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酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

カレーな朝。

2014-04-05 | 旨かった話
朝食がカレーになるのは一般家庭においてよくある事情。

だが、これはこれの独特な旨さがあって良い。
だからといって、夜のカレーを辞退して、あえて朝になってから食べるということをやっても
それは美味しいと言えない。
夜と朝の味の違いを感じ取ることに、朝カレーの醍醐味があるからだ。


言わずもがな、うちも先日カレーだった。

なんとなく食堂スタイル。

写真に撮ったら面白いかと思いやってみたが(笑)、

なぜこうするかは諸説ある。
自分が推論はこうだ。

紙ナプキンが庶民に普及していなかった頃の習慣。


そこが、まちの食堂だとする。

各テーブルには箸立てが置いてあるが、スプーンの置き場はない。
そこへカレーの注文があり、店のおばちゃんはスプーンを出さねばならない。
が、紙ナプキンがあれば一緒に添えて出せるのだが、そういう習慣は当時まだない。
カレーを盛り付けた皿に乗せたらいいじゃないかと言うお方もいるが、それは違う。
古くから定着している箸の文化では料理の上に箸を乗せるという作法はない。スプーンもそれを同じと考えたおばちゃんは、さあ困った。
ふと思いついた策が、グラスに刺して出したらオシャレだし、ねえお父ちゃん、いいんじゃない?

高度成長を機に、庶民に洋食が急速に普及した。
グラスにスプーンは、理由も問われることなくそれが当然のマナーだと言わんばかりにカレーライスだけでなく、オムライスにも、チキンライスにも、あるいは炒飯にも。スパゲッティナポリタンのフォークもイングラスだった。

やがて紙ナプキンというものが普及。要スプーンのメニューを頼むとまずテーブルにひらりと紙ナプキンを敷き、そこにスプーを配置した。その時おばちゃんの小指はなぜか立っていた。

だが、困ったことにグラスにスプーンの風習は、食べる時には一旦スプーンを濡らすもの、という勝手なルールを人々にすり込んだ。
平成の今になっても、カレーを食べる時にグラスでスプーンをちゃんぷちゃぷやるヒトが、何割か確かにいる。

いとおかし庶民文化。