2020年10月31日(土) 海岸保安林を飛砂から保護するために、砂浜海岸では堆砂江や植生工などの他、防風柵や土塁などを前面に設置して背後の海岸林(黒松林)を守っている。 しかし、一方で海岸浸食を防ぐため、離岸堤や潜堤などを海岸の沖合に作って養浜を進めている。 なので、かつて護岸まで海が迫っていたころには、発生源となる砂浜が少なかったため飛砂の害はほとんどなかった。ところが、離岸堤等の整備によって砂浜が広がるにつれ、飛砂の被害が顕著になってきた。 発生源を止めなければ飛砂は増える一方である。 結局飛砂防止工と養浜はイタチごっこになってしまう。 どちらも莫大な経費がかかるため、何とかしなければ永遠にこのイタチごっこは終わらない。 過去50年近くこの近くに住んで、その経緯を見てきた私にとっては特に身近な問題であった。それが今回、仕事として海岸保安林の整備の一環として、飛砂対策を含めた提案を行わなければならなくなった。 これは他のスタッフに任せて知らん顔をするわけにはいかない。 現場をよく知る地域住民としても、老体に鞭打って何とか最善の方法を提案したいと思っている。 今日は天気が良くなったので、散歩がてら現場を歩いてみた。 久し振りに行った現地は思っていたより、さらに深刻な状況になっていることがわかった。 これまで土塁とクロマツ林で守られていると思っていた国道にも、放置すればクロマツ林が砂に埋まって飛砂が及ぶのは時間の問題であることがわかった。
〈土塁の海側は堆砂工が埋まって、その上を砂が移動して背後地に越流している。〉
〈風紋で風の方向がわかる。〉
〈飛砂が堆積する先端部。クロマツ林をのみ込んでいく。〉
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