酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

寅さんの好物。

2014-01-29 | 酒風景
いつの頃からか、がんもどきが大好物になった。
家でもしばしば煮付けるし、呑みに出た先でおでんにそれがある場合は必ず食べる。

先日の晩酌でも。



理由は寅さんの好物だから。それに尽きる。
映画「男はつらいよ」では寅さんの好物は、おばちゃんが拵えた「芋の煮っ転がし」「がんもどきの煮たの」とされている。
何を隠そう、自分は架空の人物なれど自分は寅さんを敬愛しているのだった(何を隠そうブログでもずいぶん書いてるが)。

一口にがんもどきと言っても、売っているものは千差万別。大きいの小さいの。厚いのやぺったらこいのやら(ぺったらこい=薄い)、ふっくらしてたりムチっと固め。また、ものによってはひじきや野菜などが入っていたり。
どんなのが好みかといえば、型は大きからず小さからずの厚からず薄からず、硬さほどほどが良い(いわゆる超フツーな感じ?)。でも一口ガンモのようなものも楽しい。

食べるのも簡単というのがかんもどきの良いところ。出汁、醤油などでさっと煮て、一晩放ったらかしておけば次の日には味がしみしみ。
その手軽なこと、大したもんだよカエルのしょんべん、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし。


ものの始まりが一ならば、国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島。泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、博打打ちの始まりが熊坂長範。日光結構東照宮。憎まれ小僧が世に憚る。三三六法で引け目がない。産で死んだか三島のお千。お千ばかりが女じゃないよ。 四角四面は豆腐屋の娘。色は白いが水臭い。四谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水。粋な姐(ねえ)ちゃん立ちしょんべん。

寅さんが啖呵売での口上は有名である(因みに「大したもんだよ」は「田へしたもんだよ」に掛けている)が、自分は寅さんの一人語りが好きだった。

監督は第50話で物語を完結するつもりでいたそうな(第48話を最後に渥美清さんは亡くなった)。ストーリーも用意されていたらしい。ファン、映画界にとって誠に残念である。
で、どの作品がいちばん好きかって?

それを言っちゃあお仕舞いよ。

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2 コメント

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まさしく (なな)
2014-01-29 19:15:21
ミロのビーナスピサの斜塔的な…?
未完の美なのかな?
寅さんは懐かし映像で見る位しかしらないけれど
韻を踏んだ日本語は
読んでも聴いても心地よく引き込まれますね
その、一節一節の裏?
その隠れた意味を想像しだすと
時間もボトルの中身もスルスル流れていってしまいます(>皿<笑)
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>なな様 (こたりん)
2014-01-30 09:18:51
ありがとうございます。有り難き同志を得たような気分です(笑)

そうですね。未完の美と表現するのは言い得て妙。寅さんは残念ながらレジェンドになってしまったわけですから。
話芸も、今では伝統芸?の域になってしまって、何もかも時代の移ろいを感じないではいられません。
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