっている最中ですが、なかなか公開までいきません。
何だかんだ言っても、気分的には曇よりは晴れている方が気持ちいいです(笑
一眼は、コンパクトデジカメよりは明暗差に許容量があるように思いますので、助かってますが。
建物は重文に指定されているようですが、
わざわざ他所から見に来る人は少ないようで、
写真を撮っている私を、地元の人が珍しそうに見てました(笑
>eraさん
そういえばeraさんは参拝済みでしたっけ。
6枚目の方が、日陰のせいもあって普段の私のトーンだと思います。
2枚目は、もっと淡い光で撮りたかったです。
御上、若宮、、野蔵、川田、花枝、瀧樹、田村、などなど、
どれも捨て難い良さがあります。
一日で廻るのに手頃で充実した範囲ですしね。
1号線はトラックが多いですし、
そういう運転手さん目当ての店は結構美味しいのでは?
え、そんなすごい神社があるのですか(笑
まあ田村神社は神社の整備にお金をかけている感じで、
それ自体は悪いことではないですし、
それに、あれだけの森をちゃんと維持されてますもんね。
参道と並行するように、森の中に小道がありまして、
深い森にいるようで凄く気持ちよかったです。
私もかなり吸うほうです・・・。
中途半端な値上げがいちばん財布に堪えます。
結論を言えばオタクは怖いと(笑
ナインはずっと以前の引越しで捨てちゃったのが勿体無い。
また読み直したいです。
>幽黙さん
ねっとりですか。なるほど、いわれてみればそんな風にも見えますね。
楼門の入って左側のところに奉納された酒樽がありまして、
右側には一斗缶が積んであったんですが、
目障りで無粋なものがあるなぁと思ったら、
よく見たら奉納された油の缶でした(笑
さすが油の神様だと感心してしまいました。
近江では森の無い神社というのは滅多に見ないですね。
平地であっても豊かな森が多くて、
社殿も見事なところが多くて、
こういう地域性はどういうところからきてるんでしょうねぇ。
>くのいちさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
このブログで絵文字つきのコメントは初めて頂いたかも? 嬉しいです(笑
ブログ、拝見させてもらいましたが、
なかなか精力的にあちこち行かれてますね。
携帯でのお写真ということですが、
充分に神社の雰囲気が伝わってくると思います。
というか、携帯電話のカメラって随分進化しましたね。
私、ここ2年ほどケータイカメラ使ったことないんです・・・。
魔法のようなものなんて言われると困ってしまいますが、
神社の魅力が伝わっているなら嬉しいです。
お気遣いありがとうございます。
くのいちさんは伊賀上野ですね。
私は名張住みだったことはありますが、
残念ながら上野にはあまり縁がありませんでした。
でも、寒さはよく知っています。
風邪などひかぬようお気をつけください。
今後ともよろしくです。
>uziさん
やっぱりこのアングルには惹かれますよね。
同じアングルで補正を変えて4枚撮りました。
画素数の少ない方が、階調の変化には強いように思ってましたが、
そうでもないんでしょうか。
この写真はちょっとお気に入りですので、
素直にuziさんの言葉を信じたいです(笑
この写真は晴れで良かったと思いますが、
楼門を振り返るは曇りの方がもっと良くなったような気がして・・・。
アップされた戸隠神社、イチョウの落ち葉が見事ですね。
境内全体が黄色に覆われていて、私も行けば良かったと思いました。
私のブログにも触れて下さってありがとうございます。
色調も含め、hiro1jzさんのお写真の方が断然良いです。
家を出た時は曇空だったのに、油日神社に着いたら晴れてきました。
D40で撮った晴天の神社は最悪です。
一番のお気に入りは「楼門を振り返る」
次に「中門前から拝殿越しに楼門」です。
>eraさん
あらためまして、合格おめでとうございます。
いつも興味深く拝見しております。
神社に魅せられて、
数多くの写真を撮影してきた私ですが
私の場合、携帯写真のみなので写真はそれなりといった感じです。(笑)
hiro1jzさんのお写真を拝見すると
どうしてもその場所に行ってみたくなる魔法のようなものを感じてしまいます。
これから足元の悪くなる季節になりますが
どうか安全運転でお体に気をつけて頑張ってくださいね
晴天時の撮影ということで
そういう写真になったのかもしれませんが
どことなくねっとりとした質感を
感じさせる建造物の印象になっています
ああ
油だからか(笑)
というのは置いといてですね
境内は深い森ではないのに
杜としての濃密な深さを具えている
ということはものすごくわかります
境内周囲の森が内密充填してるのかな
のわかるんですが意外と心地よいのも理解できま
す。なんか落ち着く場所ですよね。
写真は二枚目と六枚目がいいですね。なんで六枚目
が気にいったのか不明ざんす。
たしかに、あの道路沿い近辺は地味に良い神社が
多いですよね。確かに交通量は多かったですね。
あと美味しい焼肉もありましたよ。
田村さんはお金大好きってニオイがする神社です
よね。この街道沿いでは一番お金持ち神社な気が
しますね。
でも東北の湯殿山神社に比べればお金大好きビーム
の出方は、まだまだ可愛いです。湯殿山神社は
魔人クラスのお金大好き神社でしたよ。
そうそう神社マニアは煙草吸わない人多いですよ
ね。自分いじょうに煙草吸う神社マニアみたこと
ないですよ。
やはりhiro1jzさんも煙草値上げ=禁煙を狙って
いるクチですね。同じです。トホホですよね。
アニメは怖いんですよね。秋葉原で某作品の悪口
言っただけで刺されたとかもありましたもんね。
声優ファンも怖いですよ・・・
制作サイドもわかっているのかなってあります
もんね。
ナインの爽やかさは今でも胸に来ますよ。
立派な建築に見とれてしまいますね。
公家のお屋敷を想像しました。