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“男のためのガーデニング”改め

「水尾神社」の石塔と「水尾庭園」~滋賀県高島市拝戸~

2020-07-04 15:25:25 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 滋賀県高島市は、第26代天皇(507~531年)の継体天皇の誕生地とされています。
継体天皇は、第15代天皇・応神天皇の5世孫だといい、越前国を治めていたが、第25代・武烈天皇の崩御により天皇に即位した大王とされます。
「水尾神社」は、継体天皇の生母である「比咩神(振媛)」と「磐衝別命」の2柱を御祭神として祀っており、2柱とも第11代天皇・垂仁天皇の子孫にあたるという。

天皇家から5世も離れていることから皇位継承の立場にはなく、しかもヤマトではなく越前から王を迎えたということで、継体天皇から新王朝が始まったとする説があるといいます。
出自や即位には諸説あるミステリアスな大王の誕生地とされる高島市の水尾神社には、鎌倉期のものとされる石塔や石灯籠、磐座などがあり、小雨の中、高島市へと向かいました。



鳥居の横には「祓岩」があり、これは神社にお参りする前に、穢れを祓うものと思われる。
水尾神社には祓岩や磐座、水尾庭園の岩を含め、実に岩の多い神社だったことに驚きます。



境内を進むと「磐座」があり、頭をもたげた巨獣のような姿をしている。
「水尾庭園」への入口付近に唐突に鎮座している磐座は、最初からこの位置にあったのか、別の場所から移したのかは不明ですが、遠目からでもすぐに目に入ってくるこの岩座は見応えがあります。





「水尾庭園」は、1996年に約2000個の石を使って造園されたといい、山の斜面を利用した上下2段の階層に2つの池のある回遊式庭園となっている。
下段の庭園には朱色の太鼓橋を通って入ることになり、池の周りに出ると、奥には滝が流れ落ちているのが見える。
岩のゴツゴツ感に迫力があり、小雨でしっとりと濡れた岩や緑を美しく感じる。





緩やかな坂を上っていくと、上段の庭園にある池に出る。
上段と下段に2つの池泉があり、回遊式庭園となっているような庭園は、これまで見たこともなく、両方の池に滝が造られているのも見事としか言いようがない。





庭園の周りにも巨石が多く、圧倒されるが、この石は借景になっている三尾山(565m)から切り出したものだという。
水尾神社の裏山には「拝戸古墳群」という六世紀の古墳群があるといい、古代からこの地に力のある豪族が住んでいた証となります。



池の端の方にモリアオガエルの卵が幾つかあったのを見つけ、池の周りを歩いていくと、嫌なやつを発見。
産卵にやってくるモリアオガエルを待っているようだが、残念ながらモリアオガエルは夜行性なので、おそらくこの時間から出て来ることはないだろう。



水尾庭園の上段と下段の間には、石塔が幾つかあるため、見て回ることにする。
水尾神社の石塔は残欠が多いといい、残決を組み合わせて石塔としているそうです。
この石塔の層塔の四方仏は、比較的鮮明に残っており、苔の上に立つ石塔は見応えがある。





2つ目の石塔にも塔身に四方仏が彫られており、こちらの塔身には鎌倉時代 仁治2年(1241年)の銘があるといいます。
この場所には計3基の石塔がありますが、この2つの石塔が見応えがあると思います。





残り1基の石塔は、元がどんな形だったのか分からないような残欠を組み合わせた石塔となっている。
とはいえ、ここまで異質だと逆に魅力があり、基礎の部分に彫られた蓮らしきものにも味わいがある。



庭園の端には2基の宝塔が並ぶ。
塔身は円柱状で扉型が彫られているが、上部は宝篋印塔となっていて、こちらも特徴的な石塔となっていた。



庭園の出口付近には「陰陽石」。
この陰陽石は霊験いやちこで、特に女性には恋と子宝に恵まれる霊石・霊水だとされている。
石は陰陽になっており、流れる水を飲みはしなかったが、触れてみるととても冷たい水が流れていた。





本堂の横には鎌倉中期とされる「石灯籠」が立っていました。
石灯籠は高さが250cmくらい、火袋には四天王らしき像が彫られているようです。





最後になりましたが、本殿へと参拝します。
水尾神社は、創建は不詳なものの、765年には延喜式内の古社だったといい、現在の本殿は江戸9代将軍・家茂の再建だとされます。
尚、本殿の横には摂末社として“八幡大神・天照大神・豊受大神・秋葉大神・速総別大神”を祀る祠がありました。



朝の早い時間帯に一人で参拝していると、神社の方と思われるおばあさんが来て、神社案内のリーフレットを渡して下さいました。
そのまま祝詞を上げて、掃き掃除をされていましたが、祝詞を聞きながら歩く朝の神社というのは、身が引き締まって気持ちの良いものです。



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