酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

ふわふわ高野豆腐で 精米歩合35%堪能

2015-02-18 | 酒風景
大好きなので時々高野豆腐を食べる。
何かの料理に使うのでなくメインが高野豆腐。


がんもはお付き合いというか子分というか。
ほか、煮込みには卵も参加させてやった。

今回はやたらと柔らかく炊けた。
箸で持ち上げると自重で身が割れるほどだ。
白だしで煮込んだせいか、保温状態で一晩放置したせいか。
でも甘く美味しく炊けた高野豆腐は絶品だ。

そんな肴にはとっておきの純米大吟醸を。


近頃は瓶に貼らないこんなラベルが多いね。
男山(旭川)、道産米による純米大吟醸、蔵元限定品。

吟醸の香りはよく果樹香に例えられるが、男山のこれはそれを超越した
知られざる米の本音を聞き出した、そんな香りだ。
旨味は極めて濃醇。同じ原酒でも18~19%の品を飲んでいるような手応えも素晴らしい。
とにもかくにも杜氏のスペシャル品は秀逸。

近年の日本酒人気を支えてるものの一部に
日本酒度、とか、精米歩合とかの「数値」がある。
いわゆる酒の質が分かりやすいということなのだが
危惧されるのが、それすなわち美味しさの基準ととらえる「勘違い」だ。
また米のブランド志向も然り。

そもそも日本酒の表示はいまだ曖昧である。
たとえば、山田錦と書いてある。が、米の等級には触れていない。
酒米は一等米と二等米では雲泥の差があるそうで
天下の山田錦も後者を使ってしまえば、果たしてそれが山田錦本来の酒がどうかは分からないのである。
粗悪なものを使った安価な山田錦酒が横行し、本気で山田錦にこだわった酒が迷惑しているとも聞く。
そういや、今年になって全量山田錦の本醸造というのを口にしたが、
そんなものまで現れてはますます分からない(笑)

ちなみに此度の酒。
米は仕込み、掛けとも全量「吟風」とのこと。

とのこと。というのは酒蔵を訪ねた折、杜氏ご本人に話を伺うという幸運を得たからだ。
だからついでに尋ねてみた。
なぜに精米歩合35%まで。その真意は?
早い話が、35%になるとどう美味しいんですか、と。

35%は、そこまで磨けば山田錦に近づけるんじゃないか。そういう目論見なんだそう。
かつ、吟風は極めて低い精米歩合にも耐えうる体力を持っているのでそれが可能だったらしい。

つまりはこういうことではないか。
まず、この酒を生んだのは道産米で北海道の地酒を造りたいという杜氏の熱意である。
35%だから旨いのでなく、旨さを追求したら35%になっていたということだ。
味は数値でなく創意と努力の結果なのである。

それでもまだ上等な山田錦にはかなわないと杜氏は謙遜する。

久々に感動した。
酒が人を感動させるのは味だけじゃない。
この一本は自分の小遣いでは少し散財となったが、満足はそれ以上。
道産酒志向がまた少し上向いた。

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2 コメント

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Unknown (hisami)
2015-02-18 16:28:16
子供の頃は巻き寿司に入ってる
かんぴょうと高野豆腐を外して食べてたのに
今や高野豆腐大好き♪
お汁をチューチュー吸いながら
食べるお下品な食べ方がお好みで
家ではチューチューしながら
美味しい酒を飲むのが楽しみ☆
大人になった~~って事よね(笑)
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>hisami様 (こたりん)
2015-02-19 09:33:18
ふと考えれば高野豆腐も
摩訶不思議な食材にランクイン。
誰がどういう理由で発明したか
はてまた偶然か(笑)
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