2012年5月26日(土)、新月の木国際協会の会員の方から、昨年新月伐採をしたスギのその後の葉枯らし状況を確認するために現地に一緒に行かないかと誘われ、約7ヶ月ぶりに村上市の伐採現場を訪れた。 新月伐採とは、普通は冬の新月の日(一般的には1週間前から当日までの間)に伐採された木のことで、木材としての品質が、「割れにくく、腐りにくく、燃えにくく、虫もつきにくい」といわれている。 この新月伐採をした木は、自然乾燥を促進させるために「葉枯らし」といって数ヶ月間は枝葉をつけたまま玉切りせず現地に放置しておくことも条件になっている。 つまり、葉が枯れるまでの間、葉からの蒸散作用によって樹幹内の含水率を搬出前に下げておくものである。
ところが、ここ新潟県では真冬の新月の頃は雪が多くて伐採作業ができない。 従って降雪前の晩秋の新月に伐採をせざるを得ない。 さらにその後は葉枯らしをしている伐採木の上に雪が降り積もり、4ヶ月は雪の下になってしまう。 それで果たして葉枯らし効果があるのか?という疑問があった。 今回はその実証実験である。 現地に行ってみると、予想していたとおり葉はまだ青々としていてほとんど枯れていない。 このまま1ヶ月くらい置けばその間に乾燥は進むかも知れないが、今度は虫が入る心配がある。 とりあえず伐採した根元側の木口面の含水率を計測してデータを取る。 同行した会員の方の話では、外周部分の白っぽい辺材部分の含水率はかなり低くなっているが、赤みのある心材部はそれほどでもないらしい。 しかし、ほとんど雪の中に埋もれていても伐採時より含水率は下がっていることは確認できた。 ただし、伐採直後に枝葉を切り落としたものと比較していないので葉枯らし効果かどうかはわからない。 いずれにしても新月伐採の効果を実証するには相当の手間ヒマと経費がかかる。 面白そうだが支援してくれる機関があるだろうか?
〈含水率や倒木の傾斜角などを測る。〉
〈林床に一面シダが生い茂る村上市(旧朝日村)のスギ林。樹高は30mを超える。〉
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