2012年6月16日(土)、鳩待峠行きのバス乗り場まで娘の車で送ってもらい、我々ジジ・ババと小5の「孫その1」の3人で小雨がパラつく戸倉の駐車場を出発した。 鳩待峠に近づくにつれてだんだん空が薄暗くなってきて雨も本降りになってきた。 「孫その1」が嫌がるかと思ったが、そうでもなく平気そうだったので、予定通り尾瀬ヶ原に下ることにした。 雨具を着て準備をしている間にさらに雨脚が激しくなり、やがて土砂降りになってきた。 しかし孫はポンチョに長靴をはいて私のスパッツをつけると、却ってその格好で歩くのが新鮮なのか、一人雨の中ではしゃいでいる。 次々とバスを降りてくる団体さんに押し出されるように雨の中を出発する。 足元が滑りそうなのでゆっくりと慎重に下る。 それでも私が滑りそうになると。「ジィジ大丈夫?」と孫が気遣ってくれる。 小1時間で無事山の鼻に到着。 今晩宿泊予定の尾瀬ロッジに早めにチェックインし、荷物を部屋に置いて尾瀬ヶ原の散策に出かける。 もう終わってしまったのではないかと心配したミズバショウもまだまだ見ごろでホッとした。 これを孫娘に見せてやりたかった訳だから、まずは目的を果たせそうだ。 それに、小雨降る湿原のミズバショウは一層生き生きして美しい。 特に至仏山側に広がる湿原のミズバショウ群落はあまり人が行かず、「尾瀬を独り占め!」という気分になれる。 今回は息子を山嫌いにさせてしまった過ちは繰り返すまいと、とにかく無理はさせないように注意した。 本来なら見晴らし十字路あたりまで歩くのだが、今日は山の鼻を中心に30分以内くらいのところを散策し、ビジターセンターに寄ったりしてのんびり過ごした。 山の鼻付近の山小屋は、尾瀬ヶ原や尾瀬沼にある他の山小屋と違って電気がきており、尾瀬ロッジは温泉もあって部屋もきれいで快適である。 しかし、孫にとってはテレビもゲームもマンガ本もない夜はいささか苦痛のようだった。 しきりに本を持ってくるのを忘れたことを悔やんでいた。
翌朝は朝食を済ませて早々に山小屋を出発し、鳩待峠に向かった。 帰りも文句を言わず、自分で持ってきたカメラで写真を撮りながら疲れた様子もなく登って行った。 ただ、すれ違う人たちに「こんにちは!」と声をかけられても、はずかしくて大きな声で返せないため、それがやや苦痛のようだった。 2時間くらいかけてゆっくり登ればいいと思っていたが、結局鳩待峠まで1時間10分ほどで登り切ってしまった。 初めての山行きとしてはまずまずの成果であった。 と思うのは我々だけで、実は本人はかなり「気を使い屋さん」なので、自分を連れて行きたがっているジジ・ババのために付き合ってくれたのかもしれない。 そんな気がするほど、いつの間にかどんどん成長していく孫娘である。
http://www.youtube.com/watch?v=mu8KdO7CbBg
〈鳩待峠を出発する頃には雨は一層激しくなってきた。〉
〈今日のために買ってやった新しいデザインの長靴にスパッツをつけ、ポンチョを着て傘もさしていざ出発〉
〈ミズバショウも待っていてくれた!〉
〈至仏山側に広がる水芭蕉の群落〉
〈盛んにシャッターを切る孫その1〉
〈雨が降り続く尾瀬ヶ原〉
〈土曜日に人影が写らないのは珍しい。〉
〈快適だった尾瀬ロッジ〉
〈白いミズバショウにリュウキンカがアクセントとなって美しい〉
〈雨に打たれてうなだれるシラネアオイ〉
〈鳩待峠に向かって疲れた様子もなく元気良く歩く「孫その1」〉
〈鳩待峠に楽勝で戻ってこれた。いい思い出になってくれればいいのだが…。〉